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「セーラームーンが原点」。tanakadaisuke(タナカ ダイスケ)のデザイナーが叶えた、念願のコラボレーション

  • 2026.8.20
Hearst Owned

「子どもの頃から大好きで、今回のプロジェクトで一つの大きな夢が叶いました」。ロマンティックで幻想的な世界観で知られる日本ブランド、tanakadaisuke(タナカ ダイスケ)は、2026年6月に『美少女戦士セーラームーン』とのコラボコレクションを発表して大きな話題に。デザイナーの田中大資は、この作品を自身の「原点」と称し、「思い返すと、武内直子先生からものすごい影響を受けていました」と語る。

そんな熱烈な想いが形となったコラボレーションでは、武内先生の精細な原画を軸に、ブランドが得意とするビーズ刺しゅうやラメプリントを重ねたTシャツや、劇中で登場するモチーフを象ったヘアアクセサリーなど、大人になった原作ファンの心をくすぐるアイテムが登場した。夢が詰まったコラボのプロセスについて、そしてあらためて注目される『美少女戦士セーラームーン』のメッセージと自身のブランドとの共通点を、語ってくれた。

ファッションの原点、『美少女戦士セーラームーン』

Tシャツ ¥23,100 <strong>tanakadaisuke</strong> Hearst Owned

── 『美少女戦士セーラームーン』について、「ファッションの原点のひとつ」と語られました。作品との出会いと、原点である理由を教えてください。

僕は最初、『美少女戦士セーラームーン』のまんがではなく、アニメを通じて作品に出会いました。幼少期、3歳上の姉と一緒にアニメを観て、セーラームーンのごっこ遊びをして、「セーラームーンになりたい!」と思っていました。

そこからファッションにつながったのは、高校生の頃。当時、もの作りの学校に通っていて、進路について悩んでいた時にファッション業界に惹かれました。今もブランドのコンセプトに、「おまじないをかけたようなお洋服で、自分の中にいるまだ見ぬ自分と出会いますように」と掲げています。僕は好きなものを身に着けることは自信に直結すると信じていて、これは「変身シーン」への憧れからきているんだと、後に腑に落ちました。

好きなものやモチーフを考えると、「『美少女戦士セーラームーン』のこのワンシーンじゃん!」というのがよくあって、作品からすごく影響を受けているんだなと日々実感します。だからこそ、武内直子先生とのコラボレーションは、長年の夢でした。

── 田中さんは2021年にブランドを立ち上げ、世界観を極めていく中で、「思い返せば、原点は『美少女戦士セーラームーン』だったんじゃないか」と、点と点がつながった感じだったのですね。 

もの作りの学校に通っている時も、魔法のステッキとかを作っていたんです。でも、これはどこが起源なのかまでは考えていなくて。ものづくりをする中でインスピレーションを集めていくうちに、『美少女戦士セーラームーン』の影響を受けていると気がついたという感じです。

── ちなみに、幼少期のごっこ遊びの時は誰役でしたか?

姉が「ちびうさ」だったので、僕はセーラームーンをやるしかなかったんです。

『美少女戦士セーラームーン』の原画と刺しゅう技術の融合

Tシャツ ¥27,500 <strong>tanakadaisuke</strong> Hearst Owned

── 今回のコラボレーションのなかには、武内直子先生による『美少女戦士セーラームーン』の原画と、田中さんの刺しゅう技術を融合したアイテムも。制作のプロセスを重ねるうえで、どのような発見がありましたか?

僕は原作のまんがを読み始めたのは、もう少し大人になってからでした。原作は絵のタッチがより繊細なんです。自分は「繊細だけど強度がしっかりあるものを作りたい」という意識がすごくあり、それをクチュールの技術を通じて表現しています。でも、この両極端の融合は、武内先生が随分と前から表現されていることなんです。

特に、扉絵が印象的です。原画にスパンコールやビーズを置いたり、レースのペーパーを重ねたり。平面だけに留まらず、いろいろなものと組み合わせて、特殊な加工を施した扉絵は、今見ても心がくすぐられます。武内先生ならではの表現だと思います。

僕自身も今回のコラボでは、「どうすれば単なるプリントで終わらず、tanakadaisukeらしくプラスできるのかな」と考え、原画にビーズ刺しゅうやラメプリントを加え、双方の世界観の融合というのを強く意識しました。

リボン ¥29,700 <strong>tanakadaisuke</strong> Hearst Owned

── 扉絵の表現にオマージュを捧げたプリントTシャツや小物はもちろん、アクセ類もファンとしてはたまらないアイテムです。

ヘアクリップの羽モチーフは、自分が『美少女戦士セーラームーン』を読んでいた時に憧れていたアイテムで、今回のプロジェクトで必ず取り入れたいと思っていました。また、リボンはビーズ刺しゅうでセーラー戦士たちの色を取り入れて、さりげなく、けれど力強く作品の世界観をtanakadaisukeらしく表現しました。

── 「おまじないをかけたようなお洋服で、自分のなかにいるまだ見ぬ自分と出会えますように」にちなんで、今回はどのような“おまじない”を込めましたか?

今回のコラボレーションは、『美少女戦士セーラームーン』が加わっているということだけで、もうエンパワーされている気分です。個人的には好きなものを着て、それを「背負っている自分」を感じたい、信じたいと思います。もちろん、好きなものを控えざるを得ないタイミングはありますが、今回のコラボは作品を愛する方々に、存分に楽しんでほしいという“おまじない”を込めています。

個性を尊重するメッセージと、ブランドとの共通点

Tシャツ ¥27,500 <strong>tanakadaisuke</strong> Hearst Owned

──『美少女戦士セーラームーン』は、多様性を尊重した作品設定が改めて注目を集めており、それは田中さんのブランドストーリーとも通じると感じました。作品のそうしたメッセージ性も今回のコラボレーション、またはデザイナーとして影響を受けられましたか?

幼いころは意識していなかったのですが、改めてストーリーや登場人物を振り返ると画期的ですよね。いろんなタイプの女の子が登場して、力が合わさってセーラー戦士が揃う。キャラの設定はそれぞれの個性が尊重されていて、とても豊かです。セーラー戦士たちは、みんな複雑なバックストーリーを抱えています。武内先生はキャラクターの「個を立てる」ことが非常に魅力的で、僕自身もデザイナーとして影響を受けています。

たとえば、ブランドでは、なるべくウィメンズとメンズを明確に分けたくないと思っています。例えば、ある服を女性モデルに着せて撮影したら、次は同じ服を男性モデルで撮ってみるなど。サイジングやテーラーリングの問題はありますが、なるべく幅広く見ていただけるように意識しています。

── ブランドはウィメンズウエアからスタートされましたが、最近はK-POPの男性アーティストの衣装も手掛けられていますね。

数年前よりスタイリストさんからご連絡を頂くことが増えました。SEVENTEENの日本シングル『消費期限』のジャケット写真の衣装を担当した際も、成熟した彼らの現在地を尊重しつつ、アイドルらしい王子様像を融合させた、かなりキラキラしたデザインを提案しました。

近年は男性も装飾的なアイテムを着やすくなりましたが、いまだに年齢的な制限や固定概念が存在していると感じます。でも、いくつになっても推しの王子様姿を見たいですよね。

G-DRAGONが2026年コーチェラのステージで着用したカスタムメイドのジャケット。 Hearst Owned

── 『美少女戦士セーラームーン』とのコラボコレクションも、年齢や性別に関係なく「作品が好きなら着ちゃえばいいじゃん」という思いが感じられます。また、今年のコーチェラでG-DRAGONさんの衣装が話題になりましたが、メンズラインを拡大しているそうで。どのようなアイテムを期待できますか?

明確にウィメンズとメンズを分けたいわけではないのですが、やはりサイズやシルエットの違いがあるので、数シーズン前からメンズルックを増やしています。 SEVENTEENやG-DRAGONさんの衣装をデザインするときに、改めて「tanakadaisukeのメンズ像」について考えました。

そこで思ったのは、ガーリーだったりフェミニンだったりするものを、自分らしく着たいのでは? ということ。たとえば、羽のついたベルベッドジャケットに蝶ネクタイとシャツを合わせたらフォーマルルックになり、デニムと合わせたらカジュアルにもなる。着る人が「その人の気分で乗りこなせる」アイテムを提案して、自然と見えない境界線みたいなものを消していきたいと思います。

──田中さんらしいですね。楽しみです! 最後に、今回のコラボコレクションにちなんで、『美少女戦士セーラームーン』のキャラクターと1日入れ替わるなら、誰になりたいですか?

好きなキャラクターは、ほたるちゃん(セーラーサターン)なんですが、入れ替わるなら地場 衛(タキシード仮面)に支えられ、戦ううさぎちゃん(セーラームーン)一択です! ストーリー的に、セーラームーンが戦って、タキシード仮面が支える側っていうのも、今考えるととても先進的な物語ですよね。

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