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「ねんきん定期便どおりだから正しい」65歳で年金受給を始めた夫婦→後日、年金事務所で告げられた“42万円”の漏れに絶句…

  • 2026.8.12
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。金融機関でマネージャーを務めながら、家計のご相談に日々向き合っている中川です。

今回ご紹介するのは、ご主人が65歳で年金を受け取り始めた60代のAさんの体験談です。ねんきん定期便の見込みどおりの年金額だったため何の疑いも持ちませんでしたが、友人のひと言をきっかけに年金事務所へ相談したところ、年423,700円の加算が付いていないことがわかりました。

請求時に見落とされやすい加給年金について、Aさんの経験からご紹介します。

定期便どおりの額なのに、友人は「40万円増えた」

ご主人が65歳になり、年金の受け取りが始まりました。

Aさん夫妻が見込額の目安にしていたのは、毎年届くねんきん定期便です。決まった年金額は見込みどおりで、「ねんきん定期便どおりだから合ってる」と思っていました。

しばらくして、同じ時期にご主人が65歳を迎えた友人と会ったとき、こんな話を聞きました。「妻が年下だと、年金に加算が付くらしいのよ。うちは40万円くらい増えたわ。」

Aさんは60代。ご主人より5歳年下で、まだ65歳になっていません。長く専業主婦を続けてきたため、厚生年金に長く加入した経験はなく、収入もありません。ご主人は22歳から60歳まで、38年にわたって会社員として厚生年金に加入してきました。

条件は友人夫妻とよく似ています。けれどご主人の年金額に、そんな加算が入っているようには見えませんでした。「気のせいかもしれないけれど、一度聞いてみましょう」。Aさんは年金事務所へ相談に行きました。

年金事務所で判明した年42万円の請求漏れ

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

窓口の職員が記録を確認すると、こう言いました。

厚生年金に20年以上加入した方に、生計を維持されている65歳未満の配偶者がいる場合、老齢厚生年金に「加給年金」が上乗せされます。

令和8年度の額は、配偶者分が243,800円、特別加算が179,900円で、合わせて年423,700円です。

この加算には、夫婦が生計を同じくしていること、配偶者の前年の収入が850万円未満であることなどの条件もあります。Aさん夫妻はいずれも満たしていました。

原因は、請求のときに妻を加給年金の対象として申し立てていなかったことでした。

年金請求書には、配偶者の氏名や生年月日、生計を同じくしているかどうかを書き込む欄があります。ご主人は「妻はまだ年金を受け取っていないのだから関係ないだろう」と考えていました。その結果、妻を加給年金の対象者として申し立てないまま請求していたのです。

ねんきん定期便には書かれていない

Aさん夫妻が目安にしていた定期便には、そもそも加給年金が載っていません。

ねんきん定期便の見込額は、本人の年金の加入記録などをもとに計算されます。配偶者がいることを前提とした加給年金は、原則として含まれません。

つまり定期便の見込みどおりの年金額であっても、それが受け取れるはずの額とは限りません。

そして加給年金は、要件を満たしていれば自動で付くものではありません。日本年金機構も「加給年金額加算のためには、届出が必要です」と案内しています。定期便に載っていないうえに、届け出なければ加算されない。二重に見落としやすい仕組みなのです。

Aさん夫妻は、年金事務所から案内された書類をそろえて届出をし、加算を受けられることになりました。ただし年金を受け取る権利は原則5年で時効になります。気づくのが遅れると、さかのぼれない部分が出てくることがあります。

請求のときに、家族のことまで申告する

ただし、届け出れば必ず加算されるわけではありません。配偶者自身が、原則として20年以上の加入期間に基づく老齢厚生年金などを受け取る権利を得た場合、加給年金は停止されます。基準になるのは権利の有無です。配偶者が働いているために配偶者自身の年金が止まっていても、ご主人の加給年金は止まります。配偶者が障害年金を受けられる間も停止されます。

加算が続くのも、配偶者が65歳になるまでです。

だからこそ、請求のときが大事になります。配偶者の氏名や生年月日、収入まで含めて申告することで、受け取れるはずの加算につながります。請求前に一度、年金事務所で確認しておくと安心です。


執筆・監修:中川 佳人
金融機関勤務の現役マネージャー。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。20年にわたり、資産形成や家計管理・住宅ローンなどの実務に携わってきた経験を活かし、記事の監修や執筆を行っている。専門的な内容を、誰にでもわかりやすく伝えることをモットーとしている。

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