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定型文を確認せず送った俺、丁寧な相手から返事が途絶えた

  • 2026.8.8
ハウコレ

既読の印はすぐにつきました。それでも彼女からの返信は、何度アプリを開き直しても届きませんでした。自分が何を積み上げていたのか、俺はそこで初めて数え直しました。

メモ帳の一番上に固定した自己紹介文を、俺はその日も長押しでコピーしました。

返信をさばくだけの毎日

アプリを開くたび、未読の印が増えていました。プロフィールの写真を変えてからマッチも返信も一気に増え、俺は空いた時間のほとんどをやり取りの消化に使っていました。1人ずつ文面を考える余裕はとうになく、最初のあいさつはメモ帳に保存した1本で回すと決めていました。彼女にも、いつもの文章を送りました。

「こんにちは!都内で営業の仕事をしています。休みの日はサウナによく行きます。よろしくお願いします!」

誰の言葉かも残らないまま

「はじめまして。私はカフェ巡りが好きな会社員です。マッチできて嬉しいです。よろしくお願いします。」

丁寧な返信だとは思いました。ただそのころの俺は、画面の向こうを1人ずつ思い浮かべることをやめていました。犬の写真の人、旅行好きの人、返信の早い人。そんな雑な分類のまま、通知を消すためだけに機械的に既読をつけていく。彼女の自己紹介も、内容が頭に残らないまま流れていきました。

確認しないまま押した送信

その日の締めに、あいさつがまだの相手へ順番に定型文を送っていきました。彼女の名前を開いたときも、まだ送っていない相手だと思い込んでいました。画面を上に戻して確かめもせず、コピーした文章を貼りつけて送信。

直後に、自分の同じあいさつが2つ並んでいるのが目に入りました。間には、彼女の丁寧な自己紹介が挟まっています。取り消し方を探しているうちに、どう書いても言い訳にしかならない気がして、その日は謝罪をまとめられませんでした。

そして...

翌日、俺は初めて、どこからも貼りつけずに文章を打ちました。

「ごめんなさい。同じ文章を2回送ってしまいました。保存していた文を、確認せずに貼りつけていました」

既読の印はすぐにつきました。それでも返信は届きませんでした。さばいた件数だけ縁が増えると思っていたけれど、俺が積み上げていたのは、覚えてもいないやり取りの山でした。覚えていられる数の相手とだけ向き合うべきだったのだと、返らない画面を見て気づきました。

(20代男性・営業職)

本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。

(ハウコレ編集部)

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