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男子プロがかかった“悪夢のようなイップス”とは?対応策も解説

  • 2026.7.26

”イップス”は「自分はならない」と思っていませんか?決して他人事ではなく、ゴルファーなら誰でもかかる。しかもゴルフを一生懸命やるほどかかりやすいんです!

なぜイップスにかかるのか、どんな症状が現れ、どうやって克服するのか。

それを事前に知ることが、イップス予防の最善策になります。

ティーイングエリアが”四角いジャングル”に思えた

スタートできない悪夢まで見た

私のイップスはティーショットイップスで、最初はドライバーだけでしたが、そのうちパー3でアイアンをティーアップしてもダメになりました。ティーイングエリアに入るのが本当に嫌でしたね。緊張で手が震えてしまって、ドライバーのティーの高さの調整もできない。ツアープロとしてのキャリアの終盤は、置くだけで高さが変わらないティーを使っていました。

トーナメントでは、ティーイングエリアのうしろにスポンサーの看板がありますよね。バックスイングすると、そこにクラブが当たってしまって、いつまでたってもボールを打つことができない、という悪夢を見たこともあります。永遠にティーオフできない怖さで、目が覚めるんです。

ティーショットするのが怖すぎて、ティーイングエリアのことを”四角いジャングル”と呼んでいました。本当に決闘場や処刑場に向かうような感覚だったのです。

試合中、無意識でボールを拾ってしまった

ドライバーを打つと、打球ははるか右に飛び出し、さらに右に曲がっていきます。イップスの選手のなかには、左右にボールが散らばる選手もいますが、私は右だけで、左には絶対に行かない。プロですから、ボールを左に打つことなど造作もないはずが、それがまったくできないのです。

試合中にボールを無意識に拾ってしまったこともあります。1打目がOB、打ち直しの3打目も5打目もOB。7打目が隣のホールまでいって、それをグリーン手前まで戻して、ほかの選手がアプローチして、私の順番が回ってきたときに、さっとボールを拾ってしまった。その瞬間、我に返りましたがもう遅く、そのまま途中棄権。そのくらい心身がバラバラで混乱した状態でした。

やわらかく軽いドライバーが合う

それから10年くらいあとの話ですが、クラブメーカーの人が「だまされたと思って、これを打ってみてください」とドライバーをもってきました。スペックも見も聞きもせず、何も考えずに打ったら、真っすぐ飛ぶんですよね。しかも、インパクトでボールがフェースの芯に当たり、グッと潰れる感じを久々に感じました。そのときに、今まで思い詰めていたものが一瞬ふっと軽くなって、振り方をずっと試行錯誤していた感覚が薄くなっていったんです。

そのクラブは、じつは軽くてシャフトもやわらかいものでした。イップスの人にアドバイスをするとしたら、クラブはやさしいものを使ったほうがいい。治りはしないかもしれないけど、なんとなくうまく付き合えるようになると思います。

最近はミニドラライバーも使っていますが、あれはめちゃくちゃいいですね。すごくやさしくて、現役のころも使いたかった。もっと早く作ってほしかったですよ(笑)

ミニドライバーにもっと早く出会いたかった

男子プロがかかった“悪夢のようなイップス”とは?対応策も解説
「はじめてミニドラを見て、打ったとき、イップスの俺にはこれだよ! と思いました」(神山)

Lesson

男子プロがかかった“悪夢のようなイップス”とは?対応策も解説
左足を踏み込むこれまでのスイングでは、振り遅れやすくなってしまう

インパクト前後から左足を引く

インパクト前後から、左足をうしろに引く。大型ヘッドのドライバーでも振り遅れにくく、イップスにかかった多くのツアープロも採用している打ち方。

いかがでしたか。イップスで悩んだときは、神山プロの言葉を参考にしてみてください。

解説=神山隆志
●かみやま・たかし/1973年生まれ、東京都出身。プロ入り7年目の2004年、「JCBクラシック」で初優勝し、賞金ランキングも8位とブレイクを果たす。2000年代後半から、深刻なティーショットイップスに陥る。現在は競技からは離れ、日神グループホールディングスの代表取締役社長を務める。

構成=コヤマカズヒロ
写真=田中宏幸

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