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家族のため一生懸命働いてきたはずなのに、妻から突きつけられた離婚届…タイムリープによって気が付いた「本当の家族」とは?【書評】

  • 2026.8.4

【漫画】本編を読む

『離婚リセット 妻から別れを切り出された夫』(丸田マノ/KADOKAWA)は、妻から突然離婚を突き付けられた夫が、タイムリープによって家族との関係をやり直そうとする物語である。夫婦のすれ違いを描くだけではなく、「家族とは何か」「後悔したことを取り戻せるのか」という問いを投げかけてくる作品だ。

主人公のケンジは、50歳を前に妻から突然離婚届を突き付けられる。子育てのピークをようやく過ぎた今、これまでを振り返ると、不倫はもちろん、大きな失敗もせず、どんな時も懸命に働いて家族の人生を支えてきたという自負があった。しかし妻の決意は固く、理由を尋ねても答えてくれない。「自分は何を間違えたのか」。答えが見つからないまま夜の街をさまようケンジの前に現れたのは、「時間を戻せる」という謎の男だった。こうしてケンジは、人生をやり直す機会を得ることになる。

タイムリープという非現実的な設定ではあるが、描かれている問題は驚くほど現実的だ。家族のために働いてきたつもりでも、妻や子どもがケンジに対して本当に求めていたものは何だったのか。子どもの入学や卒業など、家庭内の節目に立ち会うだけで、父親としての役割を果たしたことになるのか。ケンジは過去をやり直すたび、自分では気づかなかった小さなすれ違いと向き合うことになる。

本作は一見すると真面目な夫の反省物語でありながら、読み手も「もし自分だったら」と考えずにはいられない。結婚した時、子どもが生まれた時、家族への愛情は確かにあった。それでも、その愛情が相手に伝わっていなければ、すれ違いは積み重なってしまう。タイムリープは、そのすれ違いの事実を浮かび上がらせるための装置として機能しているのである。

もし人生をやり直せるなら、あなたは何を変えたいだろうか。本作は、過去を変える物語であると同時に、「今」をどう生きるべきかを問いかける作品でもある。夫婦関係や離婚について悩む人はもちろんだが、今の家族との時間を大切にしたい人にも手に取ってほしい作品である。

文=時任邪武郎

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