1. トップ
  2. 『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』が歴代シリーズ最高の大反響を呼んでいる6の理由

『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』が歴代シリーズ最高の大反響を呼んでいる6の理由

  • 2026.8.4
トム・ホランド(Tom Holland) WCGLA/Mega / Getty Images

衝撃的なラストを見せた前作『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』から4年。『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』が公開、スパイダーマンことピーター・パーカーがスクリーンに帰ってきた! スパイダーマンを演じるのは、もちろん前作に続いてトム・ホランド。MJ役のゼンデイヤ、ネッド役のジェイコブ・バタロンもカムバック、マーベル・シネマティック・ユニバースのキャラの中から、スパイダーマンとは映画では初顔合わせのキャラクターも登場。ミステリアスなキャラクターも現れる。

2026年7月31日(金)の日本の公開初日には興行収入5億6,543万4,074円を記録し、今年公開された洋画作品としてNo.1のオープニングを記録。 そこで今回は、歴代シリーズを塗り替える圧倒的快挙を成し遂げ、世界中で前代未聞の大ヒットを記録をする新作の全貌を徹底解剖。進化したスパイダーマンの魅力を今すぐチェック!

Hearst Owned
トム・ホランド(Tom Holland)、ゼンデイヤ(Zendaya) Mondadori Portfolio / Getty Images

【1】グレードアップしたウェブスウィングを体感

スパイダーマンといえばウェブ・スウィング。スパイダーウェブを操り、ニューヨークのビルからビルへと自由自在に飛び回るのが特技であり、大きな武器だ。今回はその技がグレードアップ。前3作でも鮮やかなスイングを見せてくれていたピーターだけれど、今回はその比ではない。そのスピード感と滑らかな動きはビルの合間を踊っているよう。それを見事なカメラワークと耳元を切る風の音で表現している。シアターの大きなスクリーンで見ていると、まるで自分がスパイダーマン、もしくは彼に抱きかかえられたMJになったかのような気分になれる。冒頭のスウィングシーンの臨場感と迫力で、一気にストーリーの中に引き込まれること間違いなし。

【2】MCU史上、最も孤独なヒーローの苦悩

とはいえ、トム・ホランド版『スパイダーマン』シリーズは単なるアクションにとどまらない。その魅力は人間ドラマであること。今作も深い物語が展開する。前作『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』で、ピーターは愛のために人々の記憶から自分の存在を完全に消去するという、衝撃的な決断を下した。その結果、幼なじみのネッドや愛するMJにとって見知らぬ他人になってしまった。また彼を支えてくれたメイおばさんも前作でこの世を去ってしまった。

スーパーヒーローたちも同様。彼のメンターで、父親的存在だったアイアンマンことトニー・スタークも今はいない。助けてくれた歴代のスパイダーマンたちももう戻ってこない。今作のピーターはたった1人でヴィランたちと闘わなくてはならないのだ。AIの「E.V.」が優秀なアシストぶりを見せてくれるけれど、やはりリアルな人間とは別もの。人との触れ合いやぬくもりから断ち切られ、常に一抹の寂しさを感じているピーターの姿はスーパーヒーローでありつつ、人間味に溢れている。その姿はAI時代を生きる現代人の姿を見ているよう。

トム・ホランド(Tom Holland) VCG / Getty Images

【3】新ヒロイン役、セイディー・シンクが降臨

MCUに限らず、スーパーヒーロー映画はどちらかというと男性主導でストーリーが進みがち。でも今作では三者三様に魅力的な女性たちがキーパーソンとして登場し、 ピーターの運命を左右する。

ゼンデイヤ(Zendaya) Vittorio Zunino Celotto / Getty Images

1人目はもちろんゼンデイヤ演じるMJ。かつて自分がピーターに恋していたことをすっかり忘れているけれど、ピーターにとっては今も変わらず大切な人。彼女を守るために自分の正体を明かさず、遠くから見守るピーターの姿を見ていると、切ない気持ちでいっぱいになるはず。

フローレンス・ピュー(Florence Pugh) Jeff Spicer / Getty Images

2人目はブラック・ウィドウの“妹”ことエレーナ・ベロワ。孤軍奮闘するピーターを陰ながらサポートしている。『ブラック・ウィドウ』でエレーナを演じたフローレンス・ピューが続投、独特の声と圧倒的なセクシーさでピーターのことも、観客のこともどきどきさせてくれる。

セイディー・シンク(Sadie Sink) Amy Sussman / Getty Images

そして3人目は今作で初めて登場する新キャラ、不思議な力を持つ女性ジーンだ。一口でヴィランとは言えない、複雑なキャラクターをドラマ「ストレンジャー・シングス 未知の世界」のマックス役で知られるセイディー・シンクが演じている。スクリーンに登場するのは久しぶりだが、すっかり大人に。美しく、凛々しい女性をクールに演じている。今作にとどまらず、これからの『スパイダーマン』作品でカギを握るキャラクターになることを予感させる。

【4】白黒で分けられないというリアル

スーパーヒーロー映画は、善と悪がはっきり分かれているのがお約束。しかし今作はそうではない。上で紹介したジーンもヴィランだと思いきや、そうとは言い切れない。また『スパイダーマン』シリーズに初登場するブルース・バナーことハルクも同様。温厚な科学者から凶暴な巨人に変身し、ピーターに襲いかかるが、それは本人の意図に反してのこと。人を傷つけたくないのに、特殊な能力を持つがゆえにヴィランにさせられてしまうのである。今作では、悪に見えたものがそうではなく、善に見えたものが実は悪、という複雑な世界が広がっている。

これまでの3作でメガホンをとったジョン・ワッツからバトンを受け継ぎ、今作を監督したのはデスティン・ダニエル・クレットン。MCUで初のアジア系ヒーローを主人公にした映画『シャン・チー/テン・リングスの伝説』で一躍有名になった人物だ。クレットン監督は『シャン・チー』でも、ヴィランを単なる悪人ではなく悲しみや愛を秘めた人物として描き、ファンを唸らせた。その監督だからこそ、今回も単純に白黒や善悪では分けられない、現実に似たリアルな世界観を描き出している。

トム・ホランド(Tom Holland)、デスティン・ダニエル・クレットン(Destin Daniel Cretton) Alberto E. Rodriguez / Getty Images

【5】友情、人との繋がり、チームワークの大切さ

キャラクターを深く掘り下げるクレットン監督らしさは、ピーターの成長ぶりにも表れる。ピーターは孤独に苦しみつつも、人の記憶から自分を消すという決断に納得し、今の状況を受け入れている。だからMJやネッドに再会しても自分の正体を打ち明けることはない。MJが新しい彼氏とキスしているのを見て深く傷ついても、その場から静かに立ち去る。また、ピンチに陥っても1人で闘おうとする。頼るのは自分で作ったガジェットとAIだけ。

パニッシャー役のジョン・バーンサル(Jon Bernthal)、トム・ホランド(Tom Holland) Axelle/Bauer-Griffin / Getty Images

しかし新たなヴィランと闘う中でピーターは、仲間の重要性、そして人に頼ることの大切さを知っていく。今作では新たなメンバーとしてドラマ「マーベル/パニッシャー」の主人公、パニッシャーことフランク・キャッスルが登場する。彼は悪を滅亡させるためなら人を殺すこともためらわないアンチヒーロー。つまりピーターとは真逆の存在なのだが、ピーターは彼とのやりとりを通して反発しつつも人に頼ること、サポートしてもらうことを学んでいく。誰にも頼らないのではなく、弱みを知りそれを補い合うのがヒーローであることにピーターは気がつき、よりかっこいいヒーローへと進化していく。観客は今作でその過程を見ることができる。

ネッド役のジェイコブ・バタロン(Jacob Batalon)、トム・ホランド(Tom Holland) Eric Charbonneau / Getty Images

仲間の重要性、といえばMJとネッドのことも忘れてはならない。MJはピーターに命助けられる中で、彼が自分の恋人でネッドの親友であることを知る。彼女はその事実に戸惑いつつも、ピーターをネッドの元に連れていき引き合わせる。ピーターのことを忘れていても、ネッドは今でも熱烈なスパイダーマンおたく。突然自分の家にスパイダーマンがやってきたことに狂喜し、あっという間に打ち解ける。リビングでわいわい話す3人の姿は、まるで高校時代に戻ったかのよう。そのたわいのないやりとりで、ピーターはパワーアップ。そのシーンを境に悩み多きヒーローから、ポジティブなヒーローへと生まれ変わるのである。実際の能力は変わらなくても、自分には友達がいるとわかっただけでパワーアップ。好きな人と話せただけで見える景色が一気に明るくなる。そんな経験をしたことがある人も多いはず。大切な人との絆がもたらす力をこの作品は生き生きと描き出している。

【6】ブランド・ニューなスパイダーマンの新章の幕開け

気になるのは今作がトム・ホランド版『スパイダーマン』の最終作かどうかということ。それゆえに、エンドロール後のシーンまで見逃してはならないのだが、それ以外にも場所にもヒントはたくさん隠されている。

物語の終盤で、人は1人では生きられないことを学んだピーター。クライマックスでは、同じように孤独に苦しむジーンに「1人で背負うのは無理だ」と呼びかけ、復讐心と怒りのせいでダークサイドに半分落ちてしまったジーンを救い出そうとする。「私にはもう誰もいない」と泣くジーンにピーターは「僕がいるよ」と答え、彼女の苦しみに寄り添おうとするのである。さらに物語のラストでピーターは勇気を振り絞って、人として大きな一歩を歩み出す。そのシーンはここからピーター&スパイダーマンの新しい物語が始まる予感に満ちている。今作はブランド・ニューなピーターとスパイダーマンのストーリーの幕開け。新しいストーリーが始まる瞬間をぜひスクリーンで確認したい。

『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』あらすじ

愛する人を守ため、世界中に人々の記憶から自分の存在を消す決断をしたピーター・パーカー。誰も彼のことを覚えていないという孤独の中、彼はニューヨークの平和のために日々闘っていた。そんなある日、彼の肉体にある異変が起こり始める。戸惑うピーターはブルース・バナー博士ことハルクに助けを求めるが、そこで知ったのは自分のDNAに起きている変異が命を脅かしかねないという衝撃の事実だった。一方でニューヨークでは不可解な犯罪が次々と発生。不安に苛まれるピーターの前に強敵たちが次々と姿を現す。果たしてピーターはスパイダーマンとしてこのピンチを脱することはできるのか。そしてピーターとMJを待つ新たな運命とは……?

監督:デスティン・ダニエル・クレットン

脚本:クリス・マッケナ&エリック・ソマーズ

プロデューサー:ケヴィン・ファイギ、エイミー・パスカル、アヴィ・アラッド、レイチェル・オコナー、エミリー・フォン

出演

ピーター・パーカー/スパイダーマン:トム・ホランド

MJ:ゼンデイヤ

ネッド・リース:ジェイコブ・バタロン

フランク・キャッスル/パニッシャー:ジョン・バーンサル

ブルース・バナー/ハルク:マーク・ラファロ

エレーナ・ベロワ:フローレンス・ピュー

ジーン・グレイ:セイディ・シンク

配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント

2026年7月31日劇場公開

元記事で読む
の記事をもっとみる

注目コンテンツ