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「息子はこの味噌汁が好きなのよ」私の手料理を評価する義母。だが、夫の優しい一言に救われた瞬間

  • 2026.7.22
「息子はこの味噌汁が好きなのよ」私の手料理を評価する義母。だが、夫の優しい一言に救われた瞬間

出汁の匂いに、必ず一言がついてくる

結婚して間もない頃から、義実家の台所は落ち着ける場所ではありませんでした。

包丁を持てば手元をのぞかれ、鍋の蓋を開ければ味を確かめられます。

義母にとって、私の料理はいつまでも採点の対象なのでした。

結婚して二十年以上、この採点が終わったことは一度もありません。子どもが生まれても、その子が家を出ても、義母の物差しだけは変わらないままでした。

その日は法事の前日で、夕飯の支度を私が任されました。

煮物を仕上げ、味噌汁の火を止めたところで、後ろから椀をのぞき込まれます。

「息子はこの味噌汁が好きなのよ」

「…出汁は、少し強めにしてみました」

「うちの子は昔からこの家の味で育ってるの。もう少し味付けを覚えた方がいいわね」

お玉を持つ手が止まりました。前の日から下ごしらえをして、朝も早くから台所に立った日です。

「今の若い人は、便利なものに頼りすぎ。私のころは、煮干しの頭を取るところから始めたわ」

笑って流すのが、私の癖でした。

言い返せば場が壊れる、黙っていればこの一時間は終わる。何年も、そうやってやり過ごしてきたのです。

帰りの車で、はじめて本当のことを言った

その夜、ハンドルを握る夫の横で、私はようやく口を開きました。

「あなたのお母さんを悪く言いたいわけじゃないの。でも、毎回比べられるのは、つらい」

夫はしばらく黙ったあと、信号で車を止めてから答えました。

「気づかなかった。ごめん」

次に義実家へ行ったのは、お盆でした。仏壇に手を合わせ、いつものように台所へ立ちます。素麺の汁を温めていると、背中へ同じ声が飛んできました。

「やっぱり味が薄いわ。息子はこの味で育ってるんだから」

そのとき、居間から夫が立ち上がりました。

「母さんの味も好きだよ。でも、今の家の味を毎日作ってくれてるのは妻だから。比べる言い方は、やめてほしい」

義母の頬から、すっと赤みが引きました。

「……私は、よかれと思って言ってるだけよ」

「よかれなら、まず美味しいって言ってあげてよ」

義母は言い返そうと口を開き、そのまま声を出さずに閉じました。お玉を鍋へ戻し、私とは目を合わせないまま、換気扇のスイッチを押します。座敷でテレビを見ていた義父が、顔を上げて小さくうなずきました。

「理解してもらって安心しました」

私がそう返すと、義母はもう何も言いませんでした。

それから、味の話は出なくなりました。この前など、義母は汁物を一口すすってから、確かめるように私を見たのです。

「これ……出汁、何を使ったの。教えてくれる?」

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、50代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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