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「老いるのが怖い」63歳の夜に書いた手紙──84歳の私へ、ありったけの愛を贈るまで

  • 2026.8.1

「老いるのが怖い」63歳の夜に書いた手紙──84歳の私へ、ありったけの愛を贈るまで

21年後の未来の自分へ手紙を書く——。そんなユニークな試みをしたのは、88歳のニューヨークのベストセラー作家です。人生後半で見つけた幸せをつづった『老いることの驚きと幸せ これから年を重ねていくあなたへ、88歳の作家からの手紙』(アスコム刊)から、その興味深いやり取りをご紹介します。第3回は、63歳のわたしから、84歳のわたしへ。前回に続く「後日書いた2通目の手紙」です。

63歳のわたしからわたしへ 後日書いた2通目の手紙

親愛なる未来のソフィへ

ごきげんいかが? あなたが元気で健やかに過ごしていることを願っている。何より、心の奥底を静かに流れる深い歓びに包まれて、幸せであるよう願っている……。わたしの背後にいる猫は椅子の上で丸くなっている。そしてわたしは今これをパソコンで打っている。というのも、このところわたしの字はほとんど判読できなくなってきたのだ。

夢に描いた伴侶は見つかっただろうか。そうであってほしい。だってもしそうなら、わたしも見つけられるということだから。あなたの人生に美しい想い出が満ち、愛があふれ、知恵と悟りが訪れるように願っている。輝きに満ちた存在であってほしい。そしてあなたの人生が、奔放で、素晴らしく、神秘的で、歓びに満ちたものとして、周りの人々の胸に響くものとなっていることを願っている。

今夜までわたしはずっと気分が落ち込んでいた。1週間前から(あるいは1カ月前からか)この状態だった。昨日は本当にひどくて、丸1日、涙に暮れていた。昨日の晩、この状態を脱しようとセイヨウオトギリソウ(訳注:抗鬱作用があるとされる)を服用し、(1時間半のダンスクラスで)体を動かした。人と会い、光照射器(訳注:光を浴びると抗鬱効果があるとされる)の下に座るようにも心がけている……。

昨日、シャワーを浴びながら浴槽でひざまずき、この苦しみから解放してほしいと祈った……そして数時間後、何と、落ち込んでいた気分が晴れた。

明日、わたしは63になる。老いることに気分が滅入っていたのだ。自分はすっかり陰に沈む存在、使い果たされた存在だと感じていたのだ。政府はわたしを老人だと言う——でもわたし自身は、今も若く魅力的で、人に求められる存在だと思っている。ただ怖いのだ。人はある年齢を超えると、愛されず、求められず、無用の存在になるのだとしたらどうしよう?

だからわたしは84歳のあなたに、ありったけの、そう、ありったけの深い愛を贈る。

ソフィ・バーナム――ペニーより

著者紹介

ソフィ・バーナム

1936年生まれ。アメリカの作家、劇作家、エッセイスト、詩人。著書16冊を刊行している作家であり、そのうち3冊は「ニューヨーク・タイムズ紙」のベストセラーとなっている。作品は26言語に翻訳されており、ノンフィクション、小説、短編、詩、戯曲、ドキュメンタリー映画、児童文学、ラジオドラマなど、多岐にわたるジャンルで執筆活動を行っている。世界各国で配信された記事やエッセイも数百本にのぼる。日本で翻訳されている著書に『天使の本』(ジャパン・タイムズ)がある。

※この記事は『老いることの驚きと幸せ これから年を重ねていくあなたへ、88歳の作家からの手紙』ソフィ・バーナム著・柴田幸裕訳(アスコム刊)をウェブ記事用に再構成したものです。

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