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『退職金1,800万円』を受け取った60代夫婦→「銀行に預けておけば安全」預金に回すが…後日、二人を直撃した“想定外の事態”

  • 2026.8.12
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。金融機関でマネージャーを務めながら、家計のご相談に日々向き合っている中川です。

今回ご紹介するのは、ご主人の退職金1,800万円を1つの銀行にまとめて預けた60代のAさんご夫妻の体験談です。金利上昇のニュースをきっかけに調べるうち、万一のときに保護されるのは元本1,000万円までと知ります。預金保険制度の中身を、ご夫妻の経験からご紹介します。

「銀行に預けておけば安全」と思っていた

Aさんご夫妻は60代です。ご主人が定年を迎え、受け取った退職金1,800万円を、長年給与の振込に使ってきた銀行の定期預金にまとめて預けました。

投資には慣れていません。「元本が減らないほうがいい」という考えから、預金として持つことにしました。

「銀行に預けておけば、いくらでも全額守られる」。ご夫妻はそう思っていたのです。

金利を調べていて、別の仕組みに行き当たった

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

きっかけは金利のニュースでした。ネット銀行のほうが金利が高いと知り、預け替えを検討し始めます。

いくつかの銀行を比べるうち、どのサイトにも書かれている「預金保険制度」という言葉が目に留まりました。

万一その金融機関が破綻した場合に保護されるのは、1つの金融機関につき預金者1人あたり、元本1,000万円までとその利息まで。同じ銀行に複数の口座があっても、名寄せといって合算されたうえで判定されます。

1,800万円をひとつの銀行にまとめていたご夫妻は、800万円分が保護の枠を超えていたことになります。

超えた分がすぐに消えるわけではない

ここで慌てなくてよいのは、1,000万円を超えた部分がそのまま失われるわけではないという点です。

超過分は、破綻した金融機関の財産の状況に応じて支払われます。全額が戻る場合もあれば、一部にとどまる場合もあり、支払いまでに時間がかかることもあります。

なお、利息のつかない普通預金や当座預金など「決済用預金」は全額が保護されます。無利息・要求払い・決済サービスが提供できることという3つの条件を満たすものが該当します。

銀行を分けて、枠の中に収める

ご夫妻が選んだのは、預け先の銀行を分けるという方法でした。

ご主人の名義のまま、複数の金融機関に1,000万円以内ずつ預け替えることで、1,800万円すべてを保護の枠に収められます。金利の高いネット銀行も預金保険の対象ですから、高い金利の預金に預けかえしながら安全性も確保できました。

気をつけたいのは、家族の名義に分ける方法です。名義を借りただけの預金は、保護の対象外と判断される可能性があります。家族の名義で預けられるのは、もともとその方自身のお金である場合や、贈与が成立してその方の財産になった場合です。贈与には贈与税がかかることがありますので、移す前に確認してください。

まとまったお金が入ったときは、金利だけでなく「1つの銀行にいくら置いているか」も確かめてみてください。


執筆・監修:中川 佳人
金融機関勤務の現役マネージャー。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。20年にわたり、資産形成や家計管理・住宅ローンなどの実務に携わってきた経験を活かし、記事の監修や執筆を行っている。専門的な内容を、誰にでもわかりやすく伝えることをモットーとしている。

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