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「問題ないと思っていた…」孫の口座に“教育費500万円”を送金した70代祖父、翌年の贈与税申告で“青ざめたワケ”【FPは見た】

  • 2026.8.13
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは、マネーシップス代表 ファイナンシャルプランナー/IFAの石坂です。

「孫の大学費用くらいは、自分が出してあげたい」

そんな気持ちから、学費を援助する祖父母もいるでしょう。しかも、「教育費なら贈与税はかからない」と聞いたことがあれば、「4年間で使うのだから、最初にまとめて渡しておけば安心」と考えてしまっても不思議ではありません。

ところが、ここに見落としやすい注意点があります。今回の事例では、72歳の祖父が大学へ進学した孫のために500万円を用意しました。本人は「全部、大学のためのお金」と安心していましたが、翌年、FPから思いがけない説明を受けます。

良かれと思って先に渡した500万円。いったい、どこに問題があったのでしょうか。

「4年分を先に渡せば安心」72歳祖父が孫へ500万円を送金

72歳のTさん(仮名)の孫は、19歳で大学へ進学しました。

合格の知らせを聞いたTさんは、とても喜んだそうです。その一方で、すぐに気になったのがこれからの大学費用でした。

入学金や授業料だけでなく、教材やパソコン、通学などにもお金がかかります。息子夫婦には住宅ローンの返済もあり、これから大学費用まで加われば家計の負担は軽くありません。

「自分にはまだ余裕がある。孫がお金の心配をせず大学へ通えるようにしてあげたい」

そう考えたTさんは、必要になりそうな金額を計算しました。

初年度は、入学金25万円、授業料100万円。そのほか教材やパソコン、通学などに必要となる費用も含め、約150万円を見込みました。さらに、2年目以降も授業料などで年間100万円前後は必要になりそうです。

そこでTさんが準備したのが、4年間で500万円でした。ただ、500万円という金額を前にして、ひとつ気になったことがあります。

「これだけ孫に渡したら、贈与税がかかるのでは?」

それでも、Tさんには以前聞いた言葉が残っていました。

「教育費だから贈与税はかからない」

もちろん、500万円を孫の好きなように使わせるつもりはありません。旅行や買い物のためでもなく、最初から大学生活に使うためのお金です。

「どうせ4年間で必要になる。それなら今まとめて渡しておけば、息子夫婦も安心できるだろう」

そう考え、Tさんは大学入学のタイミングで500万円を孫名義の口座へ振り込みました。

大学生活が始まると、孫はその口座から入学金や授業料などを支払っていきます。その年に使った金額は約150万円でした。年末時点で口座に残っていたのは、約350万円です。

しかし、Tさんにとって350万円は「余ったお金」ではありませんでした。

「来年も再来年も授業料はかかる。これは残金ではなく、これから使う学費だ」

そう考えていたからです。孫が自由に使う予定もありません。むしろ、「4年間の学費を先に確保できた。これでひと安心だ」と感じていたそうです。

ところが翌年、贈与税の申告時期が近づいたころ。Tさんは相続についてFPへ相談し、その中で前年に孫へ500万円を振り込んだことを話しました。

すると、FPからこう説明されました。

「教育に使うお金でも、数年先の分までまとめて渡している場合は注意が必要です」

Tさんは思わず聞き返しました。

「でも、残っている350万円も全部これからの学費ですよ?」

ここまで読むと、「大学に使うことが決まっているなら、それでいいのでは?」と思う人もいるでしょう。

Tさんも、まさにそう考えていました。使った150万円も、残った350万円も、すべて同じ「大学費用」という感覚だったのです。ところが、税金の扱いでは、「将来教育に使う予定」という目的だけで判断するわけではありません。

必要になったときに受け取り、そのまま教育費へ使ったかどうかも重要になります。

つまり、大学4年間で500万円を使う予定があっても、まだ使われず孫の口座に残っているお金まで、当然に非課税になるわけではないのです。

「教育費なら問題ないと思っていたのに」

孫のためを思って先回りしたことが、思わぬ注意点になりました。

「将来の学費」でも安心できない 見るべきは渡した時期

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

父母や祖父母などの扶養義務者が負担する教育費は、通常必要と認められる範囲であれば、贈与税がかからない場合があります。

ただし、重要なのは必要になった時点で負担することです。数年先に使う分まで先に渡し、教育費として使われないまま預貯金になっている部分は、原則として贈与税の課税対象になります。

たとえば、授業料の支払時期ごとに祖父母が負担したり、そのとき必要な金額を孫へ渡したりする方法が考えられます。また、暦年課税には年間110万円の基礎控除があります。ただし、祖父一人につき110万円という意味ではありません。通常必要な教育費として非課税となるものとは分け、暦年課税の対象となる贈与について、その年に孫が受けた金額を合計して判断します。

「教育費だから大丈夫」の前に、渡し方を考える

孫の大学費用を祖父母が援助すること自体が問題なのではありません。

注意したいのは、「教育目的なら、4年分をまとめて渡しても同じ」と思い込んでしまうことです。金融機関を通じて利用する「教育資金の一括贈与に係る非課税措置」は、新たに適用を受けられる期間が2026年3月31日で終了しました。期限までに適用を受けた契約については、その後も制度が続きます。

この特例と、通常の教育費を必要な都度負担する場合の非課税は別の考え方です。孫のために500万円を用意できるとしても、大切なのは「いくら出せるか」だけではありません。授業料はいつ必要になるのか。その時点でいくら負担するのか。誰がどのように支払うのか。先に全部渡して安心する前に、こうした点まで整理しておくことが大切です。

せっかく孫のために準備したお金だからこそ、「教育費だから大丈夫」という思い込みだけで判断しないようにしたいところです。


※事例は制度を分かりやすくお伝えするため、内容の一部を整えています。

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