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寒冷地の60代夫婦が平屋でやるべき寒さリフォーム、窓は「トリプルガラス」が鍵になるワケ

  • 2026.9.3
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。二級建築士・インテリアコーディネーターの桐野由衣です。寒冷地では、冬の厳しい寒さを乗り越えるために住宅の寒さ対策は必須です。特に体力が徐々に低下してくる高齢者のご家庭では、より有効な寒さ対策が求められます。

今回は、寒冷地で25〜30坪程度の平屋に暮らす60代夫婦世帯を想定した、寒さ対策を目的としたリフォームのコツをご紹介します。

高齢者世帯で寒さ対策を重視するワケ

年齢を重ねると体力が徐々に低下してきますが、特に注意したいのが体温調節機能の低下です。青年期や中年期に比べて筋肉量が減る、自律神経の働きが衰えるといった理由から、寒さに耐える力が弱くなります。発汗や血流の調節もしにくくなるため、状況に合わせた体温調節が困難になり、冬場の寒さに対応できなくなってくるのです。

近年は、温かい場所から寒い場所に移動した際の急激な温度変化によって、血圧が大きく変動し、心臓や脳の血管に大きな負担をかける「ヒートショック」のリスクが知られてきていますね。一般地域でもヒートショックは起こりますが、寒冷地では冬の寒さが厳しいだけに十分注意し、居住環境を整えておく必要があります。

断熱対策は必須

まず必須なのは断熱対策です。

寒冷地の戸建住宅では、セントラルヒーティング(全館集中暖房システム)や床暖房、寒冷地用エアコンといった暖房設備を設置したり、玄関からの冷気を防ぐ風除室を設置したりしますが、これらの効果を最大限に得るには家自体の断熱性を上げる必要があります。その暖気が外に逃げたり冷たい外気が室内に入ってきたりするのでは、せっかく暖房を行っても効果が薄くなってしまうからです。

室内にたまった熱が天井に逃げてしまわないよう、床下と壁には断熱材を適切に入れる断熱リフォームを最優先にしましょう。冷気が入りやすい窓は最低でも二重窓にし、可能ならトリプルガラスに交換するのがおすすめです。トリプルガラスはアルゴンガス、またはクリプトンガスを間に入れた3枚のガラスが複層式になっている窓で、断熱性能を高めます。

窓リフォームが難しい場合は、床まで届く長さの厚手のカーテンを使う方法もいいでしょう。冷えた空気は重く、床付近にたまりやすいため、足元の寒さ対策としてベッドやダイニングテーブルなどの下に毛足が長めのラグを敷くのも意外と効果がありますよ。

寒さに負けない間取りの工夫も併用

家の中の温度差を小さくできるよう、間取りも工夫しましょう。

たとえば、高齢になると夜間にトイレに行く回数が増えやすくなるため、寝室からトイレまでの距離を短くして寒い場所を長く移動しないようにすると、夜間に暖房の設定温度を下げていても安心です。衣類を脱ぐ入浴時にヒートショックを起こさないよう、リビングや寝室と洗面脱衣室を隣接させ、洗面脱衣室にはヒーターを設置しておく方法も寒さ対策として効果的です。

平屋の場合は上下階の移動がないため、断熱や間取りのリフォームと併せてバリアフリーを徹底すると、家の中の移動がしやすくなり、高齢者世帯が安全に、そして快適に暮らせる家に仕上がります。

単に暖房設備を充実させるだけでなく、家の中の温度差を小さくし、移動時の負担を減らすことを意識したリフォームで、年齢を重ねても冬の身体的負担が少ない生活を楽しめる住まいづくりを進めましょう。


ライター:桐野由衣
住宅設備メーカーや住宅コンサルタント会社、大手リノベーション設計会社にて新築分譲マンションの設計変更、戸建住宅・オフィス・医療施設等の設計およびインテリアコーディネートに携わる。
建築関連分野の記事執筆・校正校閲・監修業務、企業研修講師、インテリアコーディネーター資格対策テキスト監修、工務店の施工事例集ディレクションなどの実績も多数。


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