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親から“1,000万円の援助”をもらって住宅購入→「非課税だから申告はいらない」と思いきや…30代夫婦が犯していた“痛恨のミス”

  • 2026.9.10
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは、マネーシップス代表 ファイナンシャルプランナー/IFAの石坂です。

マイホームを買うとき、親から資金援助を受ける人もいます。

一定の条件を満たせば、住宅購入のためにもらったお金について、省エネ等住宅なら最大1,000万円、それ以外の住宅なら最大500万円まで贈与税がかからない制度があります。

ただし、「1,000万円以内なら何もしなくても非課税」と考えるのは注意が必要です。

この制度を使うには、住宅などの条件を満たすだけでなく、決められた期限までに贈与税の申告をする必要があるからです。

今回は、「非課税だから申告はいらない」と思っていた30代夫婦の事例から、見落としやすいポイントを見ていきます。

「1,000万円までなら大丈夫」4,800万円の住宅を購入したOさん夫婦

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

3,800万円を住宅ローンで借り、残りの1,000万円はOさんの父から援助してもらうことになったそうです。父からの援助だけで住宅価格の約21%をまかなえる計算です。Oさん夫婦にとって、借入額を1,000万円抑えられるのは大きな助けでした。

購入した住宅は、省エネ等住宅として制度で定められた性能基準を満たしており、必要な証明書類も用意できる住宅でした。

Oさんは以前、「省エネ等住宅なら、親から1,000万円まで住宅資金をもらっても贈与税がかからない」という情報を目にしていました。そのため、「うちは対象の住宅だし、援助も1,000万円ちょうど。それなら大丈夫だろう」と安心していたそうです。

父から受け取った1,000万円は、そのまま住宅の購入代金に使いました。

その後は、住宅ローンの手続きや引っ越し、家具や家電の購入などで忙しい日が続きます。年が明けても、Oさんは贈与税の申告をしませんでした。

「そもそも税金がかからないのだから、申告もしなくていいだろう」そう考えていたからです。そして、そのまま申告期限を過ぎてしまったのです。

ところが翌年4月、住宅ローンの返済や今後の教育費についてFPへ相談したときのことです。家計について話すなかで、Oさんが何気なく「頭金には父からもらった1,000万円も使いました」と伝えました。

するとFPから、贈与税の申告について聞かれます。Oさんが、「申告はしていません。1,000万円まで非課税ですよね?」と答えると、思ってもいなかった言葉が返ってきました。「住宅資金の非課税制度は、条件を満たしていれば自動的に使えるわけではありません。期限内の申告が必要です」

Oさんは驚きました。「えっ、税金がかからなくても申告が必要なんですか」「対象の住宅を買えば、そのまま非課税になると思っていました……」

Oさん夫婦が安心していた「1,000万円まで非課税」という言葉。その裏には、見落としていた大切な手続きがあったのです。

※事例は制度を分かりやすく説明するため、一部内容を調整しています。

「税金がかからない=申告しなくていい」ではない

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

住宅取得等資金の非課税制度を利用するには、原則として贈与を受けた翌年の2月1日から3月15日までに、贈与税の申告書と必要書類を提出します。

ここで大切なのは、特例を使った結果、贈与税が0円になる場合でも申告が必要という点です。原則として、期限を過ぎてから申告しても、この非課税制度は利用できません。

では、Oさんが制度を使えなかった場合、どのくらい贈与税がかかるのでしょうか。父から受け取った1,000万円について、同じ年にほかの贈与がなかったとして、通常の暦年課税で計算してみます。

まず、年間110万円の基礎控除を差し引きます。

1,000万円-110万円=890万円

この890万円が、贈与税を計算するもとになる金額です。

Oさんが贈与を受けた年の1月1日時点で18歳以上で、自分の父から贈与を受けた場合は特例税率が使われます。

このケースでは、

890万円×30%-90万円=177万円

となります。

177万円は、父から受け取った1,000万円の約18%です。

「1,000万円をそのまま住宅購入に使える」と思っていたのに、申告を忘れたことで100万円を超える贈与税が発生する可能性があるのです。さらに、期限後の申告では加算税が、納付が遅れた場合には延滞税がかかることもあります。

「1,000万円まで非課税」という金額だけを見て安心するのは注意が必要です。

「いくらまで非課税?」だけで終わらせない

住宅資金の贈与では、非課税になる金額だけでなく、「誰から誰へ贈与するのか」も大切です。

Oさんのように自分の父から本人が受け取る場合は対象になり得ます。一方、たとえば夫の父から妻が直接お金を受け取った場合、妻にとって夫の父は自分の父母や祖父母ではないため、原則としてこの制度は使えません。

さらに、贈与を受ける人の年齢や所得、住宅の広さや性能、住宅購入にお金を使う時期、入居する時期などにも条件があります。

マイホーム購入では、住宅価格やローン返済に意識が向き、贈与の手続きまで気が回らないこともあります。

親から住宅資金の援助を受ける予定があるなら、「いくらまで非課税になるか」だけでなく、「自分は対象か」「いつまでに申告するのか」まで、贈与を受ける前に整理しておくことが大切です。


執筆・監修:石坂貴史
証券会社IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー・証券外務員)、マネーシップス代表。累計1,200件以上の相談対応に加え、金融記事の制作・校正・監修の対応を行っています。専門は「金融・経済、不動産、保険、相続、税制」。資産運用やライフプラン設計では、分散投資の考え方と人の心理を踏まえた行動設計をもとにサポートしています。
保有資格:証券外務員一種、2級FP技能士、AFP、NISA取引アドバイザー、日本証券アナリスト協会認定 資産形成コンサルタント、金融リテラシー検定

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