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「黙ってたけど、200万を今すぐ返さなきゃいけない」夫の突然の告白。隠し続けた夫に感じた違和感

  • 2026.7.20

日曜の朝の切り出し方

夫がそれを口にしたのは、結婚して半年目の日曜の朝だった。

洗濯機の回る音と、換気扇の音。いつもと変わらない朝のはずだった。

トーストの焼ける匂いのなか、夫がテーブルの上で両手を組んだ。指が、白くなるほど組み合わされていた。

「どうしたの、改まって」

「黙ってたけど、200万を今すぐ返さなきゃいけない」

意味が掴めなかった。

返す、という言葉と、目の前のマグカップが、どうしても繋がらない。

夫はテーブルの下から、水色の封筒を出した。

開けた跡のある、事務的な紙だった。

指で持つと、思ったより硬い。

宛名は夫の名前で、差出人の欄には奨学金を扱う機関の名前が印字されていた。

「奨学金。二年、滞納してた」

パンが焼ける匂いが、急に遠くなった。

「…二年?」

「最初は払ってたんだ。転職して給料が下がった時に一回飛ばして、それから、ずっと」

紙をめくると、太い活字で「督促」とあった。期限までに一括で納めること、と書かれている。

分割には、もう戻せないという。

「じゃあ、200万を一度にってこと?」

夫はうなずいた。トースターが、間の抜けた音を立てて跳ね上がった。

背負わされた金利

結婚式と新居の費用で、貯金はほとんど残っていなかった。

独身時代の私の口座をかき集めても、半分にも届かない。

両親に頼るという選択肢は、二人ともに最初から無かった。

残った道は一つ。別のローンで借りて、そのお金で一括返済する。

窓口で示された金利は、奨学金のそれとは桁が違った。

担当者が電卓を打つ音を、私は黙って聞いていた。返済表が一枚、カウンターの上を滑ってくる。

「毎月の返済、これ全部?」

夫は返済表の数字を指でなぞって、そのまま止まった。

「利息だけで、何年分になるの」

夫は答えられなかった。

帰り道、ずっと私の半歩後ろを歩いていた。信号で立ち止まるたび、足音が近づいて、また離れた。

「なんで、結婚する前に言わなかったの」

「言ったら、断られると思った」

足が止まった。

この人は二年間、私が知らないことを知っていて、隣で笑っていた。

顔合わせの席で私の父に「借金はありません」と言った、あの顔で。

「督促が来てなかったら、いつまで黙ってるつもりだった?」

夫は、答えなかった。

返済は今も続いている。夫は毎月きちんと入金しているし、通帳も隠さなくなった。

それでも、家計簿を開いて金利の欄に数字を書き込むたび、あの日曜の朝が戻ってくる。トースターの音も、封筒の手触りも、そのままだ。

この人が、次は何を黙っているのか。確かめる方法を、私は持っていない。

※tendが独自に実施したアンケートで集めた、20代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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