1. トップ
  2. エピソード
  3. 「あ、ここにいたんだ」場所取りの列を無視した家族。だが、係が最後尾へ導いた運動会

「あ、ここにいたんだ」場所取りの列を無視した家族。だが、係が最後尾へ導いた運動会

  • 2026.8.12
「あ、ここにいたんだ」場所取りの列を無視した家族。だが、係が最後尾へ導いた運動会

知り合いを見つけて列の途中へ

子どもが通う小学校の運動会では、開門前から正門の前に保護者の列ができていました。

観覧場所は自由だったため、少しでも見やすい場所を取りたい人が、毎年早めに集まっていたのです。

その年も、私は妻と一緒に開門の少し前に学校へ着きました。

すでに列は長く伸びていましたが、最後尾を確認してそのまま並びました。

開門まであと少しというころ、後から来た家族連れが列の横を歩いてきました。

最後尾を探しているのかと思っていると、私たちより少し前に並んでいた別の家族が、その人たちに気づいて手を振ったのです。

「あ、ここにいたんだ」

そんな声が聞こえたあと、後から来た家族はその場で立ち止まりました。

そして少し話したかと思うと、夫婦と子どもがそのまま知り合いの家族の横へ入り、列に加わったのです。

前後にいた保護者たちが、戸惑ったように顔を見合わせました。

「あれ…あの人たち、今来ましたよね」

近くにいた人が小さな声でつぶやきました。

知り合い同士なら一緒にいたい気持ちは分かります。

ただ、後ろには朝早くから順番を守って待っている人が大勢います。私も声をかけるべきか迷いましたが、運動会が始まる前から揉めるのも嫌で、何も言えずにいました。

係が静かに声をかけた

そのとき、正門付近で入場列を整理していた保護者役員の一人がこちらへ歩いてきました。

「すみません。今来られた方は、最後尾からお願いできますか」

声をかけられた家族は、少し驚いた様子でした。

「でも、知り合いがここに並んでいたので、一緒でいいのかなと思って……」

すると役員は、責めるような口調ではなく、落ち着いて説明しました。

「お気持ちは分かるんですが、皆さん来られた順に並んでいただいているんです。あとから来た方は最後尾へお願いしています」

家族は一度、知り合いの顔を見ました。周囲を見回して、後ろまで続く列にも気づいたようです。

「そうなんですね。すみません」

少し気まずそうに答えると、その家族は列を抜け、最後尾のほうへ歩いていきました。

怒鳴り声が上がったわけでも、誰かが強く責めたわけでもありません。

それでも、順番を守って待っていた側としては、きちんと同じルールで案内してもらえたことにほっとしました。

やがて開門時刻になり、列がゆっくりと前へ進み始めました。

「押さずに、順番にお願いします」

役員の声を聞きながら校内へ入り、知り合い同士だからといって途中から合流してしまうと、後ろで待つ人にとっては割り込みになってしまうのだと、改めて感じた朝でした。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・男性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

元記事で読む
の記事をもっとみる

注目コンテンツ