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映画『Michael/マイケル』で伝説に挑んだ者たち。二人の“マイケル”を撮り下ろし&インタビュー

  • 2026.7.29

公開以来、世界中で記録的な大ヒットとなっている『Michael/マイケル』 。キング・オブ・ポップとして知られるスター、マイケル・ジャクソンの幼少期からスターになるまでを描いた伝記映画。圧巻のパフォーマンスと演技でスクリーンに伝説を甦らせた、二人の“マイケル”を撮り下ろし&インタビュー!

スクリーンの中にマイケルを鮮やかに甦らせた二人の俳優、ジャファー・ジャクソンと、ジュリアーノ・クルー・ヴァルディ。この取材が行われたのは、ジャパン・プレミアの翌日の朝。開始時間の少し前に揃って取材部屋に現れた二人は、いずれも瞳がキラキラと輝き、とても晴れやかな表情。目が合うと、ジャファーは少し照れながら微笑んで挨拶、ジュリアーノは好奇心たっぷりの顔でにっこり。ジャファーがスーツの袖を引っ張って「クールだね」と褒めると、嬉しそうなジュリアーノ。二人が同じソファに並んで座り、合同インタビューがスタートした。まずはそれぞれに、マイケルを演じるにあたって難しかったことや工夫したことを質問。

「もともと僕は大人のマイケルのダンスをよく踊っていたので、踊りのスタイルを切り替えることが一番の課題でした。実はリハが始まった時点では、幼い頃のマイケルの踊り方を全然知らなかったんです。なので、ジャクソン5時代のスタイルを完璧に身につけるために、振付師のリッチ&トーンと一緒に時間をかけて練習を重ねました」(ジュリアーノ)

初めての映画出演で、ナーバスになった日が数え切れないほどあったというジャファーは、「きっとマイケルも苦しい日や思うようにいかない日があったはずで、でもきっと翌日には起きてまた練習を続けていたと思うんです。だから僕も練習を続けました。マイケルと同じエネルギーを持ってパフォーマンスをし、少しでも彼に近づきたい。その一心で頑張っていた気がします」

もともとファンの二人も、映画を通じ魅力を再発見

ジャファーはマイケルの甥。昔からマイケルに夢中で、幼い頃は彼が座っていたリビングルームでテレビの前に座り、マイケルの映像をひたすら見ていたという。

「今回演じるにあたり僕が一番知りたかったのは、“人としてのマイケル・ジャクソン”でした。彼は音楽を通じて人々をひとつにしたいと本気で願い、そのために時間を惜しまず、人々のために尽くしていたと思います。そして、“史上最高のアーティストになりたい”という目標に対する、並々ならぬ努力と献身があったこと。それらを知ることができたのは、僕にとってとても大きな学びだったと思います」

ジュリアーノ・クルー・ヴァルディさん

ジュリアーノは現在12歳。生前のマイケルを知らない彼ら世代にとって、彼はどんな存在なのかを尋ねてみると、「うーん…、正直に言うと、僕のまわりでマイケルについて本当によく知っている子はあんまりいないし、マイケルがどんなに偉大な存在だったか、十分理解してないと思います。でも、この映画を観ればきっとわかってもらえると思う。僕が尊敬しているのは、マイケルが誰より努力をしていたことはもちろん、音楽を通じてメッセージを伝えようとしていたところです。例えば『Earth Song』で、僕らが地球を大切にできていない、だから“変わらなければ”という気持ちを伝えていたこと、などです。マイケルのメッセージは今でも生き続けている、そこは本当に尊敬しています」

『Michael/マイケル』伝説に挑んだ者たち

ジャファー・ジャクソンさん

世界中から愛されているマイケルだが、特に日本での人気は高い。二人とも、前日のプレミアでその空気を感じたようで、

「ジャパン・プレミアは本当に素晴らしかった。というか、ヤバかったです(笑)」(ジャファー)

「イエス!」(ジュリアーノ)

「マイケル自身も日本をとても愛していたと思うので、世界中を回ってきてプレミアのラストを日本で締めくくれたことが、とにかく嬉しかったです。ファンのみなさんの歓声や熱気を肌で感じることができて、特別な時間でした」(ジャファー)

「手袋やジャケットなどコスチュームを身に着けてきてくれた人もたくさんいて、作品の世界を一緒に楽しんでくれていることが伝わって、とても嬉しかったです。これから映画を観る人には、ぜひ一緒に歌ったり踊ったりしてくれたらいいなって思います」(ジュリアーノ)

ちなみに二人とも今回が初来日。この日までの滞在で印象に残っていることを聞いてみると、

「SAMURAI MUSEUMに行きました! すごく楽しかった。買いそびれてしまったおみやげがあるので、もう一回行きたいです」(ジュリアーノ)

「すでにとても楽しいですが、もっといろいろと街を見て回りたいですね。ヴィンテージショップ巡りもしたいし、渋谷にも行きたいし、京都にも行きたい。今のところ一番気に入っている食べ物は和牛。本当に最高で、日本に来てから毎日のように食べてます」(ジャファー)

それを聞いたジュリアーノ、「今朝も食べた?」と質問。ジャファーは苦笑いしながら「今朝はまだ食べてないよ」と回答。そんなやりとりが、本当の兄弟のようでなんとも微笑ましい。

キング・オブ・ポップを演じるという、とても難しい挑戦をやり遂げた二人。最後に、お互いが演じたマイケルについて、それぞれ感想を語ってもらった。

「ジュリアーノが演じるマイケルには、少年時代のマイケルが持っていたもろさや繊細さが見事に表現されていたと思います。そしてマイケルは、何かを見て学び取る能力や、適応力がとても高かったと思うし、自分自身に対してすごく厳しい人だったと思うんですが、ジュリアーノのパフォーマンスからは、それが本当に全部伝わってくる。マイケルのオールドソウルが、間違いなく彼に降りてきていたんだろうなって思います」(ジャファー)

「僕は、ジャファーがマイケルを自分の中に取り込んで、マイケルと対話をしている…みたいなところが好きで、ジャファーの演技を見ていると、本当にマイケルを見ているような気になるんです。特にダンスの動きは完璧で、ジャファーが演じた『モータウン25周年記念コンサート』のムーブと、実際のマイケルのムーブを比べると、本当に同じタイミングで動いている。もう完璧なんです。本当にすごいなって思います」(ジュリアーノ)

お互いのコメントを聞きながら、ジュリアーノは嬉しそうに「Thank you…」と小さな声でひとこと。ジャファーは自分の膝に手をやり、下を向き照れくさそうに優しく微笑む。二人のそのシャイな喜び方も、まるでマイケルのよう。二人がこの役に選ばれたのはきっと運命だったのだと、改めて思うインタビューだった。

Jaafar Jackson

ジャファー・ジャクソン 1996年7月25日生まれ、アメリカ・カリフォルニア州出身。父親はマイケルの兄であるジャーメイン・ジャクソン。2019年よりミュージシャンとして活動。今作にて長編映画デビュー。

Juliano Krue Valdi

ジュリアーノ・クルー・ヴァルディ 2014年2月2日生まれ、アメリカ・ネヴァダ州出身。本作品の撮影当時は9歳。'25年にアカデミーノミネート作のアニメーション映画『ARCO/アルコ』でタイトルロールの声を担当。

information

『Michael/マイケル』伝説に挑んだ者たち
映画『Michael/マイケル』

マイケル・ジャクソンの半生を描いた伝記映画。出演/ジャファー・ジャクソン、ジュリアーノ・クルー・ヴァルディほか 監督/アントワーン・フークア 脚本/ジョン・ローガン 製作/グレアム・キングほか配給/キノフィルムズ 全国公開中。

https://www.michael-movie.jp

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写真・森山将人(TRIVAL) 取材、文・河野友紀

anan 2505号(2026年7月22日発売)より

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