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「うちは火災保険で直したのよ」台風で壊れた“雨どい”を5万円で修理した60代女性、ご近所の一言で気づいた“痛恨の見落とし”

  • 2026.8.12
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは。FPの柴田です。

ご自宅の火災保険を「火事以外」で確認したことはありますか。実は火災保険は風災なども補償対象に含まれていることが多いのですが、その仕組みを知らないまま自費で修繕されているケースが見受けられます。

今回は、その取りこぼしに3年後に気づいた60代のAさんのお話をご紹介します。

台風の後、自費で修理したAさん

Aさん(60代女性)の家は、数年前の台風で雨どいが外れ、カーポートの屋根の一部も飛ばされました。

Aさんは近所の工務店に頼んで修理し、費用はおよそ5万円。「自然災害だから仕方ない」と自費で払いました。

当時、契約している火災保険の利用は念頭になかったそうです。

3年後、ご近所との会話で知った事実

転機は、ご近所との会話でした。

友人が「うちは台風の屋根修理、火災保険で直したのよ」と言うのを聞いて、Aさんは驚かれたといいます。

その後、私のところへ保険証券を持ってご相談に来られました。確認したところ、Aさんの火災保険には「風災補償」が付帯していました。台風による雨どいやカーポートの破損は、契約内容や損害状況の条件を満たせば補償対象となる場合があります。

しかし、保険金の請求権には保険法による3年の時効(消滅時効)があります。Aさんの修繕はすでに3年を過ぎていたため、請求手続きを行うことはできませんでした。事前に補償内容を確認していれば、審査次第で保険金が支払われていた可能性があった事例です。

補償内容と条件の確認が重要

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

火災保険は「火災」という名称がついているため誤解されやすいのですが、多くの契約では台風などによる「風災」をはじめ、雹(ひょう)や雪、水漏れなども補償範囲に含まれています。 ただし、申請すれば必ず支払われるわけではなく、以下の点に留意が必要です。

  • 原因の特定と審査:補償対象となるのは「自然災害が原因の損害」です。経年劣化による破損は対象外となるため、被害直後の写真や修理業者の見積書など、原因を証明する資料が必要となります。
  • 免責金額(自己負担額)の確認:契約によっては「損害額が20万円以上でなければ支払われない(フランチャイズ方式)」といった条件や、一定の自己負担額が設定されている場合があり、少額の修理費では補償されないケースもあります。
  • 保険料への影響:火災保険には自動車保険のような等級制度がないため、給付を受けても翌年の保険料が上がるわけではありません。適切な補償を受ける権利はありますが、支給の可否は保険会社の審査に基づいて判断されます。

「保険で無料で直せる」勧誘には注意

火災保険に関して、注意しておきたいことがあります。火災保険の補償範囲の広さを背景としたトラブルも増えています。

「火災保険を使えば実質無料で修理できる」とアプローチしてくる申請代行業者とのトラブルについて、独立行政法人国民生活センターなども注意喚起を行っています。

高額な手数料を請求されたり、経年劣化を災害と偽って申請させられる(不正受給に加担させられる)リスクがあるため注意が必要です。請求手続きは、加入者自身が契約中の保険会社や代理店へ直接連絡して進めることが原則です。

被害発生前後の事前確認と適切な手続き

Aさんはその後、保険証券の補償内容を紙に書き出して、保険会社の連絡先と一緒に冷蔵庫に貼ったそうです。台風や荒天の後は、まず保険証券で風災補償の有無や免責金額などの契約内容を確認することが大切です。

また、過去3年以内に発生した災害による破損があれば、時効を迎える前に保険会社や代理店へ相談してみるとよいでしょう。 Aさんはその後、ご自身の保険の補償内容や免責条件をメモに残し、保険会社の連絡先と一緒に保管されているそうです。万が一の際は、修繕前に写真を撮影し、まずは保険会社や代理店へ相談することをお勧めします。


執筆・監修:柴田 充輝
厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。FP1級と社会保険労務士資格を活かして、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に、これまで1,200記事以上の執筆実績あり。

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