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大高洋夫×長野里美 解散から15年「第三舞台」はいつでも当時に戻れる関係「やっぱり他の方たちとは違います」

  • 2026.8.7
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(左から)長野里美、大高洋夫 クランクイン! 写真:高野広美

2011年に31年の劇団の歴史に幕を閉じた、鴻上尚史率いる伝説的劇団「第三舞台」が、今集まれるメンバーで「第三舞台2026」なるユニット名で鴻上書き下ろしの舞台『パレイドリア』を上演する。劇団創立メンバーに名を連ねる大高洋夫と、2作目から参加してきた長野里美の対談が実現。「さとちゃんは、びっくりするぐらいかわいかった」――大学時代からの旧知の仲だからこそのざっくばらんなやりとりが展開した。

【写真】大学時代からの“仲間” 大高洋夫&長野里美、息ぴったり撮りおろしショット

■大高「さとちゃんは、びっくりするぐらいかわいかった」

鴻上が、「第三舞台」は「20代の課題を芝居にしてきたのだから、60代の課題もまた、芝居にしたい」と語る『パレイドリア』は、大学時代の仲間の再会から始まる。児童ボランティアサークルで子ども向けの芝居を準備していた彼らは、ある出来事をきっかけにバラバラになった。42年後、認知症と診断された乾(大高)が「もう一度あの芝居をやろう」と言い出したことで、選挙に再挑戦する香川(長野)ら、止まっていた仲間たちの心が再び動き始める……。

――「第三舞台」は早稲田大学演劇研究会を母体に1981年に旗揚げされました。大高さんは立ち上げメンバー、長野さんは2作目の公演から参加で、先輩後輩の間柄です。当時、お2人の関係はどんな感じだったのですか?

大高:さとちゃんはね、本当にびっくりするぐらいかわいかったんです。

長野:ムチムチに太ってましたけどね(笑)。

大高:俺はその時、高田馬場に住んでたんです。打ち上げが終わって、さとちゃんは近くの女性の先輩のところに泊まったんです。次の日、その人がさとちゃんともう1人女の子を俺の部屋に連れてきて「私、授業あるから、稽古まで2人を置いといて」って。

長野:劇団に入る前の新入生の時ですから。緊張してましたね。でも劇団に入ってからはずっとみんな一緒ですから。先輩とはいえ、飲みに行ったり、遊びに行ったりなんかも含めてのいわゆる劇団生活。すぐに仲間になっちゃいました。
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■配役を3つのAIサービスに聞いたら見事的中

――今回「第三舞台2026」と題されていますが、4年ほど前に、長野さんのYouTubeチャンネル「長野里美ちゃんねる」の1コーナー「スナックさとみ」の鴻上さん登場回で、「第三舞台」復活に関する話題に触れられていたのを拝見しました。今回の公演のコメントにも「私がやりませんか? と言った」と載っていました。

大高:「スナックさとみ」?

長野:YouTubeチャンネルがあるの。そこでもしゃべってましたね。なにか5年くらい前に私が言い出したような記憶があるんです。でも最初がいつだったのかは覚えてなくて。家が近所なのもあって、時々スーパーや駅前でばったり会ったりして。その度に言ってたんです。
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――今回は、今集まれるメンバーでという前提から鴻上さんが新たに書き下ろした台本ですね。

長野:もともとのメンバーから4人しか出られないから、今までのものは再現できないし、年月も経ってるし、年も重ねちゃってますから(笑)。

大高:今回、おおよそのストーリーが公に出ているので、ChatGPTとGeminiとPerplexity、この3つのAIサービスに「配役はどう思いますか?」って聞いてみたんです。そしたら乾は俺だって答えるのね。3つとも。

――3つとも!?

大高:そう。議員の香川は女性なのか男性なのか分からないみたいで、「小須田(康人)さんでしょう」みたいに出すものもあって。でも乾は3つとも当たりましたね。

■「鴻上さんは棘が取れて丸くなった」「でもさとちゃんは昔から……」

――皆さん、お互いにどんな期待を持たれていますか?

大高:そんな大層なもんじゃないですよ。楽しくやりたいっていうだけのことだから。

長野:前の「第三舞台」じゃないってことだけはしっかりあって、何よりも鴻上さんが、棘が取れて丸くなってますし。みんなも言ってるようですよ。前の鴻上さんと違って丸くなってるって。

大高:でも鴻上を弁護するわけじゃないけど、2001年の10年間封印公演(『ファントム・ペイン』)の時だって、怖かった?

長野:威圧的じゃないんだけど、なんとなく言葉の端々ににじみ出るものが、ずっとあったの。それで、『ファントム・ペイン』に出た時に、ちょっと私も「こうなんじゃないですか」とか言って反撃してみたりして。鴻上さんとの関係はそこでちょっと一新できたんです。

大高:まあ、1981年から91年ぐらいまでは、みんなとても怒られてましたね。

長野:大高さんはそうでもなかったですよ。やっぱり創立メンバーだし、鴻上さんに頼られているところがあって。私なんかは雑巾のように激しく言い捨てられてましたから。

大高:でもさとちゃんは昔から主張していたよ。エピソード1個思い出した。『朝日のような夕日をつれて』の91年のバージョンがあるんですけど、その前の『ビー・ヒア・ナウ』千秋楽の最後に、鴻上が『朝日~』の公演予告をやったんです。5つのライトの中に僕らが入って、そこにさとちゃんもいて。

――『朝日のような夕日をつれて』は男性キャストだけの公演ですよね。

大高:そう。だけど、予告にだけさとちゃんも出たんです。「エンド・オブ・エイジア」がかかって、さとちゃんがパッて映ると、もうお客さんは、狂喜乱舞するわけですよ。それで『朝日~』の97のときにも、予告をやりたいって鴻上が言ったんです。でもさとちゃんが「いやです」って。

長野:いやですと言ったのは覚えてないですけど。でもじゃあ、昔から私、結構主張してたんですね(笑)。

■解散から15年、いつでも当時に戻れる関係

――お2人とも映像でも活躍されていますが、解散公演から15年、お互いのことはどんな風に見てらっしゃいましたか?

大高:そこまで意識はしないですけど、映像でも見たりすると「元気にしてるな」とは思いますよね。『新・警視庁捜査一課9係 season3』(テレビ朝日系)では、元夫婦役で共演しました。俺、さとちゃんに毒殺されたんです。

長野:そうだった。あったね。

大高:絶対プロデューサーが大高と長野里美をやらせたいってブッキングしてくれたんですよ。ありがたかったです。仕事以外で会うこともないから。俺、コスちゃん(小須田康人)のLINEを知ったのも最近だし。

――それでも集まると、当時からの関係に戻るという。

長野:やっぱり他の方たちとは違いますよね。

■「紀伊國屋ホールといえば第三舞台です!」

――最初にお話しした「スナックさとみ」で、鴻上さんが、皆さんがさらに年齢を重ねていったら、映画『八月の鯨』を舞台化して「第三舞台」版をやりたいともお話されていました。

大高:70代、80代とか? 頑張って生きよ。

長野:生きてるだけじゃダメだね(笑)。

――年齢でいうと、今回の『パレイドリア』では若手の方たちも参加しています。その点も楽しみでしょうか。

長野:やっぱり刺激になりますからね。生命力が違うので、見ていてこちらも元気になるし。

――自分たちがぶつけてやろう、というお気持ちも?

長野:もちろんあります。でも時々は後ろに下がって見ようかな。

大高:下がってばっかりじゃダメだし。

長野:押したり引いたりで。

――本公演は「第三舞台」との所縁も強い紀伊國屋ホールが会場です。最後に改めて思いを聞かせてください。

大高:若者の演劇の聖地として、紀伊國屋ホールといえばまずつかこうへい事務所が浮かぶときもあったかもしれませんが、紀伊國屋ホールといえば「第三舞台」です!

長野:紀伊國屋ホールには本当にいろんな思い出があって、あの作品、この作品と、全部思いがあるんですけども、ファンの方々も「あそこで観ました」とよく言ってくださるんです。そういう“思い”も全部まとめて、みんなで楽しみたいなと。もちろん若い人たちにもぜひ入ってきてほしいと思っています。

(取材・文:望月ふみ 撮影:高野広美)

紀伊國屋書店創業100周年記念公演「第三舞台2026」『パレイドリア』は8月9日〜8月30日に東京・紀伊國屋ホール、9月4日〜9月6日に大阪・サンケイホールブリーゼ、9月19日に新潟・新潟県民会館 大ホール、9月23日に愛媛・新居浜市市民文化センター、9月26日・27日に福岡・J:COM北九州芸術劇場 大ホールにて上演。

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