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「行き過ぎている」とわかっていても止められない。中学受験で追い詰められる親の苦悩【著者インタビュー】

  • 2026.7.27

【漫画】本編を読む

子どものための“伴走者”だったはずが、いつしか母自身が「合格」にとらわれていく……。

とーやあきこさんの『合格にとらわれた私 母親たちの中学受験』(KADOKAWA)は、中学受験を通した母親たちの葛藤を描いた物語。自分がかつて諦めた学校を娘・綾佳に挑戦させることにした真澄。しかし成績が伸び悩み、焦燥感を募らせる。そんな中、ママ友かなえの娘・まりんが下のクラスから綾佳のクラスに上がってくることに。まりんの飛躍を素直に喜べない真澄。それどころかさらに焦り、綾佳にきつく当たるようになってしまう……。一方、2家族と昔から仲が良く成績優秀な優也の母・潤子は、夫が自分の出身校以外を受験するなと息子にプレッシャーをかけることに疑問を感じる。とはいえ、潤子自身も学歴コンプレックスがあり、息子を守りきれないでいた。

数多くの取材を重ねて執筆したという本作。とーやさんに取材の中で見えた昨今の中学受験事情や、自身も経験したという子どもに辛い言葉をかけてしまうときの心境についてなど、話を伺った。

――本作には3家族が登場しますが、まず主人公である真澄とその家族について伺います。真澄には、中学受験で本命校に不合格になったという過去があります。その経験が娘・綾佳の受験にも大きな影響を及ぼしていますが、この設定はどのように決められたのでしょうか?

とーやあきこさん(以下、とーや):取材をする中で、親御さんが中学受験をしていた場合、お子さんに「自分の卒業校以上のレベルの学校に進んでほしい」と考えている方が多くいらっしゃったんです。そのこと自体は悪いことではなく、ごく自然な考えだとは思います。ただご自身の受験体験やその結果をベースに子どもの受験を考えている方が多いことが印象的だったので、そこから真澄の背景を決めました。

――親御さんご自身に中学受験で失敗経験があっても、お子さんに受験を勧める方は多い印象でしたか?

とーや:成功だったか失敗だったかは、あくまで本人の考え方、もしくは親の言動で決まると思います。それはさておき、合格不合格という意味だとしても、それが子どもに受験をさせるかどうかの判断に影響している印象はあまりなかったです。結果に関わらず、ご自身が中学受験を経験した方は、自分の子どもも受験するのが自然な流れだと考えているケースが多いように感じました。

――真澄は娘に対して、行きすぎた言葉をかけてしまいます。取材をする中で、子どもに否定的な言葉をかけてしまうことに悩む親御さんは多くいらっしゃいましたか? こういった親御さんはあまりご自身の言動に自覚がないのかな? とも思ったのですが。

とーや:日常的に否定的な言葉をかけ続けてしまうというよりは、突発的に言ってしまったという方が多かった印象です。それだけ親の精神的、体力的負担も大きいのだと思います。お金の面もそうですね。普段はできる限りお小言を言わないようにと我慢していても、それが積み重なって限界を迎えたときについ言ってしまったと。

――私自身にも似た経験があります。

とーや:中には頻繁に否定的な言葉をかけてしまった方もいらっしゃいました。ご本人も「行きすぎている」という自覚はあって。「それでも色々な要因が重なって、自分を抑えきれなくなってしまった、受験が終わって数年経っても後悔が消えない」と話されていたことを、今でもよく覚えています。

取材・文=原智香

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