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『退職金2,000万円』を受け取った60代男性→「金利が年5%つく」銀行員の勧めで定期預金へ…その後に判明した“想定外の事実”

  • 2026.8.10
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは。大手証券会社や銀行窓口での勤務経験を持つFPライターのやまおかです。

「定年退職おめでとうございます!今なら当行限定の『退職金向け特別運用プラン』で、定期預金に年利5%の優遇金利が適用されます」

定年を迎えて退職金2,000万円を受け取り、銀行窓口を訪れた60代男性・Sさん。提示された華やかなパンフレットに惹かれて契約を結びましたが、ここには注意すべき構造が隠されていました。

元銀行員として現場の実情を知る立場からお伝えすると、このプランは「破格の高金利定期」と「購入手数料が発生する投資商品」を抱き合わせで申し込む仕組みになっています。今回はSさんの事例をもとに、金融機関が展開する退職金プランの注意点やコストの仕組みについて詳しく解説します。

「金利5%」のメリットと合わせて知っておきたいこと

ここには金融業界特有の数字のトリックがあります。

まず、「年利5%」という破格の金利が適用されるのは、わずか「3か月」だけというケースがほとんどです。仮に2,000万円のうち半分の1,000万円を預けたとしても、期間終了後に受け取れる利息は税引き後でわずか10万円程度に過ぎません。

一方で、この高金利を適用させる条件は「投資信託や外貨建て保険をセットで買うこと」です。これらは銀行窓口専用の高コスト商品が主流で、購入時に約3%(1,000万円であれば約30万円)もの販売手数料が天引きされます。

お気づきでしょうか。「10万円の利息を得るために30万円の手数料を支払う」。

このように、定期預金で受け取る利息よりも、セットで購入する投資商品の販売手数料の方が高くなるケースは少なくありません。もちろん、セットの投資信託などが将来的に値上がりして利益を出せる可能性はありますが、スタート時点で一定のコスト負担(含み損)を抱えるリスクがあることは理解しておきましょう。

なぜ銀行はそこまでして「セット販売」を勧めるのか

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

銀行の現場では、預金口座の維持だけでなく、投資信託や保険商品の販売による手数料収益が重要な経営指標となっています。そのため、定期預金の高金利キャンペーンをきっかけに、手数料が発生する投資商品をあわせて提案するケースが多く見られます。

長年付き合いのある銀行からの提案であっても、それが「元本保証の預金」なのか「元本割れリスクのある投資商品」なのか、契約内容とコストを個別に精査することが重要です。

表面的な高金利に惑わされず総コストを見極めよう

優遇金利に惹かれて退職金プランを契約すると、セット購入した投資商品の手数料が定期預金の利息分を上回り、実質的にマイナススタートとなるリスクがあります。

適用される高金利は数か月程度の短期間であることが多く、受け取れる利息に対して購入時の販売手数料や保有中の信託報酬といったコストが大きく膨らみがちです。また、銀行側の販売手数料収益が優先されている側面がある点も考慮する必要があります。

窓口で魅力的な提案を受けてもその場で判断せず、一旦持ち帰って手数料と利息を試算し、納得したうえで契約を進めましょう。


監修・執筆者:やまおか(元銀行・証券会社社員/FP)
大手証券会社を経て銀行へ出向。窓口にて資産運用コンサルティングに従事。現在はFPの知見を活かし、銀行・証券の裏側を知る立場から、読者の資産を守るリアルなマネーコラムを執筆します。

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