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「父さん、商店街がテレビでやってるよ」映っていたのは近所の住民への街頭インタビュー。だが、住民の発言に我が家が凍りついたワケ

  • 2026.7.16

孫に会える夏、商店街への買い出し

息子が所帯を持ち、子どもが生まれてからというもの、夏休みには家族を連れて帰省してくれるようになった。

息子に会えるのも嬉しいが、それ以上に、生まれたばかりの初孫に会えるのが、私には何よりの楽しみだった。

今年もその季節がやってきて、我が家は朝から少しそわそわしていた。

とはいえ、嫁にとって夫の実家は気の張る場所だろう。

泊まりの帰省ともなればなおさらで、気を遣うのはお互いさまだ。

実を言えば、うちの妻と嫁は、どうにも相性が良くない。

顔を合わせれば表面上は穏やかでも、その裏でぴりぴりとした空気が流れているのを、私はいつも肌で感じていた。

それでも、せっかくの帰省くらいは気持ちよく過ごしてほしい。

息子に「何が食べたい」と聞くと、迷わず「焼肉」と返ってきた。

私はさっそく、近所の商店街へ肉を買い出しに出かけた。

その日は妙に人出が多く、カメラのようなものを担いだ一団も見かけたが、その時は特に気にも留めなかった。

茶の間のテレビに、映し出された我が家の事情

両手に袋を提げて家に戻ると、息子が茶の間のテレビを指さした。

「父さん、商店街がテレビでやってるよ」

なるほど、さっきの人だかりはこれかと合点がいった。

画面に映っていたのは、いつもの商店街の街頭インタビューだった。

ところが、マイクを向けられていたのは、日ごろ親しくしているご近所さんだった。

「何か気になることはありますか」というアナウンサーの問いに、その人はにこやかに、しかしはっきりとこう答えたのだ。

「◯◯さん夫婦が焼肉を買いに来てましたよ」

続けてその人は、「そこのお宅、奥さんとお嫁さんの相性が悪いって、ご主人が気が気じゃないって言ってたから、帰省してどうなるか気になってるんです」と、生放送の電波に乗せて語り続けた。

それは紛れもなく、私が何の気なしに漏らした我が家の内情そのものだった。

茶の間の空気が、音を立てて凍りついた。

妻の顔がこわばり、嫁の表情がすっと消える。

息子は画面と私を交互に見て、言葉を失っている。

無邪気に笑っているのは、何も知らない孫だけだった。

誰かがひと言でも口を開けば、この場のすべてが崩れてしまう。

そんな気がして、私も、妻も、嫁も、ただテレビを見つめたまま動けなかった。

結局、誰も何も言わないまま、その夜は静かに過ぎていった。

あの沈黙が何を意味していたのか、私は今も、確かめる勇気を持てずにいる。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、50代・男性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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