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ディズニー実写版ヴィランはなぜ愛される? 最低なのに目が離せない悪役10人を追う

  • 2026.7.26
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「憎まれっ子世に憚る」ではないけれど、彼らがいなければ、何かもの足りないディズニーの世界。7月24日(金)からDisney+(ディズニープラス)で独占配信中の『ディセンダント:ウィキッド・ワンダーランド』 では、あの冷酷なハートの女王が優しくなって大混乱。邪悪で大迷惑であってこそ光り輝くヴィランズ。物語を盛り上げる悪者で、一番、恐ろしいのは誰なのか。今回は実写作品限定で、ディズニーの歴代ヴィランたちに注目。サイコパス度、計画性、迷惑度などから極悪非道な10キャラクターを選出し、作品の見どころとともに紹介。

『アラジン』のジャファー

世界規模の迷惑野郎。魔法の力で世界最強になろうとした邪悪でチートな野心家
貧しくも純粋なアラジンと王妃ジャスミンがランプの魔人、ジーニーの助けを借りて、邪悪な魔法使いジャファーから王国を救うため力を合わせて立ち向かう物語。『ディセンダント』ではマレフィセント、クルエラ・ド・ヴィル、女王に並び、主要キャラの親として登場するジャファー。本作(2019)では、得意の催眠術で人々を惑わせ、王になろうと画策するジャファーの長年、積み重ねてきた悪事も暴露。演じるのはマーワン・ケンザリ。北村一輝の吹替版も凶悪でおすすめ。

『ライオン・キング:ムファサ』のキロス

支配欲MAX。武力と冷酷さで他者を踏みにじる絶対的暴君
壮大な自然の中で繰り広げられるライオンたちの切ない出会いと別れをフルCGで描いた「超実写版」の『ライオン・キング:ムファサ』(2024)。シンパの父であるムファサ王の命を奪ったスカーだが、実は元々2匹は兄弟のように仲が良かった。その運命を変えたのが冷徹なキロス。はぐれ者たちを集め、恐怖で支配している暴君で、ムファサを逆恨みし、執拗に2匹を追いかけ回す。迫力の声を披露しているのはマッツ・ミケルセン。劇中、ノリノリで「バイバイ」を歌う場面が忘れられない。

『リトル・マーメイド』のアースラ

王国の乗っ取りと全海洋の支配を目論む、邪悪で狡猾な海の魔女
『人魚姫』がベースの『リトル・マーメイド』(2023)。アースラは王女アリエルの実の叔母だが、野心家で危険な魔法を使い、海の秩序を乱す存在と見なされ、王宮から追放されていた。タコのような八つの足で生み出す魔法の力は強大で、人魚のアリエルに声と引き換えに3日間だけ人間になれる機会を与える。魅力的なアリエルの声で彼女が目論んでいたことは。コメディー俳優のメリッサ・マッカーシーが怪演。ちなみにアニメ『リトル・マーメイド』(1989)のアースラはドラァグクイーンのディヴァインがモデル。

『白雪姫』の女王

自分の美徳と権力欲のために他者の命を奪おうとする自己中心的な冷血漢
レイチェル・ゼグラーが白雪姫に抜擢され、賛否両論を巻き起こした本作(2025)はマーク・ウェブが監督。「魔法の鏡よ。この世で一番美しいのは誰?」と世界的に有名な台詞をハスキーボイスで唱えるのはガル・ガドット。白雪姫の若さ、美しさに嫉妬し、命を狙う。『ワンダーウーマン』など、悪女のイメージがなかった彼女が黒と紫のディズニー・ヴィランズお馴染みのカラーの衣装とメイクで指の先まで女王になりきった姿は貴重。特殊メイクで毒リンゴを持ったおばあさんにも変身。

『美女と野獣』のガストン

一見人気者だが、欲望のために群衆を煽動する自己愛型のどうしようもないファシスト
醜い野獣に姿を変えられた王子とダンスを通じて、愛し愛され、やがて呪いを解くベルの美しいラブストーリー。実写版『美女と野獣』(2017)のベルはエマ・ワトソンを主演に迎え、理知的な女性に進化。彼女にフラれるガストンはセクシーでハンサムながら、自惚れ屋で自分の思い通りにならないとブチ切れるナルシスト。『ロッキー・ホラー・ショー』でブロードウェイ進出したルーク・エヴァンスが抜群の歌唱力で魅せる。ルーク・エヴァンスはロバート・ゼメキス監督の実写版『ピノキオ』ではコーチマン役と実にヴィランがハマる。

『アリス・イン・ワンダーランド』の赤の女王

「首をはねろ!」が口癖。強すぎるコンプレックスが良からぬ方向で大爆発
『不思議の国のアリス』『鏡の国のアリス』の後日談的ストーリーを描いたファンタジーアドベンチャーの本作(2010)。監督はティム・バートン。19歳のアリスが迷い込んだのは独裁者、赤の女王に支配されたワンダーランドだった。巨大な頭の持ち主で残虐な性格の赤の女王役は実際に貴族の血を引くヘレナ・ボナム=カーター。白の女王へのやっかみが諸悪の根源だが、みんなに愛されるいい子ぷりっこのアン・ハサウェイの白の女王より意外と人気が高い。第二弾『アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅』(2016)でもわがまま放題。

『ダンボ』のV・A・ヴァンデヴァー

利益のためなら動物虐待や他者犠牲をいとわない冷酷な資本家
子象のダンボが引き離された母を救うため、サーカス一家の力を借りて、一歩踏み出す成長物語『ダンボ』(2019)。旅回りのサーカス一座は生まれた赤ちゃん象で人気を回復しようとするが、その子は大きすぎる耳を持っていた。ダンボと名付けられた象はやがて耳で飛べるようになる。噂を聞きつけた大富豪ヴァンデヴァーはサーカス団を買収、母象を処分しようと画策する。金儲けにしか興味がない孤独なヴァンデヴァーを『ビートルジュース』『バットマン』シリーズでバートンと組んできた演技派、マイケル・キートンが熱演。

『シンデレラ』の継母、トレメイン夫人

殺人はしないが、日常を地獄に変える陰湿な悪のカタチ
シンデレラことエラの父親と金目当てで再婚、彼女の部屋を実娘のものにし、メイドのように家事を押し付ける継母、トレメイン夫人。世紀の毒親である彼女はエラへのハラスメントだけでなく、実の娘たちをも無理やり、王家に嫁がせようとする。往年の名女優のような美しさと迫力で、問答無用で娘たちを従わせるケイト・ブランシェット演じる継母は、実写版『シンデレラ』(2015) のなかで魔法を使わず、人を操る、恐ろしさの権化。その裏で、シングルマザーとして苦労した経緯やエラに辛く当たる理由など、人間らしい背景も描かれる。

『クルエラ』のクルエラ

実母への復讐を掲げる、義理堅いサイコパス系ダークヒーロー
『101匹わんちゃん』(1961)でダルメシアン犬たちを誘拐し、皮のコートを作ろうとした悪名高いクルエラの若き日を描く本作(2021)。70年代、ロンドン。素行の悪さが原因で学校を退学になったエステラ、後のクルエラは盗みをしながら、デザイナーになろうと決意。カリスマ・デザイナー、バロネスと出会うが……。半黒半白ヘアスタイル、パンク・ファッションのクールなクルエラに扮したのはエマ・ストーン。制作総指揮も担当した。アカデミー賞では衣装デザイン賞に輝き、続編が待たれる。ちなみに『101』(1996)ではグレン・クローズがクルエラ役。

『マレフィセント』のマレフィセント

愛と優しさを取り戻すためなら、悪者にだってなれる
オーロラ姫に呪いをかけたマレフィセントの視点から『眠れる森の美女』を描いたダークファンタジー。大きな角を持つ邪悪な妖精、マレフィセント。彼女はなぜ悪に染まったのか。そこには人間の裏切りと翼を奪われた悲しい過去があった。出っ張った頬骨やスラリとした体型など、アンジーがディズニーの人気ヴィラン、マレフィセントを体現した本作(2014)。彼女の実子、ヴィヴィアンが幼いオーロラを演じるほか、ザハラとパックスもカメオ出演。『マレフィセント2』(2019)でもマレフィセントは不遇。思わず、肩を持ちたくなるほど。

いかがだっただろうか。悪役とひとくくりにすれど、そのかたちは実にさまざま。世界征服を企む独裁者もいれば、嫉妬や虚栄心から罪を重ねる者、巧みな言葉で人を操る策士、日常の中で静かに他者を追い詰める支配者もいる。だからこそディズニーのヴィランズは単なる「悪役」ではなく、それぞれ異なる恐ろしさと人間らしさを併せ持ち、物語に深みを与えてきた。新作『ディセンダント:ウィキッド・ワンダーランド』では、そんな悪役=名脇役たちの新たな一面にもぜひ注目してみてはどうだろう。

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