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『サッカーコーチのハーヴァード大』アルテタ監督も受講したウェールズの指導者育成コースで「軍事訓練」を行うワケ

  • 2026.7.14

日本でも度々話題になるサッカー界のライセンス問題。

トップリーグや代表監督を務めるには、トップレベルのライセンスを取得している必要がある。

欧州で最高峰にあるライセンスは、UEFAプロライセンスだ。

『BBC』によれば、ウェールズサッカー協会のプロライセンス・コースは「サッカーコーチングにおけるハーヴァード大学」と称されるほど評価が高いという。

実際、アーセナルをプレミアリーグ優勝に導いたミケル・アルテタ監督もこのコースの卒業生(アルテタ監督はスペイン人だが、必ずしも自国でライセンスを取得する必要はない)。

現在、ウェールズサッカー協会のプロライセンス・コースは、元ウェールズ代表キャプテンのアーロン・ラムジーや、チェルシーやマンチェスター・シティでプレーした元アルゼンチン代表GKのウィリー・カバジェロが受講中。

同コースでは、軍の訓練を受けた専門家たちとともに2日間の集中的な模擬訓練も行われるそう。

受講者は迷彩服に身を包み、モデルガンを手に訓練に参加。

爆発音がした現場に駆けつけると、そこには血まみれの脚を押さえながら、助けを求めて叫ぶ兵士の姿が…。

ただ、その血は偽物で、負傷者役も義肢をつけた元軍人の俳優。ラムジーが止血帯を装着する一方で、カバジェロが負傷者を励ます…。

元フランス代表フロラン・マルダが同コースに参加した際には、待ち伏せ攻撃を想定した演習が行われ、森の中で人質を救出し、武装した敵を撃退しながら安全な場所へ避難させるという任務が与えられたそう。

参加者たちは、薄暗い作戦室に集まり、「ブレコニア」という仮想世界での侵攻戦略や敵対的な環境への対処法を練る。夜明けとともにテントから叩き出されるため、任務を割り当てられる前からすでに疲れ切っているという。

このコースを運営する企業の創設者で軍司令官の経験があるマット・ジョンズは、その意図をこう説明している。

「彼らはまったく馴染みのない環境に置かれ、我々はさまざまな方法でプレッシャーをかける。

彼らを疲れさせ、次に何が起こるかわからない状態にさせて、少し恐怖や不安を抱かせる。

様々な形でストレスを与えて、その中で行動させることで、自分自身について多くのことを学べるようにしている。

リーダーシップ、そして、プレッシャー下でのリーダーシップには、レベルや業界を問わず共通する部分がある。

スポーツのバックグラウンドを持つ人々の本当に異なる点は、意欲的で、勝ちたがり、最高を目指していることにある。

我々が何かを示すと、次のステップは『自分はどうすればそれを極められるか』。なので、これは取り組むうえで本当に素晴らしい環境だ。

最後に彼らがどう振り返るかを聞いてみると深くまで考えが至っている。極度のプレッシャー下での対処術を、自分が置かれた環境でのアプローチへと飛躍することができるようになる」

プロサッカーの監督業は、ストレスやプレッシャーが大きい。

こうした軍事的訓練を受けておくことで、ベンチで直面するあらゆる事態に備えることができるという意図のようだ。

筆者:井上大輔(編集部)
画像提供:Getty Images

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