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逆さに壊された私の傘、「傘ごときで、そんな怒る?」と笑った彼が寝坊をやめた

  • 2026.8.15
ハウコレ

骨の折れた傘を掲げて笑う彼と、声を張り上げた私。謝罪と約束を受け取ったあとも、あの言い方だけが引っかかっています。

玄関の傘立てには、彼の黒い傘だけが、雨の日の朝に取り残されていました。

傘立てから消えたベージュ

同棲している彼と私は、出勤の時間が少しずれています。台風が迫った強い雨の日、先に家を出たのは彼でした。後から玄関に立った私は、去年自分で選んだベージュの傘が見当たらないことに気づきます。かばんの底の折りたたみ傘を広げ、肩とスカートの片側を濡らしながら駅までの道を歩きました。

笑いながら帰ってきた彼

先に帰り着いた私が夕食の支度をしていると、玄関の鍵が回りました。「雨やばいね」笑いながら入ってきた彼の手には、骨から布地の外れた、私のベージュの傘。2本の骨が反対側へ折れ曲がっていました。「なんで自分の傘で行かなかったの」私が聞くと、彼は靴を脱ぎながら軽く返しました。「傘ごときで、そんな怒る?」

ごときじゃない

その一言で、こらえていたものが切れました。「私が選んで買った傘なの。ごときじゃないよ」。玄関に立ったまま、私は声を張り上げていました。彼の顔から笑いが消え、少しの間のあとで白状します。「走ってると、よく裏返るんだよ」。彼には遅刻癖があり、駅まで走るのが当たり前になっていて、傘が裏返るのもいつものことだったのです。「ごめん。同じの買って返すから」。彼は骨の飛び出た傘をたたんで、玄関の隅に立てかけました。

そして...

彼は約束を忘れていないようで、同じ色の傘を探すと言っています。彼の真剣な表情を思い浮かべると、買って返せば済む話なのかなという気持ちは、少しずつ薄れてきました。それでも、ごとき、という言い方だけは、今も忘れられずにいます。

(20代女性・事務職)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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