1. トップ
  2. エピソード
  3. 2年ぶりに届いた元恋人の1通へ、返せなかった夜

2年ぶりに届いた元恋人の1通へ、返せなかった夜

  • 2026.7.30
ハウコレ

打ちかけた返信を書き直す時間が、俺には何日も続きました。彼女に届けるべき言葉を、いくら並べ替えても、いつもどこかで嘘のかたちに落ち着いてしまうのでした。

机に置いたスマホが立て続けに鳴ったのは、消したはずの名前が通知に浮かんだ直後でした。

2年前に自分から消したはずの、名前だった

その通知が2年前に自分から連絡先を消した相手のものだと気づいたあと、俺は椅子に座り直しました。同棲を解消したとき、俺は自分の中の情けなさから逃げるように、彼女に「もう1度、自分で自分を立て直す時間がほしい」と告げていました。それを受け入れて、彼女は慎重に引いてくれたのでした。

返信を打っては消す、その繰り返しの数日間

彼女のメッセージは短くて、丁寧で、あの頃と少しだけ違いました。

「久しぶり。もし迷惑じゃなかったら、1度だけ会って話したいの」

俺はメッセージ欄を開いて、「元気にしてる」と打ち込みました。次に、その言葉を全部消して、「久しぶり」と打ち直しました。それも消して、結局、そこは空欄のまま何日も日が過ぎていきました。

彼女に返せない理由と、それでも残っていた気持ち

返信を打てなかった理由は、いくつもありました。連絡先を消した時点で、俺には彼女と話す資格がないと思い込んでいたこと。2年の間に、俺の隣には別の人が座っていて、その人と普通に笑い合う日々があること。彼女に会いに行けば、彼女も、隣の人も、俺は裏切ることになる気がしたこと。

それでも、彼女に会いたいと、確かに1度は思ってしまいました。

そして...

結局、俺は彼女に一言も返せないまま。既読をつけたままでした。あの通知が鳴ったのと同じ机の上には、俺の隣にいる人が置いていったマグカップが、今も2つ並んでいます。

(20代男性・会社員)

本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。

(ハウコレ編集部)

元記事で読む
の記事をもっとみる

注目コンテンツ