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探し続けた、彼女のマグカップ。「ちょっと用事」と濁し続けた半年間

  • 2026.7.26
ハウコレ

テンションが上がったまま送ったボイスメッセージが、よりにもよって彼女のスマホに届いてしまったのです。隠し続けた半年が、ここで表に出てしまいました。

店員さんが奥から持ってきた箱の中に、姉に教えてもらった通りのマグカップがありました。

あの取っ手が欠けた音

俺の手元が滑って、彼女のお気に入りのマグカップを欠けさせた音は、半年経った今もよく覚えています。彼女は「大丈夫だよ」と笑ってくれましたが、その日以来、新しいカップを買い足そうとはしませんでした。俺のせいで、彼女の小さな楽しみが1つ消えてしまった。同じ品を見つけて返すまで、この件を終わらせたくありませんでした。

製造終了の品を、姉に頼って探した半年

同じ品はどの店でも首を横に振られ、製造をやめた品らしいとわかりました。陶器に詳しい姉に相談すると、業界の知り合いに当たってみると言ってくれました。

それから半年、姉から教えてもらった店を1軒ずつ回り、空振りが続くたびに姉と次の店を相談する日々が続きました。見つけてから驚かせたくて、出かける理由を聞かれても「ちょっと用事」としか答えませんでした。誰とのやり取りか聞かれたときは、「仕事の知り合い」とまで嘘をついてしまいました。スマホが震えるたび、彼女に画面を見せず確認する癖までついていました。隠しごとが長引いた分、彼女の中で別のものが膨らんでいたことに、その頃の俺は気づいていませんでした。

誤って届いた、姉宛のボイスメッセージ

姉が連絡をくれた店で品物を受け取った帰り道、そのまま「見つかったよ、本当に助かりました」とボイスメッセージを姉に送りました。改めて送信先を確認すると、トーク履歴の1つ上に並んでいたのは姉ではなく彼女のアカウントでした。慌てて「ごめん、間違えた」と送り直しましたが、家で紙袋を渡してから知ったのは、その一言が彼女の半年分の不安をさらに大きく膨らませていたことです。彼女はメッセージを俺が取り消す直前まで、ずっとあの店内の物音と俺の声を聞き返していたのだそうです。

そして...

サプライズで黙って用意するのが喜ばせ方だと思い込んでいました。でも彼女が求めていたのは、たぶんそういう驚きではありませんでした。出かける理由を一言伝えるだけで、隣にいる彼女の不安は消せたはずです。次に何かを探すときは、最初から2人で店を回ろうと思います。

(20代男性・会社員)

本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。

(ハウコレ編集部)

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