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「ご祝儀、みんないくら入れたの。教えてよ」披露宴で祝儀の額を大声で聞いた親戚。だが、年長者が静かに黙らせた瞬間

  • 2026.8.4

披露宴を凍らせた大声

いとこの結婚式は、新郎側と新婦側あわせて親族二十人ほどが集まった、こぢんまりと落ち着いた席だった。

白いクロスのかかった円卓を囲み、料理も乾杯も済んで、ようやく皆の表情がやわらいできた頃のことだった。

久しぶりに顔を合わせた親戚同士が、あちこちで昔話に花を咲かせていた。

和やかに進んでいた披露宴の途中、新郎側の親戚の男性が、グラス片手に突然すっと立ち上がった。

「うちは3万、そっちはいくら包んだんだ」

新婦側のテーブルまでまっすぐ届く、遠慮というものがまるでない大声だった。

楽しげにざわめいていた場の空気が、その一言で嘘のように固まる。

「ご祝儀、みんないくら入れたの。教えてよ」

五十代くらいのその人は、悪びれる様子もなく、さらに身を乗り出した。

祝儀の額など、それまで誰ひとりとして口に出していない席だった。

周りの親族が、どう反応していいか分からず、気まずそうに視線を落とす。

見かねた近くの親戚が、そっと小声で口を挟んだ。

「こういう場で言うことじゃないですよ」

「相場ってものがあるだろ。聞いて何が悪いんだ」

男性はまるで動じず、へらへらと笑って隣の肩まで叩いてみせる。

叩かれた親戚は、困ったように曖昧な苦笑いを返すしかない。

新婦の母までもが、困り笑いを浮かべて必死に取りなそうとした。

「あとでいいから、ね、座ってちょうだい」

それでも男性は、一向に席へ戻ろうとしなかった。

年長者の静かな一言

主役であるはずの新郎新婦が、うつむいて肩を小さくしているのが見えた。

そのとき、新婦側の末席から、親族の年長者がゆっくりと顔を上げた。

白髪の伯父は声を荒らげることもなく、けれど誰の耳にもはっきりと言い放った。

「その話は、今ここでするものじゃない」

穏やかな口調なのに、有無を言わせない重い響きがあった。

調子に乗っていた男性の顔から、みるみる余裕が消えていく。

「いや、俺はただ、場を盛り上げようと思って……」

言いかけた声は、途中でぷつりと続かなくなった。

「新郎新婦の門出の席だ。金の話がしたいなら、外でやりなさい」

その言葉に、周りの親族が静かに、深くうなずく。

味方が一人もいない空気を、男性もようやく感じ取ったようだった。

形勢を悟ったのか、男性はとうとう口をつぐみ、決まり悪そうにそっと腰を下ろした。

張り詰めていた空気が、そこでようやくゆっくりとほどけていく。

伯父は何事もなかったかのように、また静かにグラスへ手を伸ばした。

新郎新婦が顔を上げ、ほっとしたように微笑んだのが見えた。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・男性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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