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【50代の趣味活】奈良国立博物館「南都仏画展」でカラフルな仏教の世界に没入♡《「第78回正倉院展」速報も!》

  • 2026.8.2

こんにちは、奈良在住の編集者・ふなつあさこです。

訪れるたびに「こう来たか!」とうならされる、奈良国立博物館の特別展。現在開催中のボストン美術館共同企画 特別展「南都仏画 ―よみがえる奈良天平の美―」(~9月13日・日、前期:〜8月16日・日、後期:8月18日・火〜)でも、いい意味で予想を覆されました。

仏さまの絵が並んでるんやろな〜。
貴重やろうけど、色彩的には渋いやろな〜。

……と思っていたら! そこには奈良に花開いた色彩豊かな仏教の世界が広がっていたんです! プレスプレビューの翌日、会期初日にさっそく再訪してしたほどアツい展覧会の模様をレビューします!

幻の法隆寺金堂壁画の色彩が最新技術で今に蘇る!

手前:国宝「伝橘夫人念持仏厨子」」〈飛鳥時代(7〜8世紀)奈良 法隆寺〉

展示は第1章として「法隆寺金堂壁画──日本仏画の黎明」からスタート。一歩足を踏み入れるや、「なんと!」と驚きました。国宝、重要文化財、そして現代の技術で色彩を取り戻した幻の仏画が揃い踏みしているんです。

具体的には、国宝「伝橘夫人念持仏厨子(でんたちばなぶにんねんじぶつずし)」〈飛鳥時代(7〜8世紀)奈良 法隆寺〉とそこに祀られていた重要文化財「厨子入押出阿弥陀三尊(ずしいりおしだしあみださんぞん)および僧形像(そうぎょうぞう)」〈飛鳥時代(7〜8世紀)奈良 法隆寺〉【ともに通期展示】を中心に、不慮の火災からその多くが焼損してしまった幻の法隆寺金堂壁画の復元画像が色鮮やかに展示されています。

法隆寺金堂壁画の高精細カラー復元画像を手がけたのは、ご存じ富士フイルム。

焼失前の昭和10年(1935)に撮影された「ガラス原板」という写真フィルムがなかった時代の記録技術と、富士フイルムが世界に誇る最新の画像解析技術によって、約8万画素という“究極の高精細カラー画像復元”に成功。実際の岩絵具を用いた検証など、気が遠くなるほどの地道な作業も行ったとのこと。

記者発表には、このプロジェクトにあたった富士フイルムの北岡弘行さん(写真左)や法隆寺の古谷正覚管長も登壇しはりました。

写真右から「法隆寺金堂壁画第6号壁 模写 桜井香雲筆」〈明治時代(19世紀)東京国立博物館〉、「法隆寺金堂壁画第2号壁 模写 藤井白映ほか筆」〈昭和15~26年(1940~51) 奈良 法隆寺〉【ともに前期展示】

これまでに法隆寺金堂壁画の姿を伝えてくれた模写も展示されています。

国宝「刺繍釈迦如来説法図」〈中国・唐または飛鳥時代(7~8世紀)奈良国立博物館〉【前期展示】

飛鳥・奈良時代には、仏さまの姿を刺繍であらわす繍仏もさかんに制作され、大きなお寺にお祀りされていたそう。こちらはその最高傑作のひとつ。ただでさえデリケートな絹に施された繊細な刺繍の作品が、約1300年前の姿を色鮮やかに現存していることに圧倒されます。ひと針ひと針に、どんな想いが込められているのでしょう。

天平時代の奈良はきっと、想像以上にカラフル

《展示風景》

第2章の「天平の彩り」では、東大寺、法隆寺、薬師寺、西大寺、唐招提寺といった名だたるお寺の堂内を彩っていた仏画や絵を添えたお経などに、仏像や伎楽面といった立体作品を交えて展示。長い時を経てなお美しい色彩を保つ名品の数々を見ていると、当時のお寺はきっと極彩色だったのではないだろうか? と思えてきます。

国宝「吉祥天像」〈奈良時代(8世紀)奈良 薬師寺〉【〜8/2(日)】

8月2日(日)までなのでこの記事の配信初日(8/1)にご覧の方で奈良へ行ける方はぜひ、薬師寺の吉祥天さまに会いに行かれてください! たおやかでありながら凜とした佇まい。何度拝見しても素敵です。

国宝「絵因果経」〈奈良時代(8世紀)京都 醍醐寺〉【前期展示】

お釈迦さまの前世と現世にわたる伝記を、挿絵を添えて説いたお経です。絵があるとわかりやすい、というのは昔の人にとっても同じだったはず!

南都──京都の南に位置する仏教の都、奈良

《展示風景》

そもそも「南都」ってなんだい? という話をしておくと、「鳴くよウグイス平安京」の794年に、奈良の平城京から京都の平安京に都が移ってから、京都から見ると奈良は南に位置することから南の都「南都」と呼ばれるようになりました。

第3章「南都の平安仏画」の展示室は、京都の文化の影響を受けながらも南都で発展した、平安時代の南都仏画が集結。そのアイコンともいうべき作品が、写真手前の国宝「十一面観音像」〈平安時代(12世紀)奈良国立博物館〉【前期展示】です。

重要文化財「聖徳太子坐像(伝七歳像)」 円快作 秦致貞彩色〈平安時代 治暦5年(1069)奈良 法隆寺〉【通期展示】

聖徳太子さまがまとっている袍(ほう)などに、制作された当時の華麗な紋様を見ることができます。南都仏画展では、立体作品の細部にご注目を!

国宝「両界曼荼羅(子島曼荼羅)」胎蔵界〈平安時代(11世紀)奈良 子嶋寺〉【前期展示】*後期は金剛界を展示

紺色に染められた綾織の絹に、金と銀のみで曼荼羅を描いた作品。おおよそ3m四方という大きさです。シンプルに見えながらも素材からして贅沢。その制作には、藤原道長も関わったと考えられているそう。

ボストンから里帰りした名品も! 後半も気が抜けない!

「釈迦霊鷲山説法図(法華堂根本曼陀羅)」〈奈良時代(8世紀)ボストン美術館〉William Sturgis Bigelow Collection Photograph © Museum of Fine Arts, Boston【通期展示】

平安時代末期は、奈良時代の天平仏画が再注目された、ルネッサンスともいうべき時期。

第4章「追憶の天平仏」で展示されているボストン美術館の日本美術コレクションを代表する天平仏画の名品は、もともと東大寺に伝来したもので、東大寺に今も残されている国宝「倶舎曼荼羅」(平安時代(12世紀)奈良 東大寺【展示期間:8月25日(火)〜9月13日(日)】)にその構図などが取り入れられているそうです。

写真手前:重要文化財「不動明王および八大童子像」康円作 重命彩色〈鎌倉時代 文永6年(1269)作 文永9年(1272)彩色 東京 世田谷山観音寺〉【通期展示】、写真奥:「四天王像」重命筆〈鎌倉時代 建長5年(1253)頃 ボストン美術館〉【通期展示】

第5章「内山永久寺──南都仏師・絵仏師の競演」では、国宝「七支刀」で知られる奈良県天理市の古社・石上(いそのかみ)神宮の近隣にかつて大伽藍を誇った幻の名刹・内山永久寺をフィーチャー。ボストン美術館からは仏画、東京からは仏像、大阪からは柱と、あちこちから内山永久寺旧蔵作品が一堂に。往時の繁栄をしのばせます。

重要文化財「愛染明王坐像および厨子」〈鎌倉時代(13世紀) 東京国立博物館〉【通期展示】

取材の翌日に石上神宮に伺ったのですが、大伽藍がその近隣にあったことを思わせるものは何もありませんでした。これだけの美しい仏さまが各地にちらばりながらも残っているのは、もはや奇跡なのかもしれません。

「仏涅槃図」観重筆 (部分)〈室町時代 天文14年(1545)〉 愛知 妙伝寺【前期展示】

第6章では「南都仏教の復興と絵所」と題して、南都仏教の復興というムーブメントのなかで、南都を拠点とする絵仏師が活躍した鎌倉時代から室町時代にかけての作品が集められています。この作品は、興福寺に所属していた仏画工房「南都絵所」の貴重な作例。

左から「春日鹿曼荼羅」〈南北朝時代(14世紀)ボストン美術館〉、「地蔵菩薩像」〈鎌倉~南北朝時代(14世紀)ボストン美術館〉【ともに通期展示】

今でも神仏の関わりが色濃く残る奈良ならではなのが、第7章「春日曼荼羅と神々の絵画」の展示。この特別展は、構想約20年というボストン美術館との国際共同企画でもあるのですが、第7章にはとくにボストン美術館所蔵作品が多いです。後半まで気を抜けない、最後まで全部見せ場。それが南都仏画展です。

「東大寺戒壇院扉絵図模写」〈江戸時代 嘉永7年(1854)頃 個人蔵〉【通期展示(半期面替)】

第8章「よみがえる奈良・天平の美」では、江戸時代以降に奈良の仏教美術をお手本とした作品が並んでいます。

明治時代の廃仏毀釈によって、日本の仏教そして仏教美術は大きな危機に瀕しましたが、その危機を食い止めようと奔走した岡倉天心、フェノロサらの教えを受けた東京美術学校(現在の東京藝術大学美術学部・大学院美術研究科の前身)の画家たちの作品も展示されています。

この作品の元になっている作品も第2章で展示されていますが、そちらは白描図、つまり線画なんです。ぜひ見比べてみてくださいね。

ギャップに驚かされる攻めた「南都仏画展」グッズをゲットして!

“南都仏画”をキーワードに、奈良時代から現代までの約1300年の長い旅を終えたら、ミュージアムショップへ。まずびっくりするのが、涅槃仏のクッション。シールなどのデザインもかなりポップです。

そしてとにかく「南都」ロゴグッズがこれでもか!と取り揃えられています。私はTシャツもキャップも買いました。

かと思えば展覧会公式応援キャラクター「すみっコぐらし」ともコラボ。フォトスポットのほか、グッズもありました。

念のためお伝えしておくと、もちろんポストカードや限定パッケージのお菓子など、スダンダードなグッズもラインナップされています!

※グッズは数量限定のためなくなり次第終了

そして「第78回 正倉院展」が10月24日(土)〜11月9日(月)に開催決定と発表されました。

いつか行ってみたいと思っていた方はもちろん、毎回初出陳される宝物やかなり久しぶりに出陳される宝物もあるので、見たことはある方でもぜひリピートを!

まだまだ暑いですが、正倉院展会期中の奈良は紅葉のシーズンでもあるので、混みます(断言)。去年の正倉院展は後半のチケットが予約完売していましたので、正倉院展そのものも混みます(断言)。遠方の方は早めにご計画を!

奈良国立博物館
奈良市登大路町50番地

この記事を書いた人

編集者 ふなつあさこ

ふなつあさこ

生まれも育ちも東京ながら、幼少の頃より関西(とくに奈良)に憧れ、奈良女子大学に進学。卒業後、宝島社にて編集職に就き『LOVE! 京都』はじめ関西ブランドのムックなどを手がける。2022年、結婚を機に奈良へ“Nターン”。現在はフリーランスの編集者として奈良と東京を行き来しながら働きつつ、ほんのり梵妻業もこなす日々。

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