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「来ちゃった、勝手に開けたわよ」合鍵で上がり込み台所にまで立った義母。だが、夫の一言で態度が一変

  • 2026.7.20

休日の玄関が開いた音

土曜の昼下がり、玄関の鍵が回る音がした。

夫はリビングでテレビを見ている。宅配便かと思って顔を上げた瞬間、扉が開いた。

「来ちゃった、勝手に開けたわよ」

義母が、買い物袋を提げて立っていた。

「え、鍵は…」

「あら、聞いてないの。合鍵をもらってるのよ」

夫を見た。夫は気まずそうに視線を逸らした。引っ越しの時に渡していたのだという。私はその日、初めてそれを知った。

義母は靴を脱ぐと、まっすぐ廊下を進んでいった。

「この収納の仕方、効率が悪いわね」

「掃除はもっとこまめにしないと。ほら、ここに埃」

棚を開け、指で桟をなぞり、順番に点検していく。

家のことは全部自分のやり方が正しい。義母はそういう人だった。私は後ろをついて回ることしかできなかった。

「洗濯物のたたみ方も、うちのやり方があるのよ」

「すみません、私のやり方で…」

「謝らなくていいの。教えてあげてるんだから」

買ってきた食材を勝手に冷蔵庫へ入れながら、義母は次々と指示を出した。断る隙がどこにもなかった。

鍋の蓋を取った手

義母の足は、そのまま台所へ向かった。

コンロには、夕飯用の煮物の鍋がかけてあった。義母は当たり前のように蓋を取り、味見をする。

「あなたの料理は味が薄いのよ。私が作ってあげる」

「あの、それは今夜の分で」

「いいから座ってなさい」

私の返事も待たずに、義母は冷蔵庫を開けた。

中の物を勝手に取り出し、うちの鍋に自分の味を足していく。

そこへ、リビングから夫が立ってきた。

「母さん、勝手に入るのはやめて。鍵は返して」

普段は義母に何も言わない夫の、聞いたことのない口調だった。義母は菜箸を持ったまま振り返る。

「何言ってるの。家族なんだから、いいじゃない」

「ここは俺たちの家だから」

短い一言だった。義母の手が止まる。

「……私は、心配して来てあげてるのよ」

「来る時は連絡して。玄関で待つのが普通だろ」

義母は口を開きかけ、何も言えずに閉じた。助けを求めるように私を見たが、私は目を逸らさずに言った。

「私も、そうしていただけると助かります」

義母は菜箸を置いた。それからバッグを探り、テーブルに合鍵を置く。小さな金属音が、やけに大きく響いた。

「……じゃあ、帰るわ」

買い物袋も持たずに玄関へ向かい、そのまま帰っていった。ドアが閉まった家の中は、驚くほど静かだった。

それから、アポなしの訪問は一度もない。今は来る前に必ず電話が入る。「そちらの都合はどう」と、遠慮がちに聞いてくるようになった。台所に立つのも、私だけだ。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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