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マットを詰めた受講生が、転倒後に消えた理由

  • 2026.7.25
ハウコレ

私が窓際にマットを敷くと、隣のベテランの深緑のマットが、私のマットの端に音もなく重なっていました。バランスを崩した私にぶつかった彼女は、大げさに床へ倒れ込みました。『危ないじゃない!』と響いた声を、最後まで信じていたのは彼女だけでした。

半年前から私の定位置になった窓際

週末のヨガ教室に通い始めて半年、鏡の右端に近い窓際が私の定位置になっていました。それなのに、いつもは反対側にマットを敷くベテランの女性が、いきなり私の隣に来たのです。ポーズが始まると、彼女のマットは少しずつこちらへ寄せられていきます。動きの合間に見ると、私のマットの右端は数センチ、窓の下に押し出されていました。はじめはただの気のせいだと思うことにしました。

勇気を出した一言と、聞こえないふり

翌週も同じ場所で、同じことが起きました。今度はマットの半分近くが押し出されるほどでした。レッスンの後、私は勇気を出して聞いてみることにしました。「マットが少し重なっていた気がして」。彼女は鏡越しに私を見て、口の端だけを上げ、「あら、そう?」。それだけで、彼女は着替え室へ入っていきました。他の受講生と目が合いましたが、みな視線を落として通り過ぎていきました。

バランスを崩した私に、大げさに倒れた彼女

それから2週間、私は端に追いやられ続けました。その日、インストラクターが全体に言いました。「今日は動きが大きいポーズが多いので、間隔をきちんと取ってください」。それでも彼女は寄ってきました。三角のポーズで軸を保てず、私は彼女の肩に触れてしまいました。彼女は床に大きく倒れ込み、両手を広げて声を上げました。「危ないじゃない!」。私は謝ろうと口を開きました。

そして...

私が声を出す前に、後ろの列から別の受講生が立ち上がりました。「ずっと詰めてましたよね」。反対側の列からも声が上がりました。「私も同じことされました」。鏡には、彼女のマットが私の位置に半分乗り上げている姿が映っていました。次の週、教室に彼女は来ませんでした。インストラクターは全体に伝えました。「今後、決められたマット位置を守れない方には受講をお断りする方針にしました」。窓際の私の場所には、いつも通り光が差していました。

(30代女性・会社員)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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