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「で、俺の場合はさ」主役を奪う彼、『聞き専』の私→動画アプリの広告を見せたら彼が黙った理由

  • 2026.8.7
ハウコレ

広告が終わるまでのわずかな時間、彼は一度も口を挟みませんでした。カウントダウンが消えたあとに彼が言った一言は、責める私の予想と少し違うものでした。

頼んだ料理が届く前に、私がその日話したかった面談のことは、もう彼の会社の話に変わっていました。

主役はいつも彼だった

付き合って2年になる彼との会話には、決まった流れがあります。私が話し始めると、途中で彼が「で、俺の場合はさ」と引き取り、気づけば話題は彼のものになっているのです。映画の感想も、友人とのすれ違いも、着地点はいつも彼の思い出話でした。悪気が見えないぶん、指摘する言葉を選べないまま、私は相づちの回数だけを増やしていきました。

言いかけた報告

その日は、昇進につながる面談の結果を伝えるつもりでした。「実はね、面談で」と切り出した後、彼は「で、俺の場合はさ」と後輩の指導について話し始めました。運ばれてきたパスタが冷めていく間に、彼の職場の人間関係を3人分覚えました。私はフォークを置き、かばんからスマホを取り出して、動画アプリを開きました。

飛ばせない広告

「ちょっとこれ、見て」

再生したのは、2人でよく見ている料理の動画でした。手順が佳境に入ったところで画面が切り替わり、広告が始まります。右下には残り秒数のカウントダウン。私は画面を彼に向けたまま言いました。

「あなたはこれと同じだよ。見たい動画の途中に割り込んできて、人の時間を奪っていく、飛ばせない広告と一緒」

彼は広告のカウントダウンが消えるまで、一度も口を挟みませんでした。

そして...

数字がゼロになり、動画が再開したあと、彼はぽつりと言いました。

「俺、ずっとこれだったんだな」

別の休日、向かいの席で彼は「それで、どうなったの?」と聞いてくれました。私は面談の話を、初めて最後まで話しました。話の途中で誰にも引き取られない時間が、こんなに穏やかだとは知りませんでした。(20代女性・事務職)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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