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我が子がいじめをしていたらどうするべきか? 加害者家族と被害者家族、双方の苦悩と葛藤を描いたセミフィクション【書評】

  • 2026.7.30

【漫画】本編を読む

『娘がいじめをしていました』(しろやぎ秋吾/KADOKAWA)は、娘がいじめの加害者だったという現実に直面した家族を中心に描いたコミックエッセイである。被害者の苦しさだけではなく、加害者家族が抱える葛藤や責任にも目を向け、いじめの発覚が双方の家族と学校、そして社会に及ぼす影響を真正面から伝えてくる作品だ。

主人公の赤木加奈子は、中学時代にいじめを受けた経験を持つ母親である。ある日、自分の娘・愛がクラスメイトの小春をいじめているという事実を知って大きな衝撃を受ける。夫とともに小春の家に行き彼女と両親に謝罪するが、小春は不登校になってしまう。さらに、小春の母・千春が知り合いに相談した内容がSNSで匿名の告発として広まり、問題は当事者だけでは収まらない社会的な出来事へと広がっていく。

いじめと聞くとまず「悪者は加害者」と思う人は多いだろう。もちろん、いじめという行為は決して許されるものではない。しかし、その行為が生まれてしまった理由は第三者が思う以上に簡単なものではないことを伝えてくる。そして我が子が加害者だったと知ったとき、どんな言葉を子どもへ掛けるべきかや、親としてどんな行動をするべきなのかという困惑や葛藤、夫婦間で生まれる考え方の相違など、直面する現実が描かれているため、読み手はハッとするだろう。

一方で、被害者家族の視点も描かれる。学校へ行けなくなった我が子を見守り苦悩する姿や、SNSによって善意が思わぬ方向へ暴走していくことへ恐怖を感じる姿は、現代のすぐそこにある問題として胸に刺さってくる。誰か一人を断罪するだけでは解決しない、いじめ問題の複雑さを伝えてくるのだ。

もし自分の子どもが「いじめる側」だったとしたら、あなたはどうするだろうか? 本作は、そんな容易に答えの出せない問いを投げかけてくる。いじめ問題を当事者と家族の視点から描くことで、他人事ではなく現代社会全体の問題として読み手に強いメッセージを伝えてくる作品だ。

文=甲斐ハヤト

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