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「電話がつながらないの。どこに言えばいいのかしら」2泊4万円の一棟貸し民泊、5人家族が直面した“無許可宿”の実態

  • 2026.8.30
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。大手不動産会社に入社以降10年以上の現場経験があり、宅地建物取引士の資格を持つライターのT.Sです。家族旅行の宿泊先を探す際、大人数でも気兼ねなく過ごせる一棟貸しの民泊は魅力的な選択肢です。

予約サイトやSNSで、個性的な一棟貸しの宿を見かける機会も増えました。今回は、SNSで見つけた格安の一棟貸し宿を直接予約した結果、現地で深刻なトラブルに見舞われてしまった家族の事例を紹介します。

安さにひかれて直接予約した一棟貸しの宿

会社員のMさん(40代)は、妻と子ども3人の5人家族です。今年の夏休み旅行を計画するにあたり、ホテルだと2部屋に分かれてしまうため、全員で一緒に過ごせる一棟貸しの民泊を探しました。

SNSで流れてきた魅力的な写真にひかれたMさんは、運営者の直営サイトから2泊約4万円で予約を済ませます。大手の仲介サイトに掲載されている同規模の宿と比べて、1万円ほど安い料金設定でした。

現地では案内メールの説明が分かりにくく、鍵の受け取りに30分かかりました。さらに室内へ入ると、前の宿泊者が残したゴミが散らばり、和室の布団は湿気を含んでいます。

困り果てたMさんは、案内書に記載された問い合わせ先へ電話をかけました。しかし、呼び出し音が続くだけで誰も出ません。

「電話がつながらないの。どこに言えばいいのかしら」

そうつぶやく妻に、Mさんは返す言葉が見つかりません。一家は自分たちで部屋を掃除し直し、ようやく落ち着いた頃には夜になっていました。

届出のない無許可宿と仲介サイトの存在

帰宅後に返金を求めるメールを送信したものの、運営者から返答が届くことはありませんでした。住宅に人を宿泊させる民泊は、都道府県などへの届出が義務付けられています。

正式な手続きを済ませた施設には標識の掲示が必要ですが、Mさんが滞在した建物には見当たりませんでした。予約した直営サイトにも、届出番号の記載はありません。

住宅宿泊事業法(民泊のルールを定めた法律)や旅行業法の登録を受けた仲介サイトは、こうした違法な民泊を取り扱わない仕組みになっています。仲介サイトを経由していれば、トラブルの際に相談できる窓口がありました。

しかし運営者と直接やり取りをしたMさんには、間に入ってくれる相手がいなかったのです。

トラブルを防ぐための宿泊先選び

民泊を利用する際は、宿泊料金の安さだけでなく、困ったときに誰に頼れるかで選びましょう。登録を受けた仲介サイトを通すことで、宿との間に相談できる窓口が入ります。

予約を入れる前には、サイト上で届出番号(または旅館業の許可)の記載を確認し、番号が見当たらない宿は避けましょう。夜間につながる緊急連絡先の明記も、あわせて確認したい点です。

もし支払ったお金のトラブルで相手と連絡がつかない場合は、消費者ホットライン(188番)へ相談することをおすすめします。

参考:
宿泊者の皆様へ~違法民泊の利用はやめましょう~(観光庁 民泊制度ポータルサイト)
事業者の業務[2](観光庁 民泊制度ポータルサイト)
消費者ホットライン(消費者庁)



ライター:T.S(宅地建物取引士・2級ファイナンシャルプランニング技能士)
大学卒業後、大手不動産会社に入社。10年以上にわたり、都心のタワーマンションから郊外の築古戸建てまで、数多くの現場経験を積む。現在は不動産ライターとして「業界の不都合な真実」や、消費者が陥りやすいマネーの罠について、実体験に基づく記事を執筆している。


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