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揺れのため『シートベルト着用サイン』が消えない機内で…“腹痛を訴える”乗客。大ピンチの事態にCAが取った対応とは…?

  • 2026.9.5
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。大手航空会社で10年間、CAとして勤務しておりましたSAKURAです。

飛行機で「どうしてもトイレに行きたいけれど、シートベルト着用サインが消えない……」と、ソワソワした経験はありませんか?

飛行機において、何よりも優先されるのは「安全」です。

しかし、そんななかでも止められないのが、人間の「生理現象」かと思います。

今回は、悪天候の影響で終始揺れが予想されたあるフライトで、実際に起こったエピソードをご紹介します。

「安全を守るための制止」と「限界を迎えたお客様」の狭間で一刻を争う緊張感に包まれながら、空の上だからこそ直面する判断の難しさとは。

静寂の機内で、突然立ち上がったお客様

それは、地方へ向かう国内線での出来事でした。

その日は悪天候の影響で終始揺れが予想され、離陸後もシートベルト着用サインが消えない可能性があり、そのことは事前にお客様へご案内していました。

そのため、搭乗中から機内のトイレは混み合い、出発前にトイレを済ませておくお客様も多くいらっしゃったのです。

離陸すると、やはりシートベルト着用サインは消えず、時折揺れる機内はシーンと静まり返っていました。

すると突然、一人の男性が立ち上がり、青ざめた表情でトイレへ駆け込もうとされたのです。

揺れによる転倒や怪我を防ぐため、私たちCAはマニュアル通り制止しました。

しかし、お腹を抱えて冷や汗をかき、今にも崩れ落ちそうなお客様の姿を前に、胸が締め付けられました。

ルールによる制止か、お客様への人道的配慮か。

一刻を争う状況のなか、私は急いで機長へと連絡を入れました。

連鎖する「トイレ使用」と、一瞬の隙を狙う「連携」

お客様が離席できるよう機長にインターホンで伝えると、偶然揺れの少ないエリアだったということもあり、2分以内という条件のもと、なんとか離席の許可が下りました。

男性は、間一髪のところでトイレへ駆け込むことができ、指示通りの2分以内に無事に着席されました。

「間に合ってよかった」

そう私たちが安堵したのも束の間。

その様子を見ていた周りのお客様からも「私も行きたい」「我慢していたけど間に合わない」と、次々にトイレ使用のご希望が寄せられたのです。

私たちはその度に機長と密に連絡を取り合い、リアルタイムで状況を確認し続けました。

機長は雲の切れ間や、比較的揺れの少ないエリアに入るわずかなタイミングを逃さず「今ならいけるよ」「次の揺れまで、あと3分」と、次々に判断を下しました。

機内では、一刻を争う緊張感あふれるやり取りが繰り広げられたのでした。

「安全」と「生理現象」の狭間で

結局その便は、到着するまで一度もシートベルト着用サインが消えることはありませんでしたが、機長の的確な判断とチームでの連携により、誰一人怪我することなく、トイレの使用を終えることができました。

飛行機において、何よりも優先すべきは「安全」です。

しかし、今回のようなどうしようもない状況を前にしては、タイミングを読んだ柔軟な対応も必要なのです。

「マニュアル」の先にある、人と人との連携

実は、悪天候のなかで起こるこうしたトイレをめぐるハプニングは、決して珍しいことではありません。

そのため航空会社では、事前のご案内や搭乗時のアナウンスを通じて、出発前のお手洗いのご利用をお願いしたり、揺れに対する注意喚起を丁寧に行ったりするようにしています。

しかし「生理現象」という簡単にはコントロールできない状況は、人と人との連携があってこそ、柔軟に乗り越えていけるものなのだと実感しています。


ライター:SAKURA * 心を読む元国際線CA

日系大手航空会社にて10年間、客室乗務員(CA)として勤務。国内線・国際線を経験し、多種多様なお客様と接する中で「感情を読み解く力」を磨く。客室責任者としてVIP対応や後輩育成に携わる傍ら、社内の人材教育やグループ会社での業務にも携わり、多角的な視点から接客のあり方を見つめてきた。

現在は、その鋭い洞察力を活かし、言葉だけでない、「心理的・物理的アプローチによるクレーム回避術」を発信するライターとして活動中。国内線での細やかな気配りから国際線での難しい状況判断まで、現場での実体験に基づいた「心に届く接客のヒント」を言語化し、接客業にとどまらず、人と人とがよりよい関係を築けるサポートをしている。


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