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お気に入りの作品は何位?クレア読者500人がアンケートで選んだ【東野圭吾作品ベスト20】

  • 2026.7.31

『容疑者Xの献身』で直木賞を受賞し、多くのベストセラー作品で知られる作家の東野圭吾さんが、7月23日に大腸がんで亡くなられました。

CREA読者にも圧倒的な支持を誇る作家であった東野さん。そこで今回は、2009年9月号の雑誌CREAで実施した「読者500人が選んだ東野圭吾作品ベスト20」を特別に公開、名作の数々を振り返ります。

また、2025年に発売された『東野圭吾公式ガイド 作家生活40周年ver.』でも作品の人気投票が実施されていますランキングの違いもごらんください。

※このアンケートは2009年6月にCREA WEBなどで500名を対象に実施し、その結果を集計。その後CREA2009年9月号に掲載されたものです。
※作品情報は2009年9月時点のものです。


◆1位『白夜行』 凶悪事件の陰に潜む 男女二人の思惑

『白夜行』(集英社文庫)

●あらすじ

1973年、質屋の男性が殺害される事件が起きた。容疑者として浮上した人物の娘・西本雪穂と被害者の息子・桐原亮司の人生は、奇妙な交錯を見せる。二人が現れた後には必ず凶悪犯罪の影が……。(集英社文庫)

読者の想像力をかき立てる、圧倒的物語世界

『白夜行』に描かれているのは、東野圭吾だけが書くことができる物語の世界である。1位に選ばれたのは当然と言える。

なんといっても、先の読めない物語展開が素晴らしい。ストーリーの随所に驚きがあるのだ。冒頭で読者が行った予想は、絶対に当たらないはずだ。そのくらい本書は意外性に満ちている。ちなみに、本書がTVドラマ化されたときには、物語の構成が大幅に変更されていた。そのままの形では映像化が難しかったということだ。したがって映像版と小説版は別物と言ってもいい。ドラマでのみ『白夜行』を知っている方は、この機会に迫力に満ちた小説版も体験してみていただきたい。

第二の魅力は、物語のスケールの大きさである。長いスパンで展開されるストーリーは歴史の重みを感じさせ、既存の昭和史を暴露するかのような説得力に満ちている。文中には実在の事件が散りばめられており、自分の記憶が上書きされるような新鮮な読書感覚が味わえるはずだ。

そして心に迫る人間ドラマ。西本雪穂と桐原亮司という二人の主人公の存在感に注目していただきたい。両者の関係は、他のミステリーや恋愛小説には出てこない特殊なものだ。東野は完全にオリジナルの人間像を創造したのである。安っぽい同情や共感を拒む、圧倒的な人生劇が堪能できる。読み終わったとき誰もが、自分の中にいる雪穂と亮司に気付かされるはずだ。

【読者からの声】

■東野さんを好きになったきっかけの作品。読めば読むほど深く組み立てられていて、よくこんなことを思いついたなぁと感心させられっぱなしだった(39歳・主婦)

■読者の想像力をかき立てる作品だった。世界観に引き込まれ、展開が気になるのでいっきに読んだ(27歳・会社員)

■内容の非日常さ、それでいてひとつひとつのエピソードは日本のどこかで現実に起きていそうな感じがしたことにゾクゾクしました(31歳・事務員)

■主人公の心情が全く語られないドライな文体がものすごくカッコいい(34歳・主婦)

■特にラストが悲しくて仕方なくて読んだ後も数日喪失感を感じていました。この話を忘れることはありません(28歳・会社員)

◆2位『容疑者Xの献身』 天才犯罪者・石神と湯川の哀しい対決

『容疑者Xの献身』(文春文庫)

●あらすじ

花岡靖子は、離婚した前夫につきまとわれ、思い余って殺害してしまう。放心する彼女の前に現れたのは、アパートの隣室に住む石神だった。意外なことに石神は、靖子の犯行の隠蔽工作に協力するという。(文春文庫)

10年に一度の傑作! 驚愕と感動のトリック

発表された瞬間にミステリー読みたちが「今年のベスト1はこれしかない」と叫んだという10年に一度の大傑作だ。2位という結果は妥当そのもの。現時点での作者の代表作である。

本書の魅力は、石神哲哉という主人公がヒロインによせる献身的な愛情、探偵である湯川と犯人の石神の間に存在する友情、その2つの心の動きが、ミステリーのプロットの中に完全に溶けこんでいることにある。謎が解けた瞬間に人間関係の真実が見える構造になっている。驚きと感動がほぼ同時に訪れるのだ。普段は冷徹な論理機械にしか見えない探偵ガリレオこと湯川学が深い苦悩を見せる場面も読みどころである。

使われているトリックについては、いくら賞賛してもしきれない。石神が、愛する者を守るためにはじき出した計算結果は、凡人の思考を遥かに超越したものだった。ここまで人間は人間を超えることができる。真相を知ったとき、戦慄と感動とが同時に読者を襲うはずだ。

【読者からの声】

■最後は涙なくしては読めませんでした。人をここまで愛せることの素晴らしさに感動(32歳・会社員)

■たいていの話は途中で結末が見えてくるけど、これは本当に最後までわからなかった!(42歳・会社役員)

■人物描写も細かく、どっぷり入り込めた。犯人をつきとめる過程でのガリレオの苦悩という人間的な一面もかいまみられてよかった(33歳・医療事務)

■天才の考える素晴らしいトリックと、科学者湯川の推理が冴えている(40歳・会社員)

■とにかく心がふるえ涙が止まらなかった一冊。自分を重ねてしまった(29歳・アパレルメーカー勤務)

■原作を読んで、思わず映画を見に行ってしまいました。最後のシーンでは、思わず震えてしまうほどの衝撃を受けました(33歳・化粧品メーカー勤務)

■あまりに衝撃的だったトリック。想像を超える犯人の愛に、絶句してしまった(27歳・会社員)

◆3位『手紙』 犯してしまった罪 家族が背負う代償とは

『手紙』(文春文庫)

●あらすじ

武島直貴の兄・剛志は、強盗殺人の罪で服役中だ。その兄から送られてくる手紙が直貴の人生を狂わせる。幸せを摑もうとするたびに「強盗殺人犯の弟」という逃れられない運命が彼の前に立ちふさがるのだ。(文春文庫)

二度は読めないほど、心に残る人間ドラマ

3位に選ばれたのは、派手なところはないが、しっかりした人間ドラマが展開される作品である。作中の人間関係は単純極まりなく、奇抜なトリックが使われるわけでもない。主人公の兄弟についての関心だけで、読者を牽引していってしまう作品なのである。犯罪の加害者の家族を中心に置き、東野は真の家族愛とはいかなるものかという問いを示す。その答えは読者の胸の中にあるのだろう。

【読者からの声】

■二度読めないくらい心に残った作品(33歳・パート)

■本当につらく明かりの見えない人生のなか、それでも懸命に生き抜いていく主人公の姿に心を奪われました(29歳・メーカー勤務)

◆4位『流星の絆』 両親を殺害された兄妹が手を染めたのは結婚詐欺

『流星の絆』(講談社文庫)

●あらすじ

両親を強盗に殺された功一・泰輔・静奈の3兄妹は成人後、結婚詐欺師になっていた。彼らが新たな標的として狙った男性の父親は、両親を殺した強盗犯である可能性があった……。(講談社)

恋愛ドラマと、ミステリーの醍醐味が融合

恋愛ドラマのロマンティシズムと、過去の殺人の犯人捜しという知的好奇心とが有機的に結びついた東野圭吾ならではのエンターテインメントだ。親子二代にわたる壮絶な人間ドラマが、謎解きの背景に隠されている。宮藤官九郎が手がけたドラマ版とは一味違う、シリアスな犯罪小説なのである。

愛した人が父親を殺した犯人の息子かもしれないという極限状況が、読者の胸を苦しくさせる。そんな厳しい恋愛なんて、誰もしたことがないはずだ。

【読者からの声】

■3人兄妹が懸命に生きている姿が、映像のように浮かんできました(32歳・主婦)

■犯人がまさかまさかという感じで予想がつかなかった(33歳・会社員)

■最後が意外すぎる(23歳・学生)

◆5位『探偵ガリレオ』 天才物理学者・湯川が不可能犯罪に挑む!

『探偵ガリレオ』(文春文庫)

●あらすじ

深夜の路上にたむろしていた不良少年の頭部がいきなり発火した!? 事件を持て余した刑事の草薙は、大学の同期である物理学者の湯川学を訪ねた。天才科学者が示す驚愕の真実とは。(文春文庫)

映像化で人気沸騰。秀逸な理系トリック

福山雅治主演のドラマ・映画で一気に知名度が上がった『探偵ガリレオ』は、物理学の専門的な知識をトリックに応用した理系ミステリー連作としてスタートした。東野圭吾にしては珍しい〈名探偵〉ミステリーである。一般人にはオカルト現象としか見えない出来事が、湯川学の科学者の眼によって明快に解明される。知的な味わいがシリーズの持ち味だ。

原作の『探偵ガリレオ』には、映像とは別の魅力がある。ぜひ読んで比べてもらいたい。

【読者からの声】

■やはりガリレオシリーズは探偵に魅力があります(32歳・派遣社員)

■ありえないような事件でも科学的根拠がきちんとあっておもしろかった(24歳・アパレル関係勤務)

◆6位『秘密』 様々な感情うずまく問題作 ラストの衝撃に涙する

『秘密』(文春文庫)

●あらすじ

杉田平介の妻・直子と娘・藻奈美が乗ったバスが事故に遭い、直子は落命した。昏睡していた藻奈美が意識を取り戻したとき、彼女の体内には直子の精神が宿っていた。(文春文庫)

娘の体に宿った妻の精神、揺れ動く男の姿を描く

家族に対する思いを、これ以上ないというほどの極限状況で描いた問題作。妻と娘の両方に強い思いを抱く主人公だからこそ、最後には究極の選択を迫られることになる。読後、自らを振り返りたくなる作品だ。

【読者からの声】

■最後のページを読んだとき、この作品に出会えてよかったと心から思えた(30歳・会社員)

◆7位『さまよう刃』 スリル溢れる展開 少年犯罪を扱った意欲作

『さまよう刃』(角川文庫)

●あらすじ

娘を殺され、長峰は個人的な復讐を誓った。未成年の犯人たちは少年法によって庇護されている。逃亡しながら復讐殺人を遂行する長峰をマスコミの報道も追い続ける。(角川文庫)

娘を殺された父親が、その復讐を誓う

少年犯罪というホットなテーマに取り組んだ意欲作。明確な解決を示すことが難しい問題を扱った作品だから、読者は登場人物の気持ちになりきって本を読むことになる。スリル溢れる中盤の展開には惹きつけられる。

【読者からの声】

■扱っている内容が深い。いつわが身に降りかかってもおかしくない現実がある(26歳・派遣社員)

◆8位『変身』 理系作家の真骨頂! 先端技術を扱った名作

『変身』(講談社文庫)

●あらすじ

成瀬純一は事故で重傷を負った。世界初の脳移植手術を受けて一命をとりとめた純一は、術後から自身の性格が変容していることに気付く。何が彼の脳に起きたのか。(講談社文庫)

世界初の脳移植を受けた男に起こった異変とは?

脳移植という先端技術のトピックが使われているが、変身恐怖というホラーの古典テーマを扱った作品である。人の心の中にある不変の真理を描いた小説として読むこともできるだろう。

【読者からの声】

■想像もしない物語。理系出身の作者だから書ける一冊!(46歳・会社役員)

■主人公を見守るヒロインの強さもすごい(32歳・看護師)

◆9位『幻夜』 細部にまで趣向が凝らされた ある女性の物語

『幻夜』(集英社文庫)

●あらすじ

1995年、大震災の最中に雅也は叔父を殺害した。だが、偶然居合わせた一人の女性に現場を目撃されてしまう。(集英社文庫)

殺人を犯した青年 絡めとられていく運命

作品世界は『白夜行』と連関を持っている。独立した物語として楽しむことはもちろん可能だが、2作を続けて読めば、さらに深く味わえるはずだ。

【読者からの声】

■ノンストップで読んだ(44歳・自営業)

■一人の女性にすべてを捧げる人生って……(28歳・SE)

◆10位『時生』 20年前の思い出 少年トキオとの不思議な物語

『時生』(講談社文庫)

●あらすじ

息子が臨終の床に就いたとき、宮本拓実は20年前の出来事を語り始めた。少年トキオとの不思議な物語だ。(講談社文庫)

家族をテーマに描かれた、情感豊かな冒険小説

家族をテーマにした東野作品は多く、本書は父と息子の関係に焦点を当てている。1979年の浅草を舞台にした冒険小説として読むこともでき、情景がいつまでも心に残る。

【読者からの声】

■最後の数ページはいつまでも余韻にひたれます(40歳・主婦)

◆11位『名探偵の掟』 名探偵天下一大五郎は、必ずはじめに謎を解く

●あらすじ

大河原番三警部の悩みの種は、事件のたびにやってくる名探偵・天下一大五郎だ。探偵を差し置いて刑事が真相にたどり着いてはいけない。大河原警部の涙ぐましい努力とは。(講談社文庫)

ユーモラスな名探偵の活躍から目が離せない!

「名探偵が謎を解く」というのは現実にはありえない、ミステリー小説ならではの〈物語の噓〉だ。『名探偵の掟』は、そうした〈お約束〉を白日の下にさらけ出すことにこだわり、名探偵ミステリーのパロディをやり尽くした問題作だ。ミステリーをたくさん読んでいる人ほど魅力にはまり、天下一大五郎の動向から目が離せなくなるはず。

続編に長編『名探偵の呪縛』もある。〈謎解き〉という概念自体が存在しない世界に大五郎が迷いこむというお話だ。

【読者からの声】

■ドラマで見てあまりに面白く、東野作品とは分からなかった。もっと重いテーマのものばかりを書く作家だと思っていたので(37歳・会社員)

■推理小説のパターンが学べて楽しい(25歳・会社員)

◆12位『分身』 自分に瓜二つの誰か 私たちの関係って?

●あらすじ

小林鞠子は、自分にそっくりな女性がテレビに出ていたことを知る。一方で小林双葉は、テレビ出演の直後から身辺に変事が相次いでいた。瓜二つの二人の関係は?(集英社文庫)

読者の想像を裏切る、極上の理系ミステリー

東野圭吾の魅力の一つに、理系の知識をフルに活かした、新鮮な物語作家という顔がある。本書はそうした「理系・東野」が前面に押し出された作品である。取り扱われているのは、先端の科学問題だが、決してとっつきにくい話ではない。

【読者からの声】

■謎解きと題材が良い。結末は何度読んでも感動する(27歳・主婦)

◆13位『レイクサイド』 中学受験のための合宿 そこで起きた事件とは?

『レイクサイド』(文春文庫)

●あらすじ

中学受験のため、子供たちが別荘で合宿をする。その付き添いで同行していた大人たちの間で事件が起きた。一人の母親が、夫の愛人を殺害してしまったというのだ。(文春文庫)

大人たちの暗部を鋭く抉る 衝撃の人間ドラマ

舞台は湖畔の別荘に限られている。そうした閉じた状況の中で、二転三転のどんでん返しが楽しめる作品だ。犯人捜しの謎解きミステリーであるが、子供を持つようになった世代の人々の暗部を鋭く抉る、人間ドラマとしても秀逸な出来である。

【読者からの声】

■実際にありそうな話だったので少し怖かった(29歳・メーカー勤務)

◆14位『パラレルワールド・ラブストーリー』 2つの現実が交錯する 哀しく、美しい恋愛模様

●あらすじ

敦賀崇史が目を覚ましたとき、部屋には津野麻由子がいた。だが彼女は親友の智彦の恋人だったはずだ……。2つの現実が交錯する。最後に待ち受けるものは何か。(講談社文庫)

ファンからの強い支持 SF的趣向の恋愛小説

東野作品の中ではそれほど目立つ存在ではないが、ファンからは強く支持されている隠れた名作だ。SF的な趣向もさることながら、二人の男性と一人の女性というシンプルな人間関係が醸しだす深いドラマは、実に読み応えがある。

【読者からの声】

■とても悲しい話。電車が並走するシーンは名場面(42歳・会社員)

◆15位『天空の蜂』 原子力発電所を人質に取ったテロリストと戦う

『天空の蜂』(講談社文庫)

●あらすじ

原子力発電所を爆破するとのメッセージが届けられた。テロリストの脅迫に対し、政府は苦渋の決断を下す。(講談社文庫)

初期を代表する名作 日本の真実を描きだす

初期の東野作品は、現在よりもはるかに社会派的な印象のものが多かった。長期にわたる取材によって得られた着想は、読者の思い込みを凌駕するような驚きに満ちていたのである。

『天空の蜂』は、そうした初期作品を代表する名作だ。原子力発電所を人質にとって要求をつきつけてくるテロリスト、という派手な発端も素晴らしいが、背後にいる人々の声なき声が聞こえてくるような物語の深みもいい。長編何冊分かのアイデアが使われた読み応えのある展開で、ラストには感動が訪れるのである。本書を読んで、日本という国の脆弱すぎるあり方に驚愕した人も多いはずだ。そうした真実を描き出した意欲作でもある。作者の創作にかける熱い思いが伝わってくるようだ。

【読者からの声】

■すごくよく練られていて緊迫感がある。手に汗握る展開がとっても好きです(29歳・会社員)

■登場人物たちの自身と仲間の仕事に対する絶対的信頼に泣ける(38歳・自営業)

■テロの部分だけではなく、原子力発電に関わる人々の意識にぞっとさせられた(24歳・学生)

◆16位『どちらかが彼女を殺した』 独自の捜査で絞りこんだ容疑者 犯人は一体どちら

『どちらかが彼女を殺した』(講談社文庫)

●あらすじ

和泉康正の妹が、自殺を偽装した形で殺害された。独自に捜査を進めた和泉は容疑者を二人に絞りこんだが……。(講談社文庫)

読者の誰もが驚いた 犯人当て小説の極致

最初に読んだとき、誰もがしびれるほどに驚かされた作品だ。だって、最後まで読んでも犯人の名前が書いていないのだから。探偵と同じ情報を読者には提供した。だから、よく考えれば真相は読者にも判るはずだーー。そうした作者からの挑戦によって、結末における種明かしなしという、驚異の構成が実現したのである。さすがに文庫版では、ヒントのための解説が追加された。しかしそれも袋とじなので、封を切らないと読めない趣向である。どこまでも凝った、楽しい一冊だ。

謎解きミステリーの極北といってもいい本書では、真犯人の名前を指摘するために注意深い読者でいるための努力を払う必要がある。文章の端々まで玩味して、真相にたどり着こう。

【読者からの声】

■読者に謎解きをさせる構成が面白い(23歳・会社員)

■今でも犯人がよく分かりません(笑)(35歳・主婦)

■読んだ人がいろんなふうに結末をとらえられるという面白さと、考えるという読者を巻き込む方法がとてもユニークで、納得いくまで何度も読んでしまった(40歳・非常勤講師)

◆17位『悪意』 犯人が隠した殺人の本当の動機とは

●あらすじ

作家の日高邦彦が殺害された。逮捕された犯人が動機を隠そうとすることに、加賀刑事は不審の念を抱いた。(講談社文庫)

動機の問題を突き詰め 驚愕の真相へと導く

動機の問題を、突き詰めた作品である。犯人と容疑者の手記が交互に示される構造は単純にも見えるが、かえって真相の驚きを増す役割を果たしている。

【読者からの声】

■とにかく怖いなと思ったし、けっこう現実的(22歳・学生)

■後味の悪さが好きです(30歳・主婦)

◆18位『赤い指』 息子を守るため、父親が下した意外な決断とは?

『赤い指』(講談社文庫)

●あらすじ

前原昭夫が帰宅すると、庭に少女の死体が転がっていた。息子の仕業ではないかと疑った昭夫は非情な決断を下す。(講談社文庫)

老人介護をテーマにした 社会派長編サスペンス

じりじりするようなサスペンスの中に謎の意外性を溶かしこんだ、東野圭吾ならではの長編小説だ。老人介護など、緊急性の高い社会問題をテーマとして採り上げている点も評価したい。

【読者からの声】

■東野作品はいつも現実問題を私たちに投げかけてきます(25歳・学生)

◆19位『私が彼を殺した』 自白する容疑者たち 犯人は一体?

●あらすじ

結婚式当日に毒殺された流行作家・穂高誠。3人の容疑者たちは口々に呟いた——「私が彼を殺した」と。(講談社文庫)

覚悟して読むべき! 難易度の高い犯人当て

もっともマニア度の高い東野圭吾作品。最後まで犯人の名前が明かされないという構成は『どちらかが彼女を殺した』と同じだが、謎解きの難易度は遥かに高い。覚悟して読もう。

【読者からの声】

■読者に考えさせる方法が、とてもユニークだった(47歳・主婦)

20位『十字屋敷のピエロ』 殺人劇の一部始終 見届けるのはピエロのみ

●あらすじ

竹宮一族が住む十字屋敷で殺人劇が繰り広げられる。一部始終を目撃していたのは、ピエロの人形だった。(講談社文庫)

目撃者はピエロの人形? 遊び心の詰まった実験作

新本格ミステリーブームを先取りし、謎解きの意外性に徹した意欲作だ。東野圭吾版館ミステリー。アイデアの宝庫といえる本書には、作者の遊び心が詰まっている。実に楽しい一作だ。

【読者からの声】

■ピエロの視点で描かれていくので、なかなか見抜けない(34歳・主婦)

クレア読者500人がアンケートで選んだ東野圭吾作品ベスト1~20の票数

1~20位までの結果と票数がこちら。

1位
『白夜行』集英社文庫……328票

2位
『容疑者Xの献身』文春文庫……296票

3位
『手紙』文春文庫……273票

4位
『流星の絆』講談社……196票

5位
『探偵ガリレオ』文春文庫……175票

6位
『秘密』文春文庫……147票

7位
『さまよう刃』角川文庫……102票

8位
『変身』講談社文庫……97票

9位
『幻夜』集英社文庫……92票

10位
『時生』講談社文庫……87票

11位
『名探偵の掟』講談社文庫……82票

12位
『分身』集英社文庫……75票

13位
『レイクサイド』文春文庫……68票

14位
『パラレルワールド・ラブストーリー』講談社文庫……62票

15位
『天空の蜂』講談社文庫……54票

16位
『どちらかが彼女を殺した』講談社文庫……48票

17位
『悪意』講談社文庫……39票

18位
『赤い指』講談社……31票

19位
『私が彼を殺した』講談社文庫……27票

20位
『十字屋敷のピエロ』講談社文庫……18票

文=杉江松恋

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