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実家の棚に弟の写真だけ、母が返した「あんたが、飾らないでって言ったのよ」

  • 2026.8.13
ハウコレ

久しぶりに帰った実家の棚には、弟の成人式や卒業式の写真だけが並んでいました。母へ理由を聞いても、返ってきたのは「そういうのは、もういいでしょう」という言葉だけです。

帰り際、弟が口にしたのは、母の部屋に置かれている私の写真についてでした。

弟の写真だけが並ぶ棚

久しぶりに実家へ帰ると、居間の棚には弟の成人式や卒業式の写真が、真新しい額に入れて並んでいました。

端から端まで確かめても、私の成人式や結婚式の写真は1枚もありません。子どもの頃は、玄関に姉弟で撮った写真が飾られていた記憶があります。

お茶を運んできた母に、私は棚を指さして聞きました。「私の写真、1枚もないんだね」。母は湯のみを置きましたが、棚のほうへ顔を向けませんでした。

母は弟の話へ変えました

「そういうのは、もういいでしょう」。母はそれだけ答えると、弟の就職について話し始めました。

私は相づちを打ちながら、結婚式で着物の袖を使って何度も目元を押さえていた母を思い出していました。それなのに、あの日の写真は見える場所にありません。

弟より大事にされていなかったのかもしれない。そう考え始めると、母が弟の近況を話す声も、棚に並んだ額も、私とは関係のないものに見えてきました。

玄関で聞いた15年前の言葉

帰り支度をして玄関で靴を履いていると、見送りに出た弟が言いました。「姉ちゃんの写真なら、母さんの部屋にあるよ」

聞き返そうとしたところへ、台所から母が出てきました。母は弟を見たあと、私とは目を合わせずに続けました。「あんたが、飾らないでって言ったのよ」

その言葉で、高校生だった頃の記憶が戻りました。友達を家へ呼ぶたび、玄関にある自分の写真が恥ずかしくて、「玄関に写真とか飾るの、やめてよ」と母に言ったのです。

私にとっては照れ隠しで口にした言葉でした。しかし母は、その言葉を15年間、写真を戻さない理由にしていました。

そして...

母はそれ以上説明せず、私も母の部屋にある写真を見せてとは言えませんでした。

帰りの電車でメッセージを書き、何度か消したあと、「今度、新しい写真を撮りに行こう」と送りました。返事は「わかった」だけでした。

母の部屋にある写真を、私はまだ見ていません。次に実家へ帰ったときは、居間へ何を飾るか、母と話してから決めたいと思っています。

(30代女性・会社員)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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