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「手取りが減る」“月収8.5万円”でシフト調節していた50代パート主婦→後日、判明した“2026年10月の改正”に「知らなかった…」

  • 2026.8.15
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。金融機関でマネージャーを務めながら、家計のご相談に日々向き合っている中川です。

パート収入が月88,000円(年収で約106万円)を超えると、社会保険に加入することになります。いわゆる106万円の壁です。今回ご紹介するのは、この壁を超えないようシフトを抑えてきた50代のAさんの体験談です。2026年10月にこの基準そのものがなくなると知り、働き方が変わっていく経緯をご紹介します。

「88,000円は超えないように」と思っていた

Aさんは50代のパート従業員です。お子さまが独立し、週に18時間ほど働いています。

昨年の秋に最低賃金が引き上げられて時給が見直され、月の収入はおよそ85,000円になりました。

勤め先は、厚生年金の被保険者が51人以上いる会社です。同僚から「月88,000円を超えると手取りが減る」と聞き、Aさんはシフトを増やさないようにしてきました。

「あと数千円で超えてしまう。働きたいけれど、我慢するしかない」。Aさんはそう考えていたのです。

2026年10月から、賃金の条件がなくなる予定

パートやアルバイトが社会保険に加入する条件は、現在は「週の所定労働時間が20時間以上」「月額賃金88,000円以上」「2ヶ月を超えて働く見込み」「学生でない」の4つと、勤め先の厚生年金被保険者が51人以上であることです。

ところが2025年に成立した年金制度改正法により、このうち「月額賃金88,000円以上」が2026年10月から撤廃される予定です。

最低賃金の引き上げが続き、週20時間以上働けば賃金の条件はほとんど自動的に満たすようになったためです。撤廃後の判定は、働く時間が中心になります。

ここでAさんが気づいたことがあります。加入するには、金額と労働時間の両方の条件を満たす必要があるという点です。

週18時間のAさんは、そもそも時間の条件を満たしていません。金額を抑えるまでもなく、対象から外れていたのです。

10月に金額の条件がなくなれば、Aさんが加入するかどうかは、週20時間以上働くかどうかで決まります。

こうした制度の仕組みや2026年の改正について解説したところ、Aさんは「えっ、そうだったんですか! 全く知らなかったです…」と大変驚かれていました。

「月88,000円」という金額の条件ばかりに気を取られていましたが、加入には「週20時間以上」という時間の条件も満たす必要があります。週18時間勤務のAさんは、金額を抑えるまでもなく、もともと対象外だったのです。

「手取りが減るかもという恐怖感だけでシフトを抑えていましたが、制度を正しく知ることができてスッキリしました。本当はもっと働きたかったので、これを機に自分の働き方を前向きに見直してみます」と、Aさんは晴れやかな表情でお話ししてくださいました。

10月に金額の条件がなくなれば、Aさんが加入するかどうかは純粋に「週20時間以上働くかどうか」で決まることになります。

手取りは減るが、増えるものもある

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

では、週20時間以上に増やすとどうなるのでしょうか。

Aさんの時給で週20時間働くと、月の収入はおよそ95,000円です。標準報酬月額は98,000円となり、厚生年金保険料の本人負担は月8,967円(98,000円×9.15%。保険料率18.3%を会社と半分ずつ負担します)。これに、加入する健康保険の保険料が加わります。

一方で、将来受け取る年金は増えます。標準報酬月額98,000円で10年間働けば、老齢厚生年金はおよそ年64,000円増える計算です(98,000円×5.481÷1,000×120ヶ月)。

病気やけがで働けないときの傷病手当金など、健康保険から受けられる給付が増えることも見落とせません。

収入ではなく、働く時間で考える

これまでは「88,000円を超えないように」と収入を抑える働き方が広く見られました。

賃金の条件がなくなれば、収入をいくらに抑えるかではなく、週に何時間働くかを考えることになります。

ただし、勤め先の規模による条件は残ります。厚生年金の被保険者が50人以下の会社では、当面は対象にならない場合があります(2027年10月からは36人以上の会社に広がる予定です)。

ご自身の勤め先の規模と週の労働時間を確認したうえで、目先の手取りと将来の給付のどちらを優先するかを考えてみましょう。


執筆・監修:中川 佳人
金融機関勤務の現役マネージャー。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。20年にわたり、資産形成や家計管理・住宅ローンなどの実務に携わってきた経験を活かし、記事の監修や執筆を行っている。専門的な内容を、誰にでもわかりやすく伝えることをモットーとしている。

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