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退職金500万を投じて痛恨のミス……世帯年収300万・68歳男性が勧誘されるがままに招いた老後資金の目減り

  • 2026.8.18

しっかりと内容を理解してから契約していれば——。定年退職後に手にした大切な退職金から、500万円分の投資信託を購入した東京都の68歳男性。しかし、その後の相場下落に耐えかね、最終的に180万円もの損失を出して解約してしまいました。老後の資金を自ら減らした罪悪感と深い後悔に落ち込む男性に、銀行の甘い言葉に乗ってしまった経緯と、損失を経た今だからこそ言えるセカンドライフへのアドバイスを教えてもらいました。

回答者のプロフィール

ママテナ編集部マネーチームは2026年7月、インターネット上で「お金にまつわるトラブル」について、エピソードを募集するアンケートを実施しました。今回紹介するエピソードは、そのアンケートに寄せられたものです。回答者である68歳男性のプロフィールは以下の通り。

回答者本人:男性(68歳)
居住地:東京都
家族構成:私(68歳)、妻(66歳)、長男(40歳)、長女(37歳)
回答者の職業:年金生活
配偶者の職業:年金生活
現在の世帯年収:約300万円
回答者個人の年収:約170万円
住居形態:戸建て(分譲・建売住宅)
現在の金融資産状況:預貯金約700万円、投資信託約250万円、個人年金保険の解約返戻金約150万円

銀行の紹介だから安心だろう……老後資金を増やすため、投資信託に500万円を投入

東京都の分譲戸建て住宅で妻と暮らす68歳の男性。年金をもらう一方、1000万円を超える金融資産も保有している男性ですが、定年退職を迎えた直後に、お金に関して心身をひどく消耗させるできごとを経験したと明かします。

勤めていた会社を定年退職し、まとまった退職金を受け取った男性。とはいえ、その額は老後を安心して送るためにはやや心もとないもの……。「老後資金を少しでも増やしたいという思いから」、男性は退職金の運用方法を検討し始めたそうです。

そんなある日、窓口を訪れた銀行で、担当者から特定の投資信託を紹介されたと言います。担当者から提示されたのは、「長期で保有すれば安定した運用が期待できる」「長期で保有すれば大きく損をする可能性は低い」という、リスクが非常に小さいことを強調する説明でした。

男性は「勧められたから安心だろう、大丈夫だろう」と深く考えることなく、相手の言葉を安易に信用してしまったと言います。

結局、商品の仕組みや価格変動のリスク、さらには手数料などについても十分に理解できていない状態のまま、退職金の一部から約500万円という大金を投じる契約を結んだのです。

老後の生活を少しでも豊かにしたいという、ごく自然な願いから始めた資産運用。しかし、その行動が、まさか大きな痛手を招くことになるとは、当時の男性は予想すらしていませんでした。

相場下落の恐怖に耐えかねて解約、180万円の損失と自分を責め続ける日々

契約後の男性を待ち受けていたのは、世界的な市場下落という過酷な現実でした。

男性の期待とは裏腹に、購入した投資信託の評価額はみるみる下がっていきました。男性は「その後の相場下落で資産価値が大きく減少し、不安に耐えられなくなってしまいました」と、当時の苦しい心境を吐露します。

画面上の評価額が下がり続けるたびに、じわじわと精神的な負担がのしかかり、夜もまともに眠れないほどの強い焦りにさいなまれるようになったと言います。

このままでは全てのお金を失ってしまうのではないか——。そんな恐怖と不安に耐えかねた男性は、最終的に損失が出ている状態で解約することを選択しました。確定した損失は、約180万円というあまりにも大きな額でした。

「損失が確定したときは、老後資金を自分の判断で減らしてしまったという後悔が強く、しばらく落ち込みました」と明かす男性。

少しでも将来の備えを増やしたかったという前向きな思いが最悪の形で裏目に出てしまい、自分自身に対する激しい怒りと後悔にさいなまれました。「もっと内容を理解してから契約すればよかった」と、何度も自問自答を繰り返したと言います。

さらに、家族に対しても「申し訳ない」という罪悪感が強く募り、家庭の雰囲気も重苦しいものになってしまいました。

この痛恨の失敗により、それまで楽しみにしていた旅行や趣味を控えることを余儀なくされた男性と家族。日々の生活費を徹底的に見直して節約する、息の詰まるような日々を強いられることになってしまったと言います。

専門家の助言で確かな軌道修正へ!「減らさないこと」を最優先にするこれからの歩み

そんな暗い状況から抜け出そうと、男性は一歩を踏み出します。 まずは今後の資産管理について、家族としっかり相談する時間を持ちました。

さらに、銀行の担当者のもとへ出向き、商品の説明内容や当時の契約資料をあらためて確認し、不明な点について徹底的に質問を重ねたと言います。

同時に、地域の無料の金融相談窓口にも足を運び、第三者の客観的な意見も求めました。

「専門家に自分の資産状況に合った運用方法について親身なアドバイスをもらったことで、リスク許容度に合った資産管理の大切さを理解できました」と、解決に向けた前進を教えてくれました。

すでに確定してしまった約180万円の損失を取り戻すことは叶いませんでしたが、プロのアドバイスをきっかけに、男性はこれまでの無理な運用を完全にやめ、預貯金を軸とした堅実な資産管理へと大きく方針を切り替える決断を下しました。

現在は、徹底した家計の見直しを行い、今後の不安を軽減させながら、年金と預貯金を中心に無理のない穏やかな生活を取り戻していると明かします。

もし、退職金を受け取った当時の自分に戻れるなら、「担当者の説明だけを信用せず、商品の仕組みやリスクを自分でも十分に調べます」と力を込める男性。

その場で契約を結ぶことはせず、必ず一度資料を持ち帰り、家族や第三者に相談したうえで、複数の金融機関を比較して慎重に判断すべきだったと振り返ります。

自身の苦い経験を通じ、男性はこれからセカンドライフを迎えるすべての人たちに向けて、こんなアドバイスをくれました。

「うまい話には必ずリスクがあります。老後の資産は『増やすこと』よりも『減らさないこと』が何よりも重要です。自分で内容を完全に理解し、納得するまでは、絶対に手を出してはなりません」。


(文:ママテナ編集部マネーチーム)
※この記事は、ママテナ編集部マネーチームが2026年7月、「お金にまつわるトラブル」をテーマに実施したアンケート(インターネット回答)に寄せられたエピソードを元に作成しています。
※写真はイメージで本文とは関係ありません。

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