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通院と入院で“11万円”支払った60代女性→「超えた分はあとで戻ってくる」はずが…高額療養費の振込額を見て“絶句したワケ”

  • 2026.8.13
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。金融機関勤務のおがわ163です。20年間、金融機関の窓口で資産運用や家計相談に携わってきた経験をもとに、お金にまつわるリアルなエピソードをお届けしています。

今回ご紹介するのは、大腸がんの手術後、通院で治療を続けている60代女性Aさんの体験談です。数年ぶりに資産運用の相談で窓口を訪れたAさんが、雑談の中で語った「高額療養費が思ったより戻ってこなかった」という話には、外来と入院の間にある、意外な“壁”がありました。

数年ぶりの来店は、資産運用の見直しがきっかけだった

Aさんは65歳。数年前に大腸がんの手術を受け、以降は再発を防ぐための抗がん剤治療を月に数回、点滴による通院で続けています。

あわせて、3か月ごとの血液検査や、半年ごとのCT検査、大腸内視鏡検査も受けているそうです。この日は、以前から加入している投資信託の運用状況を確認するため、数年ぶりに窓口を訪れました。

運用状況をひととおり確認したあと、担当者が体調をたずねると、Aさんは治療が一区切りつき、ようやく落ち着いてきたところだと話してくれました。会話の流れで出てきたのが、高額療養費についての、ある戸惑いでした。

「限度額を超えた分はあとで戻ってくると聞いていたんです。でも、実際に申請してみたら、思っていたより戻ってきた金額が少なくて」

「限度額を超えれば戻る」と思っていたが

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

その月、Aさんは定期的な通院治療に加えて、検査のため3日間の入院もしていました。

窓口で支払った自己負担は、通院分が合わせて1万8,000円、入院分が9万2,000円。Aさんの自己負担限度額はひと月8万100円ほどです。「通院と入院を合わせれば11万円になり、限度額を大きく超えている。その分がまとめて戻ってくるはず」と考えていたそうです。

ところが実際に戻ってきたのは、1万1,900円ほど。限度額の仕組みは知っていたつもりだったAさんにとって、想定していた金額との差は、思いがけないものでした。

外来と入院の間には、合算のための”壁”があった

担当者が確認すると、理由は「通院」と「入院」の扱いの違いにありました。高額療養費では、同じ月・同じ医療機関でも、通院分と入院分はそれぞれ別に計算されます。

まず入院分だけを見ると、9万2,000円は限度額の8万100円を超えているので、その差額の1万1,900円が高額療養費として戻ってきます。一方の通院分1万8,000円は、それだけでは限度額に届きません。ほかの医療費と合算するには、1件あたり2万1,000円以上であることが必要なため、この1万8,000円は合算の対象にならず、そのまま自己負担として残ることになったのです。

さらに担当者は、もうひとつの制度も紹介しました。「限度額適用認定証」を事前に医療機関の窓口へ提示しておくと、支払いの時点で自己負担限度額までに抑えられ、あとから高額療養費を申請して数か月待つ必要がなくなるというものです。マイナ保険証を利用している場合は、この認定証をあらかじめ申請しなくても、窓口で自動的に限度額までの支払いに抑えられる仕組みもあります。Aさんはこれまで、窓口でいったん全額を立て替えたうえで、申請してから3か月以上かけて還付を受けていました。

「先に窓口で抑えられる方法があるなら、もっと早く知りたかったです」とAさんは話します。マイナ保険証なら手続きの手間も省けると聞き、次の通院からは早めに準備しておくつもりだと話してくれました。

・高額療養費は、同じ月・同じ医療機関でも、通院分と入院分をそれぞれ別に計算する
・複数の医療費を合算するには、69歳以下の場合、1件あたり2万1,000円以上であることが必要
・この基準に届かない通院分は、入院分と合算されず、高額療養費の対象にならないことがある
・高額療養費は自動的に戻るとは限らず、申請が必要で、還付までは診療月から3か月以上かかることが多い
・「限度額適用認定証」を事前に医療機関へ提示すれば、窓口での支払い自体を自己負担限度額までに抑えられる
・マイナ保険証を利用すれば、認定証を事前に申請しなくても、窓口の支払いが自動的に自己負担限度額までに抑えられる

「限度額を超えれば、まとめて戻ってくる」というイメージだけで安心せず、通院と入院それぞれの計算のしくみを知っておくことが、通院治療を続けるうえでの家計管理につながります。高額療養費の仕組みや認定証の申請については、加入している健康保険組合や協会けんぽ、市区町村の窓口に相談してみてください。


執筆:おがわ163
金融機関勤務(勤続20年)。2級ファイナンシャル・プランニング技能士。窓口業務・資産運用相談の現場経験をもとに、生活に役立つお金の知識をわかりやすくお届けしています。

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