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「テレビばかり見てないで勉強しろ!」家族団欒の場を凍らせた夫。だが、家族に避けられた結果

  • 2026.7.21

笑い声が消えた居間

夕食の片付けの前に、子ども3人と居間でテレビを見るのが、わが家のいちばん賑やかな時間だった。

その夜も、バラエティ番組を見ながら、四人で腹を抱えて笑っていた。

「今の、絶対わざとやってるって」

末っ子がクッションを抱えて転がり、上の娘がむせながら麦茶を置く。

そこへ、風呂上がりの夫が入ってきた。テレビの画面をちらりと見て、鼻で笑う。

「こんなくだらないテレビ見てるやつなんているのかと思ったら、ここにいた」

空気が、少しだけ薄くなった。それでも息子は、まだ笑顔のままリモコンを差し出した。

「でも面白いよ?見てみて」

父親を輪に入れようとして、ソファの端まで空けていた。

「テレビばかり見てないで勉強しろ!」

誰も、何も言わなかった。

テレビの中の笑い声だけが、やけに大きく響いていた。息子の手からリモコンが下ろされ、差し出された手が、そのまま膝の上に戻る。

「……お風呂、入ってくるね」

娘がそう言って立ち上がると、それが合図になった。上の子は部屋へ、下の子は宿題を取りに二階へ。私は黙って台所に立ち、皿を洗いはじめた。

誰もいない居間で

五分後、居間には夫だけが残っていた。

空気を察しているのか、気づいてすらいないのか。

夫はスマホを見ながら、ひとりでじっと座っていた。誰も見ていないテレビが、勝手に笑い続けている。

その日から、家族はしぜんと夫を避けるようになった。

子どもたちは、父親が居間に入ってくると、口実を作って散っていく。話が弾んでいても、廊下の足音が聞こえた瞬間に声が小さくなった。

二週間ほど経った夜、夫がぽつりと言った。

「最近みんな、俺がいると散るよな」

気のせいじゃないよ、と私は答えた。

「なんでだよ。俺、何かしたか」

私は布巾を置いて、夫の方を向いた。

「みんな、笑ってる時に馬鹿にされたくないだけだよ」

夫の口が、半分開いたまま止まった。

「……いや、あれは、そういう意味じゃ」

「息子は、一緒に見ようって誘ったの。お父さんと笑いたかったんだよ」

夫は視線をテーブルの木目に落とし、それきり黙り込んだ。

翌週の日曜、居間から久しぶりに笑い声が上がった。同じ番組を、同じ四人で見ていた。

廊下に夫の足音がして、子どもたちの背中が一瞬こわばる。けれど夫は、何も言わずにソファの端に腰を下ろした。

しばらくして、末っ子が思い出したように振り返る。

「お父さん、今の見た?」

「……見た。あれはずるいわ」

ぎこちない一言に、下手な笑い方だった。それでも、その夜は誰も席を立たなかった。

嫌味を言えば、部屋から人がいなくなる。それを覚えるのに、この人は2週間かかったのだ。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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