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会社を早期退職した50代男性→健康保険で“任意継続”を選ぶも…1年後、市役所で判明した“驚きの事実”に「胃が痛くなりました」

  • 2026.8.9
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは。金融機関でマネージャーを務めながら、家計や社会保険のご相談をお受けしている1級FP技能士の中川です。

「退職後の健康保険は、深く考えずに任意継続を選んでおけば間違いないだろう」

そう思い込んで手続きを進めてはいませんか?国民健康保険との比較を怠ったり、以前の制度の印象から「2年間は途中解約できない」と決めつけたりすると、保険料を長く余分に負担し続けるリスクがあります。

今回は、早期退職後に任意継続を選択したものの、保険料の試算と制度の確認を行わなかったことで、1年以上にわたり負担が増えてしまった50代・Gさんの事例をご紹介します。

「保険の空白だけは避けたい」と、任意継続を選んだ日

Gさんは50代後半男性の元会社員。長年勤めた会社を早期退職した際、頭に浮かんだのは「健康保険の空白だけは作りたくない」ということでした。

総務担当者から渡されたパンフレットには「任意継続なら会社の健康保険を退職後も2年間続けられる」とあり、手続きも簡単。安心感に押され、Gさんは深く検討することなく任意継続を選んだそうです。

「国民健康保険という選択肢があるのは知っていましたが、わざわざ市役所で計算してもらうのも億劫で。任意継続なら勤め先がそのまま手続きしてくれるので、楽でした」

任意継続の保険料は、在職中に会社が半分負担していた分まで全額自己負担になるため、退職前の感覚と比べて重く感じたものの、「2年間と決まっているのだから、その間だけの辛抱」と納得していたといいます。

1年経って、ようやく気づいた事実

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

退職から1年ほど経った頃、Gさんはふと家計の雑誌で「退職後の健康保険は任意継続と国民健康保険の比較が大事」という記事を目にしました。

慌てて市役所窓口で国保保険料を試算してもらうと、Gさんのケースでは国保の方が月額1万円ほど安い結果が出たそうです。

「年間にすれば十数万円。金額を確認してみると、胃が痛くなりました」

任意継続は退職時の標準報酬月額をもとに計算されるのに対し、国民健康保険は前年所得をベースに、お住まいの自治体の料率で計算されます。退職翌年は給与収入が大きく減るため、国保保険料が下がっていく一方、任意継続は前年並みの水準で固定されやすい構造です。

「2年はやめられない」という思い込み

事態がさらに動いたのは、Gさんが「もう任意継続をやめて国保に切り替えたい」と窓口に相談したときでした。

「健康保険法は2022年1月に改正されまして、任意継続もご本人の申出で、2年を待たずに脱退できるようになっています」

Gさんは衝撃を受けたといいます。

「『任意継続は一度入ると2年間はやめられない』と、ずっと思い込んでいました」

すぐに加入していた保険者へ申し出て、無事に任意継続を脱退し、国民健康保険へ切り替えることができました。すでに1年以上、高く払ってしまった分は戻ってきませんが、残りの期間については月々の負担を軽くできたといいます。

退職前と途中の「二段階の見直し」で保険料の無駄を防ごう

退職後の健康保険は、前年所得や自治体の料率、扶養家族の有無によって「任意継続」と「国民健康保険」のどちらが有利かが大きく変わります。

退職翌年は収入が減少するため国保の保険料が安くなる傾向にありますが、2022年1月の健康保険法改正により、任意継続加入後も自身の申し出で2年を待たずに脱退・国保へ切り替えが可能となっています。

「一度選んだら2年は変更できない」と思い込まず、退職前はもちろん加入中も定期的に国保料を試算し直しましょう。状況に応じた柔軟な見直しをおこなうことが、退職後の家計を守る賢い選択につながります。


執筆・監修:中川 佳人
金融機関勤務の現役マネージャー。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。20年にわたり、資産形成や家計管理・住宅ローンなどの実務に携わってきた経験を活かし、記事の監修や執筆を行っている。専門的な内容を、誰にでもわかりやすく伝えることをモットーとしている。

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