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「収納に窓はもったいない」と断った30代夫婦→真夏の玄関がにおう“本当のワケ”【一級建築士は見た】

  • 2026.8.30
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

「玄関を開けると、むわっとにおうんです。土間収納を開けた日は、特にひどくて」

そう話すのは、2年前、郊外の住宅地に地元の工務店で注文住宅(4LDK・延床約106㎡/土地約140㎡、約4,900万円)を建てたEさん(30代夫婦・子ども1人の3人暮らし)です。こだわりのひとつが、玄関横の2畳の土間収納。家族の靴にベビーカー、子どもの外遊び道具までまとめて入り、玄関はいつもすっきり。目隠しはロールスクリーンにしました。

設計のとき、工務店からは「土間収納に窓か換気扇をつけますか」と提案されましたが、「収納に窓はもったいない」と、どちらも見送っていました。子どもが公園遊びを始めた今年、湿った靴と外遊び道具が一気に増えました。

土間収納は「空気の行き止まり」になりやすい

土間収納(シューズクローク)は、玄関の土間続きで靴のまま入れる収納で、注文住宅で人気の間取りです。ただ、収納スペースは居室ではないため、24時間換気の空気の流れから外れがちです。

そこへ目隠しの扉やロールスクリーンを閉めれば、空気はほぼ止まります。玄関はそもそも外からの湿気が入り込みやすい場所です。換気を考えておかないと靴のにおいや湿気がこもりがちになるため、換気扇や小窓の設置が必要です。Eさん宅の土間収納には窓も換気扇もなく、ロールスクリーンはほぼ閉めっぱなしでした。

夏、においが強くなる理由

靴の中の湿気が多いと細菌が繁殖してにおいが発生しやすくなるため、靴をしっかり乾燥させることが大切です。夏は足の汗も外の湿気も増える季節。帰ってすぐの湿った靴をそのまま棚へしまい、ロールスクリーンを閉める。すると、閉め切った2畳は、細菌にとって好条件の場所になっていました。「むわっ」の正体は、乾く前の靴と、行き止まりの空気の組み合わせだったのです。

Eさん夫婦はどう対応したのか

換気扇の後付け工事(数万円)も考えたそうですが、できるだけお金のかからない方法で対策しました。ロールスクリーンを閉めるのは来客中だけにして、普段は開けて空気の通り道をつくる。靴用の除湿剤も棚に置きました。1週間ほどで、玄関のにおいは、はっきり分かるほど減ったといいます。

収納は「しまう物の空気」まで設計する

家族の靴も、ベビーカーも、外遊び道具もまとめて隠せる。土間収納が玄関にもたらすすっきり感は、大きな魅力です。一方で、そこは湿ったものが集まる小部屋でもあります。以下を確かめてみてください。

・土間収納には窓か換気扇――設計の段階で「空気の出口」を決めておく
・扉やロールスクリーンは、閉め切らない時間をつくる
・帰宅した靴はすぐしまわず、一晩乾かしてから収納する
・除湿剤は置きっぱなしにせず、交換の時期を確かめる

空気の通り道さえあれば、土間収納は夏も、玄関の頼れる相棒であり続けます。


ライター:yukiasobi(一級建築士・建築基準適合判定資格者)
行政で住宅政策・都市計画・建築確認審査など10年以上の実務経験を持つ。現在は住宅・不動産分野に特化したライターとして活動し、空間設計や住宅性能、都市開発に関する知見をもとに、高い専門性と信頼性を兼ね備えた記事を多数執筆している。


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