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「あのお宅、嫁と姑がね」商店街の中継に映った隣人の一言に、家族全員が青ざめたワケ

  • 2026.7.31

楽しみにしていた、息子夫婦の帰省

息子が結婚して子を授かってから、夏になると家族そろって帰ってくるのが恒例になった。

息子の顔を見られるのもありがたいが、私にとっての一番の楽しみは、去年生まれたばかりの孫を抱けることだ。

今年もその日がやってきて、朝からどこか浮き立つ気持ちを抑えられずにいた。

ただ、嫁にしてみれば、夫の実家での寝泊まりは気を張る時間に違いない。

それはこちらも承知している。加えて、我が家には少々やっかいな事情があった。

妻と嫁の折り合いが、昔からうまくいっていないのだ。

二人が並ぶと、穏やかな会話の下にひやりとしたものが流れる。

その気配に、私はいつも気をもんでいた。

それでも帰省の間くらいは和やかに、と願うのが親心だ。

息子に食べたいものを尋ねると「焼肉がいい」と言うので、私は近くの商店街まで肉を買いに出た。

いつになく賑わっていて、撮影機材らしきものを構えた人たちもいたが、深く考えずに買い物を済ませて帰宅した。

生放送に乗った、家族の秘密

荷物を置くなり、息子が「商店街、テレビに映ってるよ」と居間のほうへ声をかけてきた。

さっきの賑わいの正体はこれだったのかと、私は袋を提げたままテレビの前に立った。

流れていたのは、通い慣れた商店街の生中継。

街ゆく人へのインタビューだった。

だが次の瞬間、私は自分の目を疑った。

マイクの前で笑っていたのは、日ごろ気安く言葉を交わすご近所さんだったのだ。

気になることは、と水を向けられた彼女は、あろうことかこう切り出した。

「あのお宅、嫁と姑がね」

言葉はそこで止まらなかった。

「相性が悪いって、ご主人がこぼしてたんですよ。息子さんが帰省して、どうなることかって」

私がふとした弾みに打ち明けてしまった家の内情が、電波に乗って、どこの誰とも知れぬ人々の茶の間へと流れていく。

血の気が引いていくのが、自分でもわかった。

居間にいた家族全員が、一様に青ざめていた。

妻は口元を固く結び、嫁はうつむいたまま顔を上げない。

息子は何か言いかけて、その言葉を飲み込んだ。

ただ一人、腕の中の孫だけが機嫌よく声を上げている。

ここで誰かが本音を口にすれば、取り返しがつかなくなる。

そう悟ったのか、誰も彼もが押し黙ったまま、画面から目をそらせずにいた。放送はとうに次の話題へ移っていたのに、我が家の時間だけが、あの一言のところで止まっていた。

結局その夜、あの中継について触れる者は、最後まで一人もいなかった。

※tendが独自に実施したアンケートで集めた、50代・男性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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