1. トップ
  2. エピソード
  3. 「洗うのはお前の仕事だろ」皿を水につけただけの夫。翌日、妻の仕返しに絶句

「洗うのはお前の仕事だろ」皿を水につけただけの夫。翌日、妻の仕返しに絶句

  • 2026.7.20

38度5分の夜のシンク

熱を出して寝込んだ日、夫が珍しく寝室をのぞいて言った。

「夕飯は俺が作って片付けまでやっておくから、寝てていいよ」

ありがたかった。夫は職場でも親戚の集まりでも「うちは俺が家事も育児もやってる」と胸を張る人だ。

今日はその言葉が本物になるのかもしれない。

私は薬を飲んで、そのまま眠りに落ちた。

目が覚めたのは、夜中の1時過ぎ。

38度5分の熱が少し引いて、喉がからからだった。

水を飲もうとキッチンに立ち、思わず足が止まった。

フライパンも鍋も、皿の9枚も、シンクに積み上がったまま。

上から水だけがなみなみと張られている。

リビングでは、夫がスマホゲームの画面を見つめていた。

「片付けまでやってくれるんじゃなかったの?」

夫は顔も上げずに答えた。

「え?食器を水に浸けておいてあげたよ?これでもう汚れは浮いてるから、あとは洗うだけでしょ」

そして、とどめのように続けた。

「洗うのはお前の仕事だろ」

浸けただけで片付けた気になるな。喉まで出かかったが、ふらつく足では言い合う体力もない。

私は水を一杯飲んで、黙って寝室に戻った。

玄関の真ん中に置いた洗面器

翌朝、熱は下がっていた。代わりに、腹の底に冷たいものが残っていた。

夫が出勤したあと、私は玄関の靴箱を開けた。

そこには、夫が「2万円もしたんだぞ」と自慢するお気に入りのスニーカーがある。

雨の日は絶対に履かない、汚れひとつない一足だ。

私はそれを洗面器に沈め、水をなみなみと張った。ブラシも洗剤も出さない。

ただ浸けるだけ。そして、これ見よがしに玄関の真ん中へ置いておいた。

夜、帰ってきた夫が、扉を開けたところで固まった。

「…なにこれ」

「浸けておいてあげたよ。もう汚れは浮いてるから、あとは洗うだけでしょ」

夫の顔から、すっと血の気が引いた。

「いや、待って、これ2万するやつで……」

「洗うのは、あなたの仕事ね」

夫は口を開けたまま、洗面器と私の顔を三度も見比べた。反論しかけて、飲み込む。ようやく出てきたのは、消え入りそうな声だった。

「…昨日の、あれ、そういうことか」

その夜、夫は洗面所にこもって1時間、ブラシを握って自分のスニーカーを洗っていた。ときどき、ため息が漏れ聞こえてくる。乾かしても、革の部分の型は戻らなかったらしい。

あれから、夫が夕飯を作った日はシンクが空になっている。水気まで拭いて、私の顔色をうかがいながら「洗い終わったから」と報告してくるのだ。「浸けておいた」という言葉は、二度と聞かなくなった。

玄関の少しよれたスニーカーを、夫はときどき黙って見つめている。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

元記事で読む
の記事をもっとみる

注目コンテンツ