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電車でくしゃみを続けた女子高生に、隣の男子が渡した物

  • 2026.7.26
ハウコレ

目の前の女子高生の様子に、周りの乗客は困った顔をしていました。年配の女性の注意も聞き流されたあと、隣の男子高校生が動きます。

雨で混み合う車内で、女子高生は口元を覆わないまま、こちらを向いて何度もくしゃみをしていました。

年配の女性からの一言

乗り合わせていたのは、隣の友人と一緒にスマホの画面を覗き込んで笑っている当人と、すぐ近くの席に座っていた年配の女性、それに私を含む何十人もの乗客でした。3度目のくしゃみのあと、年配の女性がゆっくり立ち上がり、「口、押さえた方がいいわよ」と声をかけました。落ち着いた、はっきりとした声でした。

返ってきたのは「はあ?」だけ

女子高生の返事は、聞き間違いを疑うほど短いものでした。「はあ?」と一言だけ返して、彼女は隣の友人のスマホに顔を戻しました。2人でその画面を覗き込んで、何か言い合っては笑いあっています。年配の女性は返事を待たずに席に座り直しました。車内の空気だけが重くなっていくのがわかりました。

隣の男子高校生の一手

4度目のくしゃみのあと、女子高生のすぐ隣に立っていた学ラン姿の男子高校生が、背負っていたリュックのポケットに手を伸ばしました。取り出したのは、ビニールに包まれたままの、新品のマスクでした。彼はそれを両手で持ち、「よかったら、これ使ってください」と落ち着いた声で言いました。

そして...

女子高生はマスクを両手で受け取り、うつむいたまま袋を握りしめていました。頬まで赤くなっているのが、離れた場所からでも見てとれます。次の駅が近づくと、彼女は隣の友人に何かささやいて、ドアが開くと同時に逃げるように降りていきました。友人も慌ててその背中を追っていきます。

年配の女性は目を細めて、男子高校生に小さく頭を下げていました。誰かの大きな一言よりも、差し出された1枚が場の空気を変えることがあるのだと、あの電車の中で教えてもらった気がしています。

(30代女性・会社員)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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