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「スーパーで3時に、見かけたよ」健康相談会に来る男性。だが、近すぎる距離に感じた本音

  • 2026.7.28

相談会の常連さん

私は、ある自治体で働くパート職員です。

月に一度、市民の方に向けた健康相談の会を開いています。

その会に、必ず顔を出す男性がいます。

六十代の後半くらいでしょうか。

健康の話がとにかく好きで、職員に知識を披露するのを、何よりの楽しみにしている方です。

新聞の切り抜きを丁寧にまとめた分厚い資料を、毎回どっさり持ってこられます。

そして、こちらが頼んでもいないのに、受付にそっと積んでいくのです。

「職員のみなさんで共有しておいてね。返すのは来月でいいから」

断る間もありません。

市民の方ですから、無下にもできず、私たちはいつも笑顔で受け取っています。

名指しで呼ばれて

やっかいなのは、その次です。

会にいらっしゃると、気に入った職員をひとり、名前で呼びつけるのです。

「あの資料、ちゃんと目を通してくれた?どう思った?」

感想を求められて、私はいつも言葉を選びます。

当たり障りのない相づちで、その場をやり過ごすしかないのです。

ある日のことでした。会が終わりかけたころ、その方が、ふいにこう言ったのです。

「スーパーで3時に、見かけたよ」

返す言葉に詰まりました。

たしかにその日の午後三時ごろ、私は近所のスーパーにいました。けれど、そんな話を、この方にした覚えはないのです。

割り切れないまま

あとで同僚に聞くと、同じようなことを言われた人が、何人もいました。

「コンビニで何を買っていたね」と、買った物まで言い当てられた職員もいたのです。

いつ、どこで、私たちを見ているのか。その姿に気づいた人は、ひとりもいませんでした。

職員のあいだでは、少し困った方、という受け止めになっています。

悪い人ではありません。ただ、こちらの暮らしの中にまで、するりと入り込んでくるのです。

話しかけてくるときの、あの親しげな笑顔が、かえって胸に引っかかりました。

それでも、相手は大切な市民の方です。表立って距離を置くこともできず、私は今日も、当たり障りのない笑顔を返しています。

次の相談会でも、あの方はきっと資料を置き、私の名前を呼ぶのでしょう。そしてまた、私の知らないところで見た私の一日を、そっと口にするのかもしれません。

どう扱えばいいのか、答えは出ません。ただ薄い気味の悪さだけが、胸の底に、静かに残り続けています。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、50代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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