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足着きもオフ性能も妥協しない! Honda CRF250 RALLYをもっと楽しむテクニクス流サスペンション術

  • 2026.8.15

足着き性に優れるCRF250 RALLY標準車高仕様をベースに、テクニクス製前後サスペンションを組み合わせたカスタムモデル。快適なツーリング性能はそのままに、車体姿勢や路面追従性を徹底的にブラッシュアップ。本格オフロードまで視野に入れた、“もっと走れる”CRF250 RALLYへと進化した。

PHOTO/H.Inoue 井上演、A.Kusudo 楠堂亜希

TEXT/D.Miyazaki 宮﨑大吾

足着き性に優れる標準車高仕様をベースに

今回試乗したのは、CRF250 RALLY〈s〉ではなく、足着き性に優れる標準車高仕様をベースにしたテクニクスのカスタムモデルだ。フロントには「TGR TRIC COMP KIT」、リアには別体式リザーバータンクを備える「TGR TEC-5.2 PERFORMANCE REAR SHOCK」を装着。目指したのは、アドベンチャーバイクとしての快適性を損なうことなく、「オフロードでもしっかり走れる」足まわりを実現することだ。

純正リアサスペンションはプリロードが比較的強く、車体後方が高い位置で支えられているような印象を受ける。その結果、車体は前下がりの姿勢になりやすく、キャスター角も立ち気味となる。強いブレーキングではフロントが大きく沈み込み、さらにキャスター角が立つことでトレール量が減少。ハンドルが切れ込みやすくなり、不安定さを感じる場面もある。

 Honda CRF250 RALLY
TRIC COMP KITにより両側スプリング、両側ダンパーへ変更。大きなギャップや連続した凹凸でも安定した作動を維持することができる

そこでテクニクスは、リアサスペンションを積極的にストロークさせるセッティングを採用。1G状態では純正より沈み込んで見えるが、それはサスペンションが十分に仕事をするためのストロークを確保する狙いによるものだ。リアがしっかり動くことで車体姿勢が整い、荒れた路面でも前後輪が路面をしっかり捉え続けるようになる。

標準車高仕様と〈s〉では、単純にサスペンションの長さだけが違うわけではない。ストローク量が異なれば、必要となるスプリングレートやダンピング特性も変わる。ストロークの短い標準車高仕様は限られた作動量で衝撃を受け止めるため、比較的高めのレートと減衰設定を採用。一方、ストローク量に余裕のあるCRF250 RALLY〈s〉は、より深くサスペンションを使いながら悪路での走破性を引き出すセッティングとなる。

さらに、CRF250L系とRALLY系でも味付けは異なる。RALLYは長距離ツーリングでの快適性を重視し、しなやかでゆったり動く特性。一方のCRF250Lシリーズは、スポーツライディングや高い速度域での走行を意識した引き締まったセッティングだ。同じ250シリーズでも、それぞれの用途に合わせて細かく作り分けられているのである。

 Honda CRF250 RALLY
外装形状の関係から、リザーバータンクのコンプレッションアジャスターがカウル内に収まる。外側に露出させるにはカウルへの穴開けなどが必要となり、車両の商品性を損なうためだ。装着状態では目立たないレイアウトながら、外側から手を入れて調整できるよう工夫されている

2025年モデルでは純正サスペンションの前後バランスも見直され、従来モデルで感じられた前下がりの姿勢や、ブレーキング時の過度なダイブ、ギャップでの底付き感は改善された。しかし、フロントフォークの基本構造は従来どおり、片側にスプリング、もう片側にダンパーを持たせる構成を採用している。そのため、大きな入力が続く本格オフロードでは、ダンパー容量や耐入力性に限界が見えてくる。

TRIC COMP KITは、この構造を左右ともにスプリングとダンパーを持つ構成へ変更。左右で荷重と減衰を分担することで、大きなギャップや連続する凹凸でも安定した作動を維持し、純正の快適性を残しながら、より積極的なオフロード走行にも応えられる性能を実現している。

リアのTEC-5.2 PERFORMANCE REAR SHOCKは、別体式リザーバータンクを採用し、高速側・低速側コンプレッションに加え、リバウンドまで調整可能な上位モデル。路面状況や荷物の量、ライダーの好みに合わせて細かくセッティングできる。

さらに今回のアップデートでは、リザーバータンクへつながるホースに分離式ジョイントを追加。従来はホースやタンクを車体へ通すため周辺部品を大きく取り外す必要があったが、このジョイントによってホースを切り離せるようになり、装着作業の効率も大きく向上している。

 Honda CRF250 RALLY
上半身への風圧を低減するフローティングスクリーン、左右非対称の二眼LEDヘッドライト、ハンドルバー同様22.2㎜サイズのアクセサリーバー、ナックルガード、12L燃料タンク、CRF250Lよりも20㎜座面を広げた専用シートなどが装備される
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