1. トップ
  2. ビジネス・マネー
  3. 大3娘のバイト代が“年145万円”に→「扶養から外れて税金が上がる」青ざめた50代母…しかし、税務署に聞いた“予想外の事実”

大3娘のバイト代が“年145万円”に→「扶養から外れて税金が上がる」青ざめた50代母…しかし、税務署に聞いた“予想外の事実”

  • 2026.8.28
undefined
出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。金融機関でマネージャーを務めながら、家計のご相談に日々向き合っている中川です。

今回ご紹介するのは、大学生の娘さんのアルバイト代が年145万円になりそうだと知った50代Aさんの体験談です。「130万円を超えたら扶養から外れる」と青ざめましたが、税金も社会保険も、扶養の基準が変わっていました。

2026年分から何が変わったのか、Aさんの経験をもとに見ていきましょう。

「130万円を超えたら扶養から外れる」

大学3年生の娘さん(20歳)が、夏休みにアルバイトを増やしたいと言い出しました。

シフト表を見せてもらったAさんが計算してみると、このペースでは年間のアルバイト代が145万円ほどになりそうです。

「130万円を超えたら扶養から外れるでしょう。うちの税金が上がるわよ」

Aさんの頭には、以前に聞いた「130万円の壁」という数字が残っていました。

19歳以上23歳未満の子は「特定扶養親族」に該当すれば、親は63万円の所得控除を受けられます。この控除がなくなれば、親の税負担は増えるのです。

2026年分から扶養の基準が変わっていた

undefined
出典元:photoAC(※画像はイメージです)

不安になって税務署に問い合わせたAさんは、扶養を判定する基準が変わっていたことを知ります。

令和8年度の税制改正で、給与所得控除の最低保障額が65万円から74万円に引き上げられました。あわせて、扶養親族の所得要件も58万円以下から62万円以下に緩和されています。令和8年12月1日に施行され、令和8年分以後の所得税に適用されます。

給与収入でいえば、特定扶養親族に該当するのは136万円以下までです。娘さんの145万円はこれを超えるため、特定扶養親族からは外れます。

ただし、それだけで控除がゼロになるわけではありません。

娘の年収159万円までなら親の控除額は63万円

undefined
出典元:photoAC(※画像はイメージです)

2025年に創設された「特定親族特別控除」という制度があります。

19歳以上23歳未満の親族について、合計所得金額が62万円超123万円以下であれば、親が控除を受けられる仕組みです。給与収入にすると、136万円超197万円以下にあたります。

このうち合計所得金額が85万円以下、給与収入でいえば159万円以下なら、控除額は特定扶養控除と同じ63万円です。159万円を超えても、197万円までは収入に応じて控除額が段階的に減っていきます。

娘さんの年収145万円なら、給与所得控除74万円を差し引いた合計所得金額は71万円です。そのため、Aさんは63万円の控除をそのまま受けられ、税負担も変わりませんでした。

社会保険は「150万円未満」

もうひとつAさんが確認したのが、健康保険の扶養です。税金とは別の制度なので、扶養に入れるかどうかの基準も異なります。

2025年(令和7年)10月1日以降、19歳以上23歳未満の人については、被扶養者として認定される年間収入の要件が「130万円未満」から「150万円未満」に引き上げられました。娘さんの年間収入の見込みが145万円であれば、この収入要件は満たします。

ただし、健康保険の「年間収入」は、税金の給与収入とは考え方が異なります。原則として今後1年間の収入見込みをもとに判定されるため、税金の申告額だけでは判断できないことがあります。

また、150万円未満なら必ず扶養に入れるわけではありません。
以下に当てはまる場合は、お子さん自身が勤務先の社会保険に加入することがあり、被扶養者にはなれないため注意しましょう。

  • お子さんが休学中や夜間部・通信制の学生で、勤務時間など一定の要件を満たす場合
  • お子さんが勤務先で正社員の4分の3以上の時間・日数を働く場合
  • 親によって生計を維持されていると認められない場合

年末までの収入見込みを確認しておく

税金の控除を受けるには、必要な手続きも忘れないようにしましょう。年末調整の申告書に必要事項を記入して申告します。年末調整で申告し忘れた場合でも、確定申告などで対応できますが、その分手間がかかります。

「130万円を超えたら扶養から外れる」と思い込んでいると、必要以上にアルバイトを抑えてしまうかもしれません。税金と社会保険では扶養の基準が異なり、その基準自体も変わっています。年末が近づいてから慌てないよう、娘さんの12月までの収入見込みを早めに確認し、それぞれの制度に当てはめて考えてみましょう。


執筆・監修:中川 佳人
金融機関勤務の現役マネージャー。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。20年にわたり、資産形成や家計管理・住宅ローンなどの実務に携わってきた経験を活かし、記事の監修や執筆を行っている。専門的な内容を、誰にでもわかりやすく伝えることをモットーとしている。

の記事をもっとみる

注目コンテンツ