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「面倒だし、人数で割ろうよ」安い料理しか食べてないのに割り勘を求めてきた親戚。飲み込んでしまった本音

  • 2026.8.9

法事のあとの、和やかな食事会

法事が終わり、親戚一同で近くのお店へ移って食事をすることになった。

久しぶりに顔を合わせる人も多く、座敷にはすぐに和やかな空気が流れた。

私は車で来ていたのでお酒には口をつけず、注文したのも一番安い御膳がひとつきりだった。

周りの席では瓶ビールや日本酒が次々と運ばれ、追加の刺身や天ぷらが卓の真ん中に並んでいく。

にぎやかでいい席だと思いながら、私は冷めたお茶をゆっくり飲んで、料理を眺めるようにして時間を過ごしていた。

「今日はよく飲んだなあ、いい酒だった」

ほろ酔いの誰かが、満足げにそう声を上げた。

やがてお開きの時間になり、会計の段になって、別の一人が軽い調子でこう切り出した。

「面倒だし、人数で割ろうよ」

その一言に、場の全員がうなずいた。飲んだ人も飲まなかった人も、高い料理を追加した人も頼まなかった人も、みんな同じ金額。

私はとっさに、自分の御膳とみんなの飲み代を頭の中で並べてしまった。

「私は車だから、お酒は飲んでいなくて」

やっとの思いでそう口にしかけたが、言葉は最後まで続かなかった。

「細かいことは言うなよ」

何も返せなかった、あの夜

冗談めかした口ぶりだったし、相手に悪気がないのも分かっていた。

親戚の集まりで、飲んだ分がどうのと言い出すのは、たしかに野暮なのかもしれない。金額そのものは数千円で、暮らしに響くほどのものでもなかった。

それでも、自分よりずっと多く飲み食いした人の分まで引き受けているのだと思うと、どうしても釈然としなかった。

飲んだ人が悪いわけでも、こちらが損得にこだわりすぎているわけでもない。

ただ、飲んでいない事実がまるでなかったことにされたようで、その一点だけが妙に胸に残った。

「まあまあ、こういうのは細かいこと言わないの」

隣の人に笑ってそう背中を押され、私は財布から同じ額を出した。

その場の和やかな空気を、自分ひとりのために壊したくはなかった。

「……そうですね」

曖昧にそう笑い返すのが、あの時の私にできる精一杯だった。帰りの車のなかで、その数千円がやけに重く感じられた。

惜しいのではない。ただ、言いたいことを飲み込んだまま、何ひとつ返せなかった自分が、ずっと胸に引っかかっていた。

それ以来、親戚との食事会では、会計の方法が妙に気になるようになった。最初に「割り勘にするのか、それぞれ食べた分を払うのか」を決めておくだけで、きっと誰も嫌な思いをせずに済む。あの夜の小さなしこりは、今も胸の隅にそっと残ったままだ。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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