1. トップ
  2. エピソード
  3. 「景品は会費を納めている方が対象なんです」朝の体操の会で、私だけに届いていなかった案内

「景品は会費を納めている方が対象なんです」朝の体操の会で、私だけに届いていなかった案内

  • 2026.8.8
ハウコレ

「会費って何のことですか?」と返したあとで、初日の言葉を思い出しました。最終日の公園で、頭を下げたのは私ではありませんでした。

体操の音楽が鳴り終わらないうちに、娘が判子で埋まったカードを握って駆け寄ってきました。

「誰でも参加していいのよ」

春にこの町へ引っ越してきて、夏休みの公園に近所の人たちが朝に集まって体操をしていると知りました。初日に声をかけると、受付にいた女性が「誰でも参加していいのよ」と笑ってくれて、娘はその日からカードに判子を集め始めました。友達のいなかった娘が、列の中で名前を呼ばれるようになるまで、そう時間はかかりませんでした。最終日には皆勤賞の景品が出るらしいと、娘は毎日カードを数えていました。

念押しのつもりの要求

最終日を前に、係だという女性に私はメッセージを送りました。

「皆勤賞の景品、うちの子の分もお願いしますね」

1日も休まず通ったのだから、確認というより念押しのつもりでした。返ってきた文面を、私は2度読み返しました。

「景品は会費を納めている方が対象なんです」

会費という言葉に心当たりがなく、「会費って何のことですか?」とだけ返しました。意地悪をされているのだと、そのときは受け取っていました。

思い出した初日のこと

返したあとで、初日のやりとりを思い出しました。誰でも参加していい、と確かに言われました。けれど、会の仕組みや連絡先を自分から聞いたことは一度もありませんでした。景品も飲み物も、誰かが用意してくれるものだと思い込んでいました。娘には「もらえるからね」と約束してしまっていて、今さら引けない気持ちが、あの強い書き方につながっていたのだと思います。

そして...

最終日の公園で、係の女性の方から近づいてきました。

「ご案内が届いていませんでした。ごめんなさい」

連絡用のグループに、私だけ招待が漏れていたそうです。私は用意していた封筒を渡し、「きつい書き方をしてすみませんでした」と伝えました。景品の袋を抱えた娘は、来年も来ようねと私の手を引きました。知らなかったのは事実でも、知ろうとしなかったのも事実です。

(30代女性・専業主婦)

本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。

(ハウコレ編集部)

元記事で読む
の記事をもっとみる

注目コンテンツ