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「一口ちょうだい」で半分消えるかき氷、次の店で私が先に頼んだ2つ

  • 2026.8.20
ハウコレ

向かいの席から伸びてきたスプーンが、私のいちごのかき氷の山を大きく崩しました。数日後のカフェで、私は注文を先に済ませて友人を待ちました。「先に2つ頼んでおいたよ」その一言に、友人はメニューを開かないまま、私を見つめていました。

半分になったいちご味

学生時代からの友人とは、月に1度は甘い物を食べに行く仲です。その日も彼女の誘いで、削り機の音が響くかき氷の店に入りました。私はいちごを注文し、彼女は水だけを頼みました。氷が運ばれてくるなり、「一口ちょうだい」と言って、彼女は自分のスプーンを差し出しました。一口が二口になり、気づけば山は半分ほどに減っていて、彼女は「おいしいね」と笑っています。私は崩れた氷をかき混ぜながら、伝票の金額のことばかり考えていました。断ればいいだけなのに、その短い言葉が出せない自分にも、腹が立っていました。

帰り道の検索欄

帰り道、私はスマホの検索欄に、友達、シェア、断り方、と打っては消しました。彼女に悪気がないのは分かっています。ただ、並んで選んで、楽しみに待ったのは私でした。次も同じことになるなら、誘いを断るしかないのかとも考えました。ただ、10年近く続いた仲を、かき氷1杯で終わらせたくはありません。数日後、彼女からメッセージが届きました。「またあの店に行かない?」画面を眺めてから、行くよ、と返し、私は当日の段取りを決めました。

先に頼んだ2つのかき氷

次に会った日、私は約束より先に店へ着き、いちごと抹茶を1つずつ注文して彼女を待ちました。席に着いた彼女がメニューに手を伸ばす前に、「先に2つ頼んでおいたよ」と伝え、抹茶のかき氷を彼女の前へ置きました。彼女はスプーンを手に取ったまま、なかなか氷に口をつけません。「好きなほうと替えてもいいよ」と続けると、彼女は目を伏せて、小さく息を吸いました。「ごめん。自分で頼んで、外したらって思うと選べなくて」私のかき氷を食べ続けていた理由は、そこにあったのです。

そして...

「次からは、2人で選ぼうね。半分こなら、2つ頼んで分ければいいから」と私は言いました。彼女はうなずいて、抹茶の山にようやくスプーンを入れました。溶けかけたいちごを、私は端から順に口へ運びました。帰りのレジで、伝票は初めて2人分に分かれていました。

(20代女性・事務職)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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